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二千ページを超える大作の完結巻です。 あまりの面白さに、寝ずに読んでしまいました。 読み終えた後は全身の力を抜かれました。魂を抜かれたかのよう。この本は、凄いです。 読者には明らかにされている事実を徐々に登場人物達に浸透させていく手法も見事ですし、それぞれが知恵を絞って犯人の嘘を見破っていくあたりは本当に興奮されられました。 終わりのほう、老人と犯人の対峙の場面は、泣きました。ラストも泣きました。 犯罪に対する世間のあり方や筆者の思想もきちんと描かれており、人間関係には血が通い、仕掛けやミスリードも存分に味わえます。エンターテイメントとしてもミステリーとしてもこれだけの完成度を誇るおはなしはそうあるものではありません。 世の売文業の皆様、くだらない小説を出す暇があったらこの本を読んで少しは勉強して欲しいものです。今更ですが作者の力量は本当に恐ろしいです。宮部みゆき氏を超える女性作家は、しばらく現れないのではないかと思います。 また五冊それぞれの表紙がとても良いですね。この物語を実に巧く表現しています。
非常に長かったが、最後まで飽きずに楽しめた。 第一に、やっぱり上手い。ひとつの事柄を色々な登場人物の側面から違った角度で丁寧に描き切る、そのテクニックは秀逸。 最初は淡々とした群像小説なのかな、という印象を受けるが、それぞれのストーリーが徐々に交わり、そして重なり、 ひとつに終結してゆくラストはとにかく圧巻の一言。 そんなにうまく事が運ぶのか?と思わないでもないが、しかしそのマイナスを差し引いても有り余るお釣りがくる力作。 犯罪者の心理、被害者遺族の心理、取材する者、警察、その他第三者の心理、 決して相容れることのない互いの主張とその苦しみ、心情をこれほどまでリアルに臆することなく突き詰めた作品は初めて読んだ。 それぞれの傷を抱えながら、そして更に傷つけ合いながらも、正しい道を模索してゆこうと必死でもがく登場人物たちの姿に心をえぐられる。 犯罪そのものの惨劇、犯罪者心理の生々しい描写、それらは当然理解なんて域を超えているし、向かっ腹が立つ。 しかし、実際に犯罪はこうやって起きるんだ・・・と、その点は否応なしに納得してしまうほど丁重に描かれていて、 この人はやっぱり社会派ミステリーの秀逸な書き手であり語り手なんだな、と思わずにはいられなかった。 十分なエンターテイメント性で楽しませてくれながらも、心に深いものを訴えてくる素晴らしい作品だと思う。
やはり長いですが、もし長くても長いだけの必要性があるなら良いと思うのです。 ですが中盤で、もう既に亡くなった人の話を延々と読まされても、結局その人は 何も出来ずに亡くなっているのです。 そんなに詳しくこの部分を書く必要があるんでしょうか? 読者はやり切れないモヤモヤを抱え込まされて、先に進むしかありません。 その後にも更にボロボロになって死んで行く人もいますが、作者は全く救いの手を 差し伸べません。 さすがにここまではしないだろうと思いましたが、その人の死なんて、作品には 大した部分ではなかったのでしょうね。 ですが、作品中その親族達の事を考えると、大変気が重くなります。 フィクションですが、そういう事まで考える読者もいるのです。 ノンフィクションだとしたら仕方がないと思いますが、フィクションであるこの 作品で、ここまで人を殺して作者が伝えたかった事がさっぱり分かりません。 現実は厳しい?誰も他人は助けてくれない?人殺しは日常茶飯事だ? はっきり言って、宮部みゆきはこれ以降読む気が起こらなくなった作品です。
宮部さんの著書である「火車」を数年前に読み、 濃厚な内容と緻密な文章に感動しました。 今回はこの長編小説を一ヶ月かけて読み終えました。 残酷な事件が生々しく描かれていて、 身震いしたときもありましたが、 少々強引にストーリーを進めているような気がしました。 あと、カバー裏表紙のあらすじは不要だと思います。
あまりにも安易に人間が死にすぎている気がしてならない。