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ロリータ (新潮文庫 赤 105-1)

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ロリータ (新潮文庫 赤 105-1)の商品レビュー

5.0 幼稚な子供であり純粋な少年でもあり
ナボコフにはいつも驚かされる。本書においては「第一部」、「第二部」の前に「はしがき」を設けることによってこの作品の作品性を強めることに成功しており、何も知らずに冒頭を読み出した私は、「はしがき」から本文が始まっているということに一瞬当惑してしまったほどだ。言葉の神様と言われるナボコフだが、同時に私は彼を構成の神様とも評価したい。

さて、本文についてであるが、やはり心理的、抽象的表現の奥深さは途轍もない。加えて事物に対する考察を並々ならぬ分量で説き、一つの事物からこんなにも話を膨らますことができるのかと驚嘆してしまう。

内容は、題名にある通り、中年男の少女への愛にまつわる話なのだが、その偏愛ぶりは異常である。愛しすぎているあまり、自分の行う背徳的行為を正当化し、むしろそういう行為を背徳的としてしまう現代社会の規範こそ誤りなのではないかという考えすら起こす。言ってみれば彼は幼稚な子供なのであるが、純粋な少年でもあり、そこに同情を覚える余地があり、また、この物語を悲劇的にしている。

第一部は中年男の少女への接近、第二部は前半、後半で分けられ、前半は彼の保守的に過ぎる少女との生活、後半は失われたことによって再確認する少女への愛とその追求、また失わせた者への正義の制裁が描かれている。

エロティックなシーンや表現はほとんどないが、むしろそういうものはかえって話を薄っぺらいものにしてしまう。あえてそれを避け、一人の人間のグロテスクな内面を描写した秀作である。
5.0 笑える文学
ロリコンといえばウラジミール・ナボコフの「ロリータ」ですが、いいっスよハンバート・ハンバート。
こんなに笑える文学だとは思わなかった……。

向かいの家の窓ガラスに写った影を「少女が脱いでる!!」と勘違いして身を乗り出したら、その正体が中年のオッサンだったり。

久方ぶりに会ったロリータがこんがり日焼けして顔にそばかすできてたの見て「より相応しいニンフェットがキャンプ場にいるんじゃなかろうか」と悪魔に誘惑されたり。

ロリータが自分のストイライクゾーン圏外になったら彼女との間に娘作ってその子を理想のニンフェットに育てようとプリンセスメーカーな妄想したり(男の子が生まれてくるとは考えないんすね。変態だから)

要は変態なんですがこうまで変態だと笑えます…作中にでてくる単語も「情熱の錫杖」とか何事かと思いましたよ。男性の体の一部の名称ですが。
電車の中で笑いこらえるの大変でした……。

5.0 小説としては最高
ナボコフと言えばロリータ。
そしてロリコンという言葉がネガティブに否定的に卑猥に用いられている昨今、この小説はあまりにも軽視されすぎている。
中年の男が幼いロリータに恋するというストーリーだが、そこには心的葛藤やら疑心やらたくらみ、様々な欲望(所有欲など)、裏切りといった様々な心的状態が美しい文章で丹念に表現されており、その点でこの小説は優れた小説である。
特にロリータを手に入れるまでの前半部分はすばらしく運命的でありまた運命の皮肉であり、アーヴィングの一連の小説を思い出す。
また、性的描写を限りなくゼロに近づけながらもエロティシズムを表現した点はこの小説の成果だろう。
タイトルからなんとなくこの小説を遠ざけていた方、ぜひ一読を。
すばらしい小説です。
5.0 あまりにも哀れな男の悲しい末路。
全体的にナルシストな文章を書く主人公に嫌気がさしていたのですが、それに慣れてくると、なんだかそれ自体が好きになってきました。すると他のところも楽しく読めたりして。自分にとって何度も読める小説であることは変わりないです。ラスト、主人公がロリータと生きるために選んだことが、あまりにも悲しく、また、哀れでした。
5.0 文章センスが最高!
「ロリータ」といえばロリコンの言葉の由来。ロリコンネタで、ちょっと卑猥なのではと期待をしていなかったのですが、まったく違いました!ナボコフの文章はとにかくきれいなのです。モノの見方、考え方が刺激的で、痛烈な言葉で核心をついてきます。モノの「例え」も絶妙でリアル。そしてとにかく美しいのです。(そこは翻訳者が優れているため、という事も大きいですが。)本文でナボコフは、少女を愛した中年について、肯定も否定もしていません。モラルについて考える本というより、ただひたすら文章を味わって感動できる本。「はしがき」から本文末にある「ロリータについて」まで、すべて読み応えあり!あらためて小説は芸術のひとつだと実感できます。彼自身、「文学作品」とは「美的快楽」だと言ってますが、まさに美的快楽を存分に与えてくれる作品です。

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