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生きてるだけで、愛

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生きてるだけで、愛の商品レビュー

4.0 よっぽどパルコに恨みがあるようで
津奈木はなんでこんな女と一緒にいるんだろうと疑問に思いながら読んだ。
最後まで読んだら、納得したようなしないような気分になった。

「返信があって画面をみると「大丈夫たよ」という文章が書かれていて、
あたしはその「大丈夫たよ」に激しい怒りを覚える」
この部分で二人の温度差がよくわかる。
津奈木にとっては返信したことが重要なのに、寧子はその内容が許せない。
けれど二人は一緒に暮らしてゆく。そこに愛があるのかもしれない。
3.0 ココロない言葉に傷つくココロあるヒト。
主人公、寧子(やすこ)は高校時代に

なんとなく学校生活がかったるい

という理由でスキンヘッドにしちゃった、

しかも、頭髪だけでなく、眉毛、脇毛、陰毛まで
剃っちゃったという破天荒っぷり。

今は同棲相手の津奈木(つなき)の家で
うつ病、過眠症を率いてひきこもり中。

変わろう、と思いながらも
なぜか寝過ぎてしまう。

外に出よう、と思いながらも
もう、時は夕刻。

そんな症状の中、
元彼女の出現や突然始めることになった
バイト先の人々とのやりとり、
そして、自分に決して
干渉してこない津奈木との日常が
ストレートな表現で描かれた作品。

この作品の魅力は
なんといっても、テンポの良さ。
本谷有希子の持ち味のひとつでもある。

無駄をとことん削除し、かつ、
重要な部分がぎゅぎゅっと凝縮して描かれている。

さらに、さるきちたちの日常と
ちゃんとリンクされている。
架空の物語、フィクションの登場人物なんだけど、
彼女が実在する、すぐ身近な存在のように感じるのね。


すごく強気に見える寧子なんだけど、
でも実は彼女のココロって脆くて壊れやすい。

さるきちは思う。
この狂った世の中、
フツーじゃない方がむしろフツーなんじゃあるまいか、と。

どこか“おかしい”社会の不合理性を
敏感に察知できる、その繊細な感受性を持ち得ているからこそ、
社会から孤立化し、殻にこもって我が身を守らねば
生きていけないのではないか。

現代、メンタルの病に苦しむ多くのヒトを
さるきちは寧子の影に見たのでした。
4.0 歪んだベクトル感が痛快!!
文芸誌「新潮」で発表された表題作と20ページの書き下ろし短篇「あの明け方の」の2作を収めた作品です。
「生きてるだけで、愛」の鬱に苛まれてちょっとキレかけた主人公が愛を求めて狂気とともに疾走していく展開のすさまじさ、ビートの効いたロックのように猛々しく、それは作中に引用されている葛飾北斎が富岳三十六景の「神奈川沖浪裏」に描いた波の荒々しさと通じているような気がします。
そんなでもなお、温もりを持たせた恋愛小説らしい終盤を用意しているあたりに、本来戯曲家である作者のストーリーテラーぶりが伺えました。
一気読みできる痛快な作品で、おすすめできます。
4.0 内声が語り倒す・・・
鬱で同棲相手の家に引きこもる一人の女性が
ひょんなことからバイトを始め、プチ破綻する、
とそれだけの日常を、外部へのルサンチマンたっぷりに
内声がひたすら語り続ける(語り倒す)小説。

甘えるが故に身近な人間を攻撃してしまう、
というアンビヴァレンツな悪意が絶望的にならないのは
劇作家ならではのコトバのスピード感とリズム感ゆえだろう。
何気にストーリー構成もオーソドックスで巧み。
3.0 他人へ依存する人々、平板な人物描写…
誰でも何かに疲れたり、人とズレてしまったりする。それは別に異常なことではない。 ただ解らないのが、そういう自分自身の内面の問題を他人にぶつける人種がこの小説中でも実際の世の中にも存在することだ。そこに本来の意味での愛はない。不毛な依存の関係でなんとなく繋がっている、というような男女の関係が物語の中心になっているが、私にはどっちの気持ちも理解できなかった。 文学がその時代の世相を少なからず反映しているとするなら、いまどきの人々はこういう作品を違和感なく読めるのだろうか?

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