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太陽の塔

太陽の塔

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太陽の塔の解説

   京大5回生の森本は「研究」と称して自分を振った女の子の後を日々つけ回していた。男臭い妄想の世界にどっぷりとつかった彼は、カップルを憎悪する女っ気のない友人たちとクリスマス打倒を目指しておかしな計画を立てるのだが…。

   2003年のファンタジーノベル大賞を受賞した本書は、読み手をとことん笑わせてくれる抱腹絶倒の物語だ。文体は古風でごつごつした印象を与えるものの、それに慣れるころには一文一文に笑いが止まらなくなり、主人公やその友人たちのとてつもないバカっぷりが愛らしくなるだろう。登場する男は皆個性的で、インパクトの強い変人ばかり。主人公につきまとわれる女子大生も普通ではなく、言葉遣いも行動も完全にズレていて、アニメのキャラクターのようなぶっ飛んだ魅力がある。物語のクライマックスまでたどり着いた読者にはさらなる大混乱が待っている。そのばかばかしさのスケールにとにかく圧倒されるはずだ。

   男的な妄想をテーマにしながらも、読み手の性別を選ばないのも魅力のひとつだ。賞の選考委員である小谷真理に「一番強烈で、一番笑いこけた作品」と言わしめた本書。一歩間違えれば単なるストーカーの独白に終わりかねない設定だが、そんないかがわしい行為ですらジョークに変えるほどの力がこの作品にはある。

   また、ユーモアに満ち満ちた物語の中に、詩的な美しい描写が織り込まれているのにも注目したい。突然そうした穏やかな文章に出会うことで、読み手は台風の目に入ったかのような静けさに包まれ、著者の文体に独特の温かみを感じることができるのだ。ユーモアばかりが注目されるが、そんな絶妙なバランス感覚こそが著者の本当の才能なのかもしれない。(小尾慶一)

太陽の塔の商品レビュー

5.0 強がっている部分がすべてキュート
まとめてしまえば、モテない男子学生の
ルサンチマンたっぷりの妄想ストーカー記録、となろうが
強がっている部分がすべてキュートで、読後、
全キャラクターがどうしても憎めなくなる手腕(?)は限りなく高度。

『夜は短し歩けよ乙女』に比し、
祝祭的な雰囲気には欠けるが
その分、内に籠もる悶々としたエネルギーは
誰をも唖然とさせてしまうどうしようもなさと
滑稽さとに満ち満ちている。

さまざまな小説・映画からの影響は
賛否両論分かれるところであろうが
これだけ圧倒的な内面描写を見せつけられると
それだけで高く評価してもいい。
4.0 くだらないけど面白い
 私の学生時代を思い出しました。なんかちょっと似てるなぁと。だから、面白く読みました。只の、くだらない読み物としてしか読まない人も多いでしょうね。下らないと言ってしまえば確かにそのとおり全く下らない。まるで作者の日常を読んでいるような錯覚に陥りますが、あくまで小説ですから、それはないでしょう。21世紀に私小説もないでしょうし。
 とにかく、笑える小説です。しかもげらげらと。バスや電車で読むのはやめましょう。周りの人に変な目で見られます。どうしても読みたいときは、カバーをはずしておきましょう。そうすれば周りの人も、購入して読み始めるので、次の日からは変な目で見られなくなります。
4.0 イッツ ユーモア!
これだけ笑った小説は、ほんとに久しぶりでした。
土屋賢二氏の本がお好きな方には、特におススメ。
冒頭を読めば、好みかどうかの判断がつくと思うので、
気になる方は本屋で立ち読みなどされてはいかがでしょうか。
二度三度読むことで味わいが変わってくるので、気に入った方には購入をお勧めします。
単純に笑える小説が少ないなかで、貴重な一冊。
これからの期待を込めて、敢えて星よっつ。
5.0 これぞ童貞文学(?)の決定版!!
いわゆる「童貞」ジャンルの映画や漫画(吉田秋生とか)
そして小説(みうらじゅん、原田宗典とか)って、
実は結構たくさんあると思うんですが、
この「太陽の党」は著者の膨大な知識と知性、そしてユーモアによって、
一線を画す作品になっています!

 実際のところ、主人公の「わたし」が童貞かどうかは分からないのですが、
膨れ上がる欲望を女の子にぶつけることも出来ず、
男同士でひたすら妄想を弄ぶ。
そして世の幸福な男女へひたすら悪態をつき続けるその様は、
まさに「童貞スピリット」。痛々し過ぎて、愛しくさえなってくるんです。
男性のみならず、女性も共感できるのではないでしょうか?

 これといった起承転結のストーリーもないし、
ファンタジーノベル大賞受賞のわりにさしてファンタジーでも無いのですが、
その語り口の軽妙さが最後まで読み手を引っ張っていってくれるでしょう。

できれば「夜は短し歩けよ乙女」を読む前に読んでおいて頂きたいですね☆

 森見登見彦さん、今一番注目している作家の一人です。
2.0 こういう国立大学生は今はいるのだろうか?
文体☆☆☆☆衒学的な(ペダンティックな)文体が笑えた。平易な文章で恋愛をカンドウ的に書く文学が多い中では、異質で楽しい。
主人公☆☆☆多少、変人偏屈ではあるが、普通の国立大学生。昔ながらのイメージの。ダサくて、世界が狭くて、でも、自分に自信がある。しかも根拠なき自信。
おはなし☆☆どうやら、ストーカーらしい。ストーカーサイドの無自覚さは書かれているが、目から落ちるウロコはない。
文体の楽しさで読み始めたが、お話に乗り切れず途中何度も寝てしまった・・。最後の盛り上がりも非常に内省的で慎ましい(・・よく言えば・・)
こんなんだから、モテないんだなぁと反面教師的に読むとどうでしょうか?

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