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泥棒日記 (新潮文庫)

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泥棒日記 (新潮文庫)の商品レビュー

5.0 読めるぜ・・・
途中で読むのやめたレビュー見たけど、オレは読んでて心地いいぜ。これポエジーだから右脳で絵を観るように読むのがコツなんだぜ。左脳で読もうとするからアタマ痛くなってきて放り出しちゃうのよ。ヘンリー・ミラーなんかも同じ。オレの場合、サドなんかの方が、トコトン左脳用なんで途中で放り出しちゃう。たいがい仕事で疲れて帰った時間で読書するから、こういうのはカッタルイんだ、苦手だね。ジャン・ジュネのこの心地よさの先に何があるのかはオレもまだ研究中だがね・・・何があるんだろう?ランボーに似ているような気はする。
3.0 好悪がはっきり分かれる作品
 僕も他のレビューの方と同じように読み始めてから知人に「つまらないから読むのはやめた方がいい」と言われました。最初はただ「何言ってるんだよ」と全然気にしてなかったのですが、読み始めてから確かに読みにくさを感じました。一応通読してみたのですが、果たして自分が面白いと思ったのかどうか……それさえよく分からずに、ちょっと厚みがある本にしては読了後の充実感がありませんでした。実際の所、自分は読解力もたいして無いですし、本を読むのにあまり時間を掛けるのは嫌いな方でしたので作品自体は理解していないでしょう。しかし、やっぱりこの本は限度を超えて変(?)じゃないかというところがあって好きになれません。
 巧みな言語の操作によって価値の転覆をはかった背徳の文学の内でも代表的と言える作品だとか。男色、窃盗、物乞い、その他あらゆる境遇にある主人公とその周辺を言葉によって美に飾り立てる筆者の異常なエネルギーは内容自体は分からないながらも何となく感じられました。作品の文学的評価に関してはサルトルが激賞して、翻訳を石川淳、三島由紀夫、坂口安吾らが賞賛したといえばだいたい分かるでしょうか。読む価値は十分にあるようです。
 自分の読了後の素直な考えと比べてみて、こういってしまえばお終いなんですが、難解なものにあえて挑戦して組み敷いてしまおうとする覚悟を持っている人じゃなければもてあますんじゃないかと思います。フランス語は言語そのものが抽象的だと聞いたことがありますが、とにかく文章が抽象的です。そこがこの作品のポイントだと言えばそうなんでしょうが、普段なかなかお目に掛からない熟語の数々が微妙なニュアンスで結びつけられていてとにかく分かりにくい。たぶん作中で同じ感覚をあらわすのに三十通り近い表現を用いているんじゃないかと。内容も『日記』という題名が示すとおり、自伝的要素の濃いものですので山場らしい山場にも欠けます。また、作品自体根幹に男色が置かれているのでそう言った方向に多少なりとも理解がなければ(ゲイじゃなければってことじゃないです)読んでいるのはきついでしょう。
 購入前に書店などで立ち読みして自分に合った物かどうかを確認してからの購入を僕はお勧めします。ちょっと積極的に本自体を勧める気にはなりませんが……
5.0 人生芸術
ジュネは自分が捨て子であること、犯罪者であること、男娼であること、そして仲間に対してさえ裏切り者であることに誇りを持っている。何故ならコレらは本質的に美しいからだそうである。チンピラのアンチ・テーゼとは次元の違う、発生その物からネガティブであることを強調するという、文学でしか有り得ない芸術形態だ。

ジュネの生涯もさることながら、彼の哲学というか生への理念のような物も一般人とはかけ離れている。イヤ、他の文学者や芸術家と比べてさえ、あまりに稀有である。自分の情けなさや、醜悪さ、弱さ、気持ち悪さ、ダメさ、汚さ、というようなネガティブな精神要素を、まるで第三者を評するかのごとく冷静にフェアーに観察し、それを徹底的に暴露する。そして、真に素直な心境というのは、たとえそれが背徳的な非道徳的な物であろうとも、人を傷つけることはなく、むしろヒタスラ共感を招く効果があるようで、それが彼の小説の魅力の基本になっているようにも思われる。実際ジュネの文には「恥」というような感じは少しも含まれてない。

さらに物語を終始覆っている独特の文体が示すように、彼の詩美な文体には(訳者の力量も手伝って)所々ダンテなどを思わせるような古典的で崇高な不陰気が漂い、ただでさえ艶かしいストーリーをいっそう魅惑の妖艶さへと引き上げている。そして同性愛。同性愛をカッコよく描いた文学スタンスってのはこの辺から確立されたのではないかと思われる。もちろん単なる平和な同性愛者ではない。彼が愛する男たちは本質的に「悪」の要素を孕んだ連中なのだ。

ジュネはコクトーによって発見され、サルトルによってその存在を弁護されるが、ジュネ自身は自分の生涯を肯定されることに感謝やなにかをまったく感じなかったそうである。そしてそういったジュネの感性を集結した「泥棒日記」。ジュネはこの作品を逆にサルトルとボーヴォワールに捧げている(半ば皮肉を込めて)。そして作品は日本に紹介され、石川淳、三島由紀夫、坂口安吾といったヤバイ物語を書かせたら指折りの面々に激賞され、その後の作品の翻訳は堀口大學などが手がけていることから見ても、ちょっとこれは純情な騒がれ方ではないということを感じざる得ない。しかし扱っている内容が、内容だけに、どんなに素晴らしい傑作でも表に出して公式の場で賛辞されることはマズ有り得ない。そこがまたアングラっぽくカッコいい。

僕はこの作品にて初めて、ゲイ・カルチャーに羨望を抱きました。
5.0 ジュネの生の失跡とその思想及び、フランス文学の恩寵。
この本を読んだとき、文章の美しさ及び、彼の思想の美しさを読み解いた。
フランス文学の結晶と言うべきあの装飾に飛んだ比喩。ジュネは、この本で、彼の生き方、または性愛、生い立ち、それを自ら賛美し、また、自らが神となるが、最後まで、彼の英雄に月桂冠を授与するにはいたらなかった。

この本で読み解くべきは、ジュネの文学の真髄と成り得る、自己への賛美である。彼のナルシスト的自己愛が、ジュネの文学の真髄だ。
この著は、詩でもあり、小説でもあり、神話のような彼の思想に巡らされている。現代日本のリアリズム及び、個人の妄想に巡らせられた書と断然の差があり、ジュネの著作は、これからも普遍的な輝きを放つだろう。

2.0 こいつはだめだった…
読みにくい。
買った本(小説)のほとんど全てを最後まで読んでますが、これは世界的に有名な本の中では唯一、途中で読むの止めました。知り合いにこの話をすると、自分もそうだった!とのことで、ぼくに限った話ではなく、読みにくさはあるに違いないと思います。

様々な評価などを踏まえて考えると、もしかすると、フランス語で読んだほうがいいのかもしれないと思いました。しかし、それはかなり厳しいというように思われる内容だと思われます。

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