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落日燃ゆ

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落日燃ゆの商品レビュー

4.0 国家の体制とは。。。
文官でただ一人 東京裁判で死刑になった広田弘毅という人物に興味が有り、この本を手にとりました。

伝記小説ですが、様々な資料からの忠実にのっとった形で進んでいく小説で、教科書のように事件、事柄が列挙され、物語が進んでいきます。(作者の余計な修飾文章はほとんどない)

この小説が正しい内容であるとすると、戦争になっている過程がとても怖く、その当時はこんな国家体制だったと思うと、ぞっとします。

 誰が日本のかじ取りをしているのか?
 軍を仕切っているのは日本本国の本隊の作戦本部(大本営)ではなかったのか?
 関東軍の暴走はどうしておさえられなかったのか?

全くもって、その当時の日本というのは、まとまりの無い、統制の利かない状態だったと言うことがわかりました。
国家体制というのは、ほんのちょっとした進み方の誤りで転落していくのですね。

今の時代も憲法解釈が勝手にされ、いつの間にか昔来た道を歩んで行っているかもしれない と感じるのは私だけでしょうか?

また、広田弘毅のような清廉潔白な本当の政治家がいなくなってきていると感じているのは私だけでしょうか?

我々国民がもっとしっかり政治と政治家に目を向けないといけないと本当にこの小説を読んで感じました。
そして、本当の意味で国民、国家の事を考えている政治家を選ぶような立派な国民になるように、世の中のでき事をしっかり見つめていきたいと感じさせてくれた小説でした。
5.0 今の時代に広田がいたら
戦争の何よりの責任は、個人よりも、「統帥権の独立」を許した、
長州の作った憲法構造そのものにある。
本作品の主人公、広田元首相がしみじみと言うこの言葉に、重みを感じる。
そして、「統帥権の独立」を錦の御旗に、わがままな子供の様に独走し、
荒れ狂う軍部の嵐の中、極論すれば一人でそれに立ち向かった広田。
しかし、どんなに強い人間でも、時代の流れにはかなわない辛さを感じた。

その反省から戦争放棄を謳った現在の平和憲法ができたが、その解釈を巡って、
様々な論議が交わされ、再び不安の時代の到来を感じさせている。

今の時代に広田がいたら、この論議にどの様なことを言ってくれるだろうか、
とこの作品の続きを期待してしまう。
5.0 ドラマが良かったので。
 テレ朝のドラマを見た後で買って読みました。広田弘毅という人がA級戦犯で絞首刑になった、ということは高校時代の教科書で知っていましたが、その人となりや周りの家族の方などについて全く知らなかったのでドラマも興味深く見られましたし、後で本を読むとドラマでは出てこなかった広田の学生時代の話、巣鴨留置所の様子など驚きの連続でした。邪道と思われるかもしれませんが、広田弘毅の言葉を全部、北大路さんのイメージで読んでしまっています。この変の歴史に全く無知だったので、とても勉強になりました。ドラマを見て興味を持った人には是非。
5.0 自ら計らわぬ
東京裁判にて文官で唯一死刑宣告を受けた
広田弘毅。外相、そして首相をつとめた外交官
彼の「自ら計らわぬ」生き方を綴った長編小説。

不毛地帯を読み終え、ホントはもっと軽いテーマの
本を読もうかと思っていたんだけど、何気に
ストックの中から手に取ったのがこの落日燃ゆでした。
城山三郎は大学の先輩にあたり、代表作として
この作品の名前を知っていたので、いつかは読もうと
思って買ってあったもの。
前半は戦前・戦中の外務省と軍部とのそれぞれの
思惑の中で、いかにして戦争に進んでいってしまったか。
そして後半は自ら語らぬことを決めた広田を通しての、
東京裁判という政治セレモニー。
二つの祖国や不毛地帯でも読んだ世界を広田弘毅の
視点から描いていきます。

開戦にしたって、東京裁判にしたって、結果は分かっている
話ではあるのですが、ここでこの想いが成就していれば、
歴史が変わっていたんじゃないのって思いながら読むことも
しばしば。

日本史の近現代史を習った時に、2・26事件の後に
首相になった人ってことぐらいしか認識をしていませんでしたが、
日本の歴史の中で、広田弘毅という男の存在した意義を
深くかみ締めながら読みました。

なんと、日本ではちょうど先週末にドラマ化されたらしいですね。
テレ朝の記念番組かなんかの一環で。
ドラマでこの作品のことを知った方も、ぜひ本も
読んでもらいたい一作です。

5.0 日本を愛する人に。
東京裁判のキーナン首席検事をして「なんというバカげた判決か」と言わせた絞首刑という判決。昭和23年12月23日、A級戦犯(平和に対する罪)として世を去った広田弘毅氏が最後まで止めようとした戦争に至る経緯と広田氏の静かな、しかし気骨ある生き方を本書は史実に立脚し淡々と伝えてくれます。
統帥権という名のもとに暴走する関東軍、軍部と外務省の対立、さらに省内の分裂。外交官として軍部より世界をはるかに深く知っている広田氏は、こうした激動の時代を一貫して対話による外交と「物来順応」という態度で臨んできました。その姿勢は戦犯裁判になってからも変わることはなく、また家族に対する想いとあいまって読者に深い感慨を与えてくれるのではないでしょうか。
1978年、靖国神社にA級戦犯は合祀されましたが、それを誰にもまして戸惑って受け止めているのは天国でこの日本を見つめている広田弘毅氏のように思います。彼の持っている世界観は一国の英霊として祀られるより遥かに高い所にあること、また人生を諦観して見つめ続けたその生き方の真髄を本書は痛いほど読者に伝えてくれていると思います。

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