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侵入社員〈下〉 (新潮文庫)

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侵入社員〈下〉 (新潮文庫)の商品レビュー

3.0 今では死語となった産業SpyをThemaとしたSuspense小説
新書やNon-Fiction物ばかりを読んでいたので、たまには娯楽小説でも読んでみようかなと思って手にしたのが、フォーサイスの「戦士たちの挽歌」とこの「侵入社員」の上下巻。
フォーサイスはお気に入りの作家だが、ジョセフ・フィンダーなる作家の作品は初めてなので、『つまらなかったら、上下巻の長丁場は苦痛だなぁ』という不安を抱きながら読み始めた。

主人公はIT業界の大手ワイアット・テレコム社に勤めるダメ社員、アダム・キャシディ。20代後半の若者である。
アダムがした横領をネタに社長のニック・ワイアットから『ワイアット社の最大のライバルであるトライオン・システム社に潜入し、トライオンの企業秘密を盗み出せ』と強請られる。
アダムはこの脅迫に応じ、ワイアット社のお膳立てもあって、トライオンに『かなり出来る奴』として中途入社するのだが、ここからはご都合主義満載のHollywood製娯楽映画の如く、物語は展開していく。
あれよあれよと言う間に重要なPostに就いたアダムがトライオンの極秘情報をニック・ワイアットに流しながらも、トライオンのCEOオーガスティン・ゴダードの人柄の良さに触れ、自分のしている事に対しての罪悪感に苛まれ、
とうとう...というのが下巻のざっとした粗筋。
トライオン社の美人社員との社内恋愛や父親との確執というEpisodeを盛り込みながら、娯楽小説の定番と言っても良いEndingを迎えるのだが、私としてはこのどっちつかずの結末は不満。もうちょっとお堅い結末の方が良かったんでは。
故に★は3個。

それにしてもこういう作品の主人公に絡む女性はどうして美人でStyle抜群なのか?
毎度同じPattrenなのは余りにも芸が無さ過ぎる。
たまには頭は切れるが、容姿はちょっとなぁ...という女性も登場させて!
3.0 日本でもドラマになりそうな、企業スパイ・ノヴェル
本書は、講談社 『IN・POCKET』 の「’06年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」で、<翻訳家&評論家が選んだ>部門で第10位、<総合>第20位にランクインしている。

ハイテク企業の若手ダメ社員の横領がばれ、彼は、警察に引き渡される代わりにライバル会社にスパイとして“侵入”することを余儀なくされるが、そこで意外な才能を発揮し、CEOの補佐役に抜擢され、高額な給料、会社での専用の部屋、豪華なスポーツカー、住居用に快適なコンドミニアムと、夢のような生活を手に入れるが・・・。

読みどころは、なんといっても主人公、アダムが“侵入”したライバル会社の新製品情報を手に入れて、自分の本来の会社に流すため、深夜・早朝に上司や担当責任者の部屋に忍び込んで、ファイルを探したり、コンピューターを不正に操作したりする場面である。セキュリティーは突破できるか、痕跡は残さないか、また警備員か社員の誰かがやって来て見つかるのではないか、読んでいる方がハラハラ・ドキドキとしてしまうほどスリル満点である。

やがてアダムは、“侵入”先のライバル会社で恋人もできて、待遇にも満足して、父親の死をきっかけに、スパイ活動から足を洗いたいと思い始めるのだが・・・。予想外の結末が待っていた。

私もこういう小説は、今まで読んだことがなかったので、ついついページを捲る手が進み、文庫上・下巻あわせて725ページをあっという間に読み終えてしまった。

本書は、日本でもドラマになりそうな企業スパイ・ノヴェルである。
3.0 やっぱり、こうきたかという、やや平凡な結末
あっけない結末で、肩透かしを食った気になる人もいるだろうな。著者の謝辞を見ると、細かいことを丁寧に調べていることに感心しました。最近、父を亡くしたので、様子が良く似ていたので、しんみりしました。不要な訳注や、専門用語の訳語に、少し変なのがあったけど、それは気にしない。
3.0 スパイ小説としては・・・
ジョセフ・フィンダーという知らないアメリカ人作家の作品なのだが、筋書きを読んだところ、面白そうなので衝動買いしてしまった。うだつの上がらないハイテク企業の社員が、横領したことがばれてしまい、警察に引き渡される代わりに、スパイの英才教育を受け、そのハイテク企業のライバル企業にスパイとして侵入し、企業秘密を得るべく頑張るというストーリー。そのライバル企業において、主人公はなぜか才能が評価され、トントン拍子に出世していくのだが、その社長があまりにいい人で、逆に本当の所属先の企業の社長があまりに悪い人なために段々にジレンマを抱くようになる。ストーリー自体は、すぐにハリウッド映画化できそうなくらいアメリカ的で単純なので、あまり考え込まずに読み進めることができ、活字を読みたい気分なのだけれどもあまり頭は使いたくないという人にお薦め。ただ、スパイ小説なのに、あまりハラハラ感がない点、無駄に見える迂遠な記述があるため(翻訳の問題かもしれないが)にスピード感に欠ける点が難点。
4.0 スリルとサスペンスに満ちた新しいエンターテイメント
ハイテク企業に働くだめ社員がライバル企業に潜入する企業スパイとなり、ライバル企業のCEOから大抜擢、よいよ、狙った秘密プロジェクトの秘密を奪おうとするが…。登場人物の設定や描写が実在のハイテク産業のトップを彷彿とさせるのに、ニヤリとさせられる。企業の設定が曖昧でどんな機器のメーカーか、明確でない部分もあるし、アメリカのどこを舞台にしているのかもよく分からないが、ハイテク産業の雰囲気をよく描ききれているし、次の場面を先に読みに行きたくなるほど、優れた一流のエンターテイメントに仕上がっている。上下2巻を一気に読了することはうけあえる。是非、楽しんでください。

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