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悪霊 (下巻) (新潮文庫)の商品レビュー ヴィスコンティのあの映画のあのエピソードは・・・
ひとつすっきりしたこと!それはヴィスコンティの怪作【地獄に堕ちた勇者ども】の中でも特に奇怪な、H・バーガー扮する主人公と少女の挿話の、元ネタがこの「悪霊」の最後の「スタヴローギンの告白」だったこと! スタヴローギン
荒廃したロシアに生まれた悪霊「無神論思想」。その中で頭角を現した怪物的カリスマ「ニコライ・スタヴローギン」。完璧な能力、隙のない計画、強力な組織、そんな彼の野望を止めるのは誰もが不可能に見えた。だが・・・ 歴史的傑作
物語が終了してもなおおおくの謎を秘めているという感じです。とくに組織のリーダーであったと思われるピョートルが今後どうなってしまいうのか、そもそも、この組織とは一体なんであったのかさえ十分な説明がありません。しかし、ドストエフスキーの思想については遺憾なく強く、深く表れている作品であると思います。 文豪が作り出した最も深刻な悪魔的超人
ペテルブルクでは無頼どもの頭目であり、幼女を陵辱し、優れた知性も精力もありながら「自分はなぜ生きているのか」という意義を見出せず、自殺するスタヴローギンは、文豪が生んだ最も深刻な人間像である。個人的な読み方に過ぎないが、文豪の処女作「貧しき人々」の少女ワルワーラは、結局文通をしていた小役人マカールと別れ、金持ちブイコフに身を委ねる。そこでスタヴローギンの母親の名前もワルワーラである。母親は息子に会うと恐ろしい気分に襲われて直視できない。なぜか。この母親は処女作のいたいけな少女のなれの果てとして造形されたのではないだろうか。愛のない行為で出生した人間に存在意義を求めるのは無理である。まるでスタヴローギンは母親になった少女に復讐をしているかのようである。出版の際に削除されたチホンとスタヴローギンの対話は、信仰者とニヒリストとの直接対決であり、本書の圧巻である。文豪の作品の中でも完成度が高い。 ラスト
まず上巻はこの悲劇の序曲でしかない、と言う印象を受けるだろう。裏切り、殺人、自殺、等おぞましい光景が繰り広げられて行く。キリーロフとピョートルの対話はカミュのシシフォスの神話に引用されるなど、哲学的内容が多大に含まれている。そしてなによりこの悲劇のラストシーンはこの物語を全て物語っていると言っても過言ではない。スタヴローギンの苦悩とピョートルの焦燥がついにここで爆発するのである。当時ドストエフスキーが雑誌で連載していた頃は家庭向きの雑誌だからと断られた。スタヴローギンの告白が含まれているのがとても嬉しい。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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