ディケンズ晩年の傑作
慈愛、許しなどキリスト教の精神に溢れたディケンズ晩年の傑作です.貧しい孤児から一転、姿を見せぬ恩恵者からの財産相続の見込みにより紳士となる主人公ピップ、婚約者の裏切りにより婚礼の朝から失意のまま何十年も時が止まったままの裕福な老婦人と美しく謎の魅力に満ちたその養女エステラ。
これだけで十分個性に富んだ登場人物が揃ってしまいましたが、そのまわりを固める人々がまた良くも悪くも人間味に溢れた人物ばかりなのはさすがディケンズ、と唸らされます。
下巻は結果が知りたい一心で止まることなく読み通してしまいました。世俗的な物差しで自分より劣っている、と見下していた相手が実は人間としてずっと上等な人物であることを知る過程には涙がかかせませんでした。地位や名誉や財産が幸せの物差しではないことを教えてくれる素晴らしい作品です。
The classic entertainment!
初めに言っておくが、ディケンズの作品に思想はない! ドストエフスキーのような思想に重きを置くスタイルを好む皆さん、残念です。
しかし、思想なんてどうでもいいや、思想よりも面白いものが読みたいと言う人! ディケンズを読みましょう。読者をどんどん作品の世界の中に引き込む魔術に魅了されること請け合いです。ただ、ちょっと強引なところがあるんで、そこんところがネックだな。超一流の文学者の作品は得てしてアクが強いから、受け入れない奴もいるだろうけどな。
まあ、最近、面白いもん読んでねえなあ、と思ってる奴! おまえだよ、おまえ。とりあえずディケンズでも読んどけ。