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黄泉がえり (新潮文庫)

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黄泉がえり (新潮文庫)の商品レビュー

4.0 大宇宙からのプレゼント。ヒトはなにを思うのでしょう。
いわゆる死者との邂逅をあつかった作品は、「ウランバーナの森」や「異人たちの夏」、「鉄道員」など多数ある.しかし、ほとんどは主人公の身内の個人的なストーリーだ。カジシンは、死者が生き返るという現象が、地域規模でおこったらどうなるのかという、ユニークな発想で物語を進めてゆく.すべての黄泉がえりは深く望まれていた人々だが、実際にかえってこられると困ってしまう。なんとか生活に順応し、愛するものたちとの生活を取り戻した頃に、再び別れが訪れ突然消えてゆく。彼らはなんだったのか、「彼」によって、ヒトはどうかわることができたのか。ヒトを愛すること、許すこと、助け合うこと、そして生きてゆくことの大切さ、すばらしさを描いた寓話だと思う.映画は平凡な死者生返りものになっていて、退屈.RUI(柴崎コウ)の歌う「月の光」だけが唯一の救いだ.
5.0 今、大事に思える人はいますか?
本来であれば永遠の別れをしたはずの人が元気な姿で目の前に現れたら。
身近な人を亡くしたことがない自分でも感動するのだから、
きっとつらい思いをした人が読んだらもっと感動するのでしょう。

今、大事に思える人はいますか?
突然いなくなったら後悔しませんか?

黄泉がえりがあったればこそ人を思いやったり、優しい気持ちになったり、
本来持っている感情に気がつく登場人物たち。
そしてココロの中に何かを取り戻していきます。
今という時を、出会いを、本当に大切にしていきたいと思わせる内容でした。

他に印象的だった箇所は地球外へ飛んだ宇宙飛行士たちの姿について書いてあるところ。
--
地球へ帰還した宇宙飛行士たちは、
すべて共通した雰囲気を持っていると指摘していた。
地球の表面で争うことの愚かさを悟り、宗教に走るものや、
環境運動に身を置くものなど色々なのだが、共通していることは、
彼らは無意識のうちに”神”に近い考えかたに変化していると感じられること。
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平和とか論じる事って簡単なようで難しいですが、
こういう境地に立てたら本当に説明なんかいらないんでしょうね。
5.0 映画よりも厚みがある
映画では触れられなかった部分がたくさんあり、映画は映画で良かったと思うのだけど、この原作の厚みを考えると残念でならない。
全ての登場人物が主人公で、全ての登場人物に愛する人があり、失う人も居た。
映画では「フワフワとした感じ」でしか扱われなかった歌手マーチン(映画ではルイ)も、出来のいい兄が蘇った気の弱い青年も、みんな生き生きと輝いていた。

死者が蘇ることで、「あのときこうしていれば」の本音をぶつけることもできる。
一緒に行動することもできる。
戸籍の問題や蘇った人たちへの対応等、リアルに描かれている部分はあるがそれはこの物語の持つ「ファンタジー」を邪魔しないようギリギリのラインで存在していると思う。
5.0 作者の優しさが胸に響いてくる
いま、自分が生きて存在していること自体がミステリーだし超常現象だ。だから黄泉がえりも決してありえないことではない。私はこの本に書かれたことがそう不自然なこととは思えない。
どうして黄泉がえってきたのか。その目的は何。そしてどうしてまた帰っていくの。残された人たちは。作者はそれらの疑問を読者に十分納得ゆくように丁寧に説明してくれている。
私たちの生も元気に生きられる時間は決してそう長くはない、愛しあってる人がいればその愛を一番に優先しなければいけない、そして、どう生きるかだ、自分にとって一番いい生き方を生きる、ぐずぐずしてはいられないのだよ、そして誰にでも無報酬の愛を分けてあげられればそれが最良の生き方だ、など、いろいろなことを考えさせてくれる。
黄泉がえってきた人たちの群像劇であるが、それらの人の誰もが優しく深い愛を内に秘めている。黄泉がえった人たちは作者の人生観を代弁しているとも考えられる。黄泉がえった人たちの優しさと深い愛とともに作者の優しさが胸に響いてくる。
3.0 人の運命(さだめ)
死者がよみがえる。一見ホラーのようだが、切ない人間ドラマだった。この世ではもう二度々会うことのない人たちにもう一度会えたとき、人は恐怖よりもうれしさを感じるものなのだ。私にも死んでしまった人で、会いたい人がいる。その人たちにもう一度会うことが出来たなら、どんなにうれしいか。だが、もう一度別れを味わうとしたら、それもいやなものだ。人にはそれぞれ運命(さだめ)というものがある。それを素直に受け入れて生きることも、時には必要なのかもしれない。

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