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土の中の子供

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土の中の子供の商品レビュー

2.0 なんだかなあ…
純文学がダメだダメだといわれて久しいが、なんでダメになってくのか
その原因がよくわかったような気がします。
この作品が芥川賞でしょう?
いったい何十年前の作品ですかって感じじゃないですか。
もういい加減やめようよ、こういういかにもブンガク風ブンガク。
こういうの書かないと賞もらえないんじゃないかとか、
こういうんじゃないとブンガクって思ってもらえないんじゃないかって
勘違いして後追いするヒトがたくさん出てきて、それでますます純文学がダメになっていく。
その縮小再生産の様子を見る思いがした。
この小説を読んで。
5.0 久しぶりに出会ったいい作家。
 他のかたのレビューを見てみると、わりと辛口の感想が多くて正直驚いた。
最近は、読んだ後に何も残らない、読後感のさっぱりしたものが人気になり、洗練された……というか簡素な文章が小説によく使われていると思う。そのせいか、ストーリーの以外性や奇をてらった表現方法ばかりが目立ち、描写表現が大幅にカットされている場合が多いような気がする。

 しかし、この作家は一切の手抜きなしで、主人公が感じるモノを正確に、緻密に言葉に表そうと努力している。言葉に言い表し難い感覚や心情、極めて主観的なものの見え方などを上手く(丁寧に)言葉に表現している。
 そのため、読んでいる側が本の中の世界に入っていき易いし、主人公にシンクロできた。筆力があり、読んでいて感動した。
 
 この小説の書き方が純文学っぽくてとっつきにくいとか、古いとか思う人がいるようだけど(好みによるんだろうけど)言葉だけで世界をつくる作家は、言葉でどこまで世界を表現できるかという、この努力がなにより大切だし、必要不可欠だと私は思っている。
 なんとなく、梅崎春夫に雰囲気が似ている気がした。
この人が書く長編小説をぜひ読みたい。今後に期待します…!!!


 
4.0 濃厚な暗さ
 芥川賞という事で読んでみました。
 最初は文章が冗長でありわかりにくく、暗いだけでおもしろみが感じられませんでしたが、中盤にかけての展開から夢中で読んでしまいました。幼少の頃の抑えられていた感情が徐々に吹き出してくるシーンや、幻聴でめまいを起こすシーンは暗いだけでなく、引き込まれる怪しい魅力があると思います。私自身がネガティブ思考なのもありますが、主人公の暗い物の考え方には共感できます。最後の「私は土の中から生まれたんですよ」という台詞には、グッと来ました。
 プロットも回想があって、それで終わりという訳ではなく、またひと山用意してあるのはなかなかです。収録されているもう一遍の方も、嫌疑と憂鬱さが幾重にも重なって自分の正体を見失ってしまうという構成は秀逸だと思います。個人的には文章にも癖が無く、もう一遍の方が私は気に入りました。
 ただ、人物設定が薄っぺらく、人間味が感じられないようなキャラクターもちらほら。前述した文章の件と併せて☆一つマイナスです。しかし、某ホームページのように登場人物に関するネーミングセンスで、著者の才能を測ると言うのは納得がいきませんね。
 興味があれば読んでみるのをお勧めします。徒に楽しさやわかりやすさだけを追いかけている現代文学の風潮には珍しい作品かと思います。
3.0 今更ですが
今更ですがやっと読みました。
というか、一昨年に本を買い、最初の方は読んだのですが
あんまり暗いので途中で読むのをやめてしまっていました。
ですが、最近落ち込み気味でなんとなくまた手にとってみたら、一気読みできました。
なんというか救われるといいますか。

落ち込んだときは暗い音楽を聞くというのと同じように、ちょっとだけ暗い気持ちのときに読めばいいと思います。
ただ普通の時は駄目です。私は。
2.0 生ぬるくて共感できない
主人公の悪癖を直そうと賢明になってくれた友達のセリフを借りれば、まさしく「これこそ”奴ら(社会)”の思うつぼじゃないか。」(この友達を意味もなく若くして自殺させているのは、どうも嫌な感じだ。)
ヒロインの名前が、このストーリーの生ぬるさを象徴している。死産の経験があり、セックスを楽しいとも思っていないのに、主人公のセックス人形になっているこの女のことを、主人公は、「少なくともあなた達よりもいい人なんだ」などと言っているが、「いい人」ではなく「都合のいい人」と言ったほうが正確だ。やすやすとお金を貸してくれる施設長も、どうかと思う。(研修医とか言う)精神科医は論外だ。
それから、主人公に話しかけてきた同業者について、「同業者というだけで話しかける権利があると思っている」などと思っているシーンがあるが、これは、過去に人から散々酷い目にあってきた人間の感情としては、微妙だ。そんな風に感じるだろうか。人から物のように扱われた経験を持ち、そのあと心から親切にされることも体験してきたら、人から話しかけられることは、とても嬉しいと思うのだ。

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