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ティファニーで朝食を

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ティファニーで朝食をの商品レビュー

5.0 原作が、映画の呪縛から解放されましたね
こんなレビュータイトルにすると、日頃からカポーティや米文学に親しんでいる方々に
怒られてしまいそうですね。
私はご他聞に漏れず、小説ではなくて、映画から入った口です。オードリーのファンですし、彼女の出演作では「ティファニーで朝食を」がいちばん好きなものですから。
その影響で、もう昔になりますが、瀧口訳を読んだことがあります。でも、その時は、
映画でのオードリーの印象が勝って、全然いい小説だとは思えなかったんです。

で、今回村上訳を読んでみて、昔の感想が綺麗に払拭されました。
すごくいいですよ、この小説は。主人公の造詣から練り上げられた文体、文章まで最高です。
カポーティの素晴しさをはじめて知ることができました。
やはり、翻訳の影響って、とても大きいんですね。
村上訳がどれもいいというわけではありません。
個人的に、「キャッチャーインザライ」と「ロンググッドバイ」は今ひとつでした。
逆に「グレート・ギャツビー」と「ティファニーで朝食を」は、とてもいい。

ともかく、映画とはストーリーが異なりますが、映画も小説も両方とも楽しめます。
3.0 格調の高さでは龍口訳に軍配
カポーティの短編の巧みさと独特の雰囲気に目を見張った僕は、改めて「ティファニー」をオリジナルテキストと共に読み返してみよう、と思っていた矢先に、本書が出版された。
さっそく買ってきて、1968年にやはり新潮社から出版された龍口直太郎訳「ティファニー」と読み比べてみた。
龍口訳も本書も、表題作以外に全く同じ短編が3作収められている。「花盛りの家」「ダイアモンドのギター」「クリスマスの思い出」である。
これらを読み比べて改めて感じたのは、村上さんがかねがねおっしゃっている「翻訳の賞味期限」ということ。
原作が名著と呼ばれるものであればオリジナルテキストに賞味期限はないが、翻訳の方はそれが訳された時代々々の社会を反映したコトバで訳されているためか、そこにどうしても賞味期限といったものが生じると。
本書と龍口訳を読み比べて、少なからずそれを感じた。
龍口氏は、1903年生まれ。「戦後日本に米文学を紹介した」とあっていわば「大御所」である。
その龍口訳のある意味古色蒼然たる訳文は、地の文においては格調高くカッコいいのだが会話文においてはなんとも違和感が出てくる。
ホリー・ゴライトリーやその友人のマグなど個性的で(少なくとも表面的には)都会的な若い女性たちが出てくるシーンで「こちとら」だの「やっこさん」だのというコトバが発せられるとねぇ。日活の「渡り鳥シリーズ」じゃないんだから。
その点村上訳の会話は実に現代的でクールである。
また、地の文においても龍口訳では米国の学制に対する認識不足や社会的なスタンスの違いによるとみられる咀嚼の甘い訳などが見られたのに対し、村上訳はそのあたりをスッキリとクリアしている。
このあたりはいずれも龍口氏の力量というのではなく、翻訳当時の日本社会のありよう、もしくは米国社会との距離感によるものだとおもう。
おそらく、いかに「大御所」による名訳とはいっても賞味期限が来つつあるのだろう。
とはいえ、村上訳が全ての面で良かったか、というとそういうワケでもなく、常々原文に忠実に、訳者の色を消して、とおっしゃっている(「翻訳夜話」にそんなくだりがあった)村上さんの訳文にしては、「というか」なんていう村上作品に頻出する「ムラカミ語」が散見されたりして、なんだかなぁ、と思ったりもした。
格調の高さでは龍口訳に軍配が上がり、とくにそれは「ティファニー」以外の3作においてあてはまる。
この3作には賞味期限を感じさせる違和感が少ないのである。
翻訳時期だけではなく素材や舞台設定など、作品との相性といった部分も賞味期限に影響してくるのだろう。
ともあれ、カポーティの名著(個人的にはこれがカポーティの最高傑作だとは思いませんが)。どちらの訳本でも、一度お読みになっても良いんではないでしょうか。
4.0 ティファニー本店
今回小説を初めて読み、しかも映画も観たことがない私には先入観なく物語りに入っていけましたが、こんなアバズレの小説にヘップバーンが出演したの?と驚きでしたが、最後の村上春樹氏の後書きを読んで安心しました。映画と小説は筋が違うらしいですね。小説は楽しく読めました。可もなく不可もなく。
5.0 はかなく、たくましく、うつくしい。
面白かった!

オードリーの映画で有名ですが、原作は、トルーマン・カーポティです。今回、村上春樹さんが新訳で出版されました。ついつい、新訳にまんまと踊らされている私です。でも、良かった。

ストーリーは、ニューヨークが舞台。作家が数年前のまだまだ駆け出しであった頃に、階下のホリーにいろんな人が関わり、振り回されるその時を、物語ります。

ホリーがNYで過ごした現実味のない生活を、それを承知しつつ、はかないけれど、その生き様を、水に浮かぶ花びらをすくうように、やさしくつむいでいく。なげやりのようで、たくましい、そして、美しい。

映画は、みたことがありませんが、全く、映画と本は、別物と考えた方がいいと思います。それは、カーポティーも言っているし、訳者もそういっています。私も、原作を読んだ限り、絶対、ホリーは、オードリーではないと思います。誰だろう。。。今、改めて映画化するとなると、スカーレット・ヨハンソンとか、良いかも。

訳者のあとがきには、この文章には、まったく無駄が、無いそうです。ポエムのように、物語がすすんでいくのでしょうね。やはり、一度、原書で、読んでみなければ。
5.0 めちゃくちゃでせつないストーリー
まず何よりも文体が村上春樹の小説にそっくりなのにビックリ。
鉛筆は削られるのを待っているし、トーストはかりかりで、舌をこんこんと鳴らす人物。
この段階でかなり喜んでしまった(小説、最近ご無沙汰なので)。

以前に読んだことある作品だったけれど、ほとんど忘れていた。
今回読んで小説を読む楽しみをしみじみ思い出しました。
めちゃくちゃなヒロインに対する「僕」の、どうにもなりようがない想いがせつない。
冒頭で分かるように全てはもう過ぎ去ってしまい、「僕」はこの思い出の空間と良い距離を保っているよう。
けれど、まだセピアではなく、かなり鮮明な感じがします。
それもこのヒロインが凄すぎるから。
少なくとも2回は度肝を抜かれました。
そしてラストがまたグッとくるんだ、これが。

それにしても小説と翻訳の表現が似ているのって、よくあることなのかな?
こんな作品を吸収してこそ村上春樹の文体はできあがってきたのかな、と思いました。

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