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国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

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国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれての商品レビュー

5.0 読むと勤勉、ロマン、マスコミ、国に対する考え方が変わってしまう本
拘置所において取り調べ担当の検察官との間で生まれる奇妙な信頼関係。また、自ら作り上げた物語を全力で事実としてしまうような強力な国家権力の存在など、読んでいて引き込まれる要素がたくさんある。

強く感じるのは佐藤優(まさる)氏の記憶力のすさまじさとロマンティシズムである。本書は回顧録でもあるのだが、当時のことがあたかも目の前で起こっているように現実感を持って提示される。また、彼の主張の一貫性と理想の高さは一種の才能であると感じられるほど特出している。大酒飲みということであるが、彼は相当の勤勉さを持ち合わせているのだろう。本書を読んで勤勉という言葉の意味が私の中で変わってしまった。

取調べ担当の検察官の口から出た国策捜査という言葉が一つのキーワードとなっている。佐藤氏はこの事件を分析し、自らの結論を出す。時代のけじめ。

自らの正義感を信じ、どんな立場であろうとその信念を貫く様はとても高潔である。ただ、あまりにも高潔で隙がないので、もし仮に彼になにか問題があったときに彼を止められるのは犯罪さえ捏造する国家権力しかないのかもしれないと思ってしまった。事件の真相がどこにあるのかわからないが、また、事件自体捏造なのかもしれないが、これは彼の能力の高さがもたらしたものであることは間違いがないと思う。

国に彼のような有能な人物をうまく使える人がいたらよいと思う。
5.0 情報の本質
鈴木宗男氏と田中真紀子氏の政争も今は昔の感がある。
どちらも自民党を離れ、かつてほどの注目を集めることもない。
しかし、その政争のあおりを食らって起訴、収監された外務省員佐藤優はこれを機に活躍の場を広げることになったのは皮肉と言えようか。

本書を読んでの佐藤優氏の印象は誠実な人柄を感じさせるものである。当時、ラスプーチンと呼ばれ陰険なイメージを作られた(それは情報担当者という職種のイメージとも重なるのであろうが)人間とは同一人物とは思えない。世話になったロシアの人々への感謝、ともに仕事をした人々への思いやり、さらには国策捜査を担当した検事とも一種奇妙な信頼感。佐藤氏はおそらくその人柄があったからこそ情報屋としても活躍できたのではないかと思わされた。

本書の二本柱となるロシア、特に北方領土を巡っての情報活動と佐藤氏が受けた国策捜査は佐藤氏にとっては場面を変えただけでその本質は同じである。人間を観察し、情報を収集し、手元の情報と総合しながら次の手を考える。特に詳細に記された(それでも明かせない事情の方が多かろうが)検事とのやりとりはお互いに全身全霊を込めた情報戦であった。拘置所そして国策捜査という環境が佐藤氏にとって自己を見つめ直すと同時に、情報や国家の本質についてさらに深い洞察を得る場となったことは想像に難くない。この国策捜査の対象になるという経験がなければ今の佐藤氏の言論活動はなかったであろう。

しかし、今の外務省にはこれほどの人材がいるのだろうか。
ただ、氏が世間に広く知られるようになったのも国策捜査に連座して以来である。外務省の人間として活動している間は関係者以外では殆どその名を知る人はいなかったであろう。そもそも情報屋が世間に名を広く知られていては失格だろう。
そう考えると外務省で今も人知れず活躍する人材がいても不思議ではない。というより日本の国益のためには外務省に第二の、第三の佐藤優がいなければ困るのである。そんな人材が育っていることを期待したい。
5.0 特捜検察の権力を知るための書
この本は、外務省情報分析官佐藤優氏の処女作です。ロシアとの外交交渉の内幕や流行語とまでなった「国策捜査」について詳しくかかれており、また、文体も平明なのでとても読みやすく、スパイ小説に似てエキサイティングです。これほどの人が外務省にいると驚きです。国家とは、国家権力とは何かということ問題について、明確な回答を佐藤氏なりに投げかけています。是非、読んでほしい作品です。
4.0 ”外務省のラスプーチン”を窺い知る1冊
前半は田中真紀子・鈴木宗男・対ロシア外交など外務省の内幕、
後半は”作られた疑惑”国策捜査の取り調べ、拘置所の内情が詳細に語られている。

特捜部の取り調べや拘置所職員の対応は、抱いていたイメージと異なり非常に興味深いものであった。
本書全体から、著者の仕事に対するプライドや揺るぎない信念が感じられる。

インテリジェンス本『国家の謀略』もおすすめ。
4.0 スパイごっこも、過ぎるとこうなる 
次元が高いんだか、低いんだか分からない。

日露平和条約締結のためとかいうけど、やっていることは、日本の政治家が
ロシアの政治家に会える機会を作るため奔走していただけじゃないか。

ケインズ型公平分配路線からハイエクがた傾斜配分路線への転換といった
て、政治家の権力闘争で地元利益誘導型政治家におもねっていただけじゃ
ないか。

国債強調的愛国主義から排外主義的ナショナリズムへの転換といったって、
外務省内部の派閥間の争いにすぎない。

結局、個人的エゴのためだったり、自分を守ってくれなかった外務省に対す
る怨みを果たしたく、それをもったいぶった大げさな言葉で自己正当化して
いるだけでは。

結局のところ、スパイごっこ、陰謀ごっこが大好きで、それに酔っている人物
なんだろう。この人は。

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