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ビッグバン宇宙論 (上)

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ビッグバン宇宙論 (上)の商品レビュー

2.0 期待通りとはいかず。
「フェルマーの最終定理」「暗号解読」の面白さを期待して読んだが、前二作に比べて面白みに欠ける。おそらくストーリー性に欠け、全体的に説明調であるからだろう。所々に挿入される説明のための図や表が、読者をぐいぐい引っ張っていってくれるはずの文章を分断してしまう。サイモンシンがこの分野の専門だから、妥協できなかったのだろうか。細かいところに気をとられてしまう記述は、証明を巻末に付録にして、ドラマチックな展開をみせたフェルマーとは真逆の空気を感じる。宇宙論のポピュラーサイエンスの本を読んだ人はあえて読む必要はないだろう。サイモンシンを読んだことが無い人には、「フェルマーの最終定理」「暗号解読」から入ることを勧める。
5.0 上巻は悠々と宇宙論の歴史のレビュー
上巻を読んだところでレビューを書くのもなんですが・・・原書は一巻ものだし・・・レビューが上下巻別に出てくるので。

『フェルマーの最終定理』も『暗号解読』も面白かったので、見つけてすぐに購入。焦点は確かにビッグバン宇宙論なのだが、西洋の教養主義らしく、ギリシャ時代の宇宙認識から始まって、コペルニクス、ガリレオ、ニュートン、アインシュタインと、上巻は悠々と進んで、ハッブルが系外銀河のスペクトル赤方偏移を見いだすところまで。銀河の大きさを初めて類推したハーシェルは全恒星が同じ明るさとして概算した事(意外にも決して悪くない見積もりが得られている)セファイド変光星を用いた距離の見積もりの発見の経緯など、知らないことも沢山あって、楽しく読めた。

ただ、特殊相対論の紹介はちょっと賛成できなかった。特殊相対論は電磁気学の基本方程式であるマックスウェル方程式がガリレオ変換とコンパチブルでないことの解決として、運動方程式の方を変更する事で、電磁気学と力学の矛盾を解消したことに大きな意味があると、私は思っている。本書では電磁気学の話がまったく出てこなくて、エーテル否定の説明も、媒質(光の場合エーテル)の運動との関わりで極めて不十分なものになっている。特に、光速度一定の原理を、極めて天下りに与えているのが気になるところだ。この手の説明が世の中の「相対論は間違っている」本の出現を手助けしているのだから、もう少し工夫が必要だったと思う。

というところで、あとは下巻を読んでからにします。
5.0 一般読者向けの解説書としてお奨め
ビッグバン宇宙という言葉は十分一般的になっているが、この現代用語を、専門家ではない一般読者にわかりやすく伝えるという点で、よく書かれた本だと思う。他のレビュアーも指摘しているが、シンの語り口はとても柔らかくわかり易い。ややページ数は多いが、長さを感じさせないほどソフトな本で、一気に読める。難解な専門用語がほとんど表に出てこない点がその理由だろう。
ビッグバン宇宙についての一般教養書として、第一にお奨めできる本だと思う。
5.0 137億年を解明する3000年の想像と思考
 書名を聞いたときに、訳者があとがきで語っているのと同じく、”なんで、いまさら、ビッグバンを。サイモンシンが?”と私も思いました。
 「暗号」や「フェルマーの定理」のように、過去あまり一般向け類書がないテーマを扱った話の場合、そのテーマ選定自体の新奇性でつかみがあります。しかし、「ビッグバン」となると、すでにさまざまな一般向け書籍がでているメジャーなテーマなので、すこし後回しにしていました。でも、やはりサイモンシンでした。「そうだったのか」という発見の連続でした。
 いろいろな形をした素粒子のように個性豊かな科学者が絡みあいながら、宇宙創生の理論を解明していくストーリーは、あらためて科学に対する理屈無しの憧憬を思い出させてくれました。  
 上巻では、天動説から地動説、相対論の登場という決定的なパラダイムシフトを経て「宇宙は静的なのか・・」というあらたな課題認識までが扱われています。誰でも名前は知っているガリレオ、ニュートン、アインシュタインといった巨人たちの取り組みも結果にいたるプロセスまで味わうと格別です。もちろん、他にもティコ・ブラーエ、ケプラー、コペルニクス、マイケルソンとモーリー、フリードマンとルメートル、ハーシェル、メシエ、ハッブル・・・と覚えきれないほどの天才鬼才も連綿と織り込まれた宇宙解明の物語です。

・・・下巻に続く
3.0 題材による限界か
「フェルマーの最終定理」、「暗号解読」で我々を楽しませてくれたシンが第三弾として「宇宙論」に挑んだもの。だが、出来は前二作より落ちるようだ。

プトレマイオスから最新のビッグ・バン理論まで敷衍するのだが、如何せん本書を手に取るような方には"常識の範疇"の逸話が多く、啓蒙される点が少ない。題材が雄大過ぎて個々のエピソードに深みがないのだ。ただし、語り口は相変わらず巧みなので、体系だって「宇宙論」を俯瞰したい方にはお勧めかもしれない。

また、近代以降の研究者は別として、ロクな観測機器もない昔に、夜空の星を眺めながら次第に宇宙の謎に迫って行った研究者達にはロマンを感じると共に、改めて人類の英知に驚嘆する。そういう意味で、「宇宙論」と言うよりは宇宙への夢に賭けた人物伝としての価値がある書。

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