感動して涙が出た……。
恥ずかしいことに、40代半ばのオヤジがこの作品を読んで最後には涙がとまらなくなった。普段、映画とか小説のような、人工的に作り上げられた世界に感動して泣くなんてことはなかったのに!小路さんの作品は、SFチックな近未来小説であっても、どこかに必ずノスタルジックな部分があって、それらがうまく融合してほのぼのとした世界を作り上げている。今回も、奇想天外なストーリーなのに、登場人物のひとりひとりに寄り添いながら読んでいくと、何時の間にか、こういうことが身近に起こるような気がして来るから不思議である。主人公の少年が、命を賭けてあることと闘うクライマックスが、その少年の生い立ちや育った境遇とオーバーラップして、せつなさを誘い、涙がこぼれたのだと思う。爽やかで温かい後味のする作品だった。しばらく時間を置いて、再度読んでみようと思っている。
子供たちの力
タイトルにある「声」がキーワードとして重要な役割を持っています。
小学生から中学生の子供たちがとてつもない能力を駆使して、命を賭けてある危機に立ち向かい奇跡を起こす物語です。
ミステリーとSF、そしてありえない世界を醸しだす今度の作品はファンタジーの要素も加わって楽しみどころが満載です。
しかし、小路さんのこれまでの3作品にも共通することですが、一つの作品にたくさんのお楽しみを盛りこみすぎるがゆえに、少々煩雑な感じも否めません。
それでも惹かれるところの多い作品で、小路さんの作品中最も小路さんらしい世界を創り得ていると思いますし、私はとても好きな作品です。 日本各地で起きる同じパターンの子供の誘拐事件。それに、脳死状態にある者を回復させたり、その人の意思を読み取ったりする人物が現れたり、特殊な会話ができる子供たちの集団が絡んだりして、ぐいぐい引っぱられると同時に、謎解きと大事件が一挙に展開するのには、ちょっと面食らってしまいます。
話の運びが都合よすぎたり、描かれる登場人物たちがいい人すぎたりするきらいはあるのですが、大人が子供をまるごと信じて、とんでもない危機に命を賭けることを子供たちに許す場面では、強く胸に迫るものがありました。
かほり、リンくん、葛木君のトライアングルを中心に<ハヤブサ>という謎が明かされた後に、もう一つのクライマックスが待っています。
ミステリーともSFともファンタジーとも判然としませんし、どの要素も詰めが甘いのは否めませんが、清々しくて切なくて胸が詰まってわくわくして……。これは、参ったなと思ってしまった作品でした。
小路さんの作品を読んだことがない方でも充分に楽しめると思います。
SF?ファンタジー?爽やかなお話
「となりのトトロ」で、ネコバスが大人には見えないように。
子供にしか見えない、子供でも見えない子もいる。
それと同じように、子供だけが持つ「能力」。
子供でも持たない子が大多数の「能力」。
そういうお話です。少人数の子供達が持つ、その「能力」を使って、あの日子供たちはたくさんの人々を救った。
そして「あの日」までの出来事を、それに関わった数人が回想する形で物語りは展開します。
子供達のもつ能力については、こんなこと、あるかもしれない・・・・。なんて思いました。
子供だけが持つパワーって、絶対にあると思うのです。
自分の子供の頃を思い出しながら、読んでみてほしい一冊です。