ベストセラーよりも。
学校帰り、本屋で"店長お勧めコーナー"で見つけた本。
短編集で、『長距離走者の孤独』が最初。アランシリトー1959年の作品。
すでに1962年に映画化されている。
(イギリス モノクロ 88分 監督:トニー・リチャードソン)
短編なので、蛇足が無く、切れが良い。
読後の後味もとても良い。
そして、芸術的要素がしばしば感じられる。
中でもこの本のタイトルである『長距離走者の孤独』は、
文章と、文章から生まれるイメージとがシンクロして
例えて言うならば、PROMOTION VIDEOを見ているような感覚に陥る。
登場人物のアイデンティティもまた面白い。
今この本を読み返す
大江千里が自らの曲名に使ったり、一時期は青春文学のトップランナー
だった印象があるが、最近はあまりこの作品の名を聞かなくなった。
だからこそ(といってはなんだが)、今この本を再発掘する価値があると思
う。安いし、短編集だから学生が夏休みに読む本としては最適。
ところで、昔読んだ事がある方で、「こんな青臭いの読んでられねーよ」とか言ってる人。手元にあるならもう一度ひっぱりだして、同時に
収められている「漁船の絵」を読んでみよう。
心に沁みる苦さが味わえます。