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新潮クレスト・ブックス ペット・サウンズ (Shinchosha CREST BOOKS)の商品レビュー 偏愛に満ちた評論を偏愛に満ちて訳出した
ビーチボーイズの歴史的名盤、ペット・サウンズに対する偏愛に満ちた評論を、村上さんが偏愛に満ちて訳出した。 素直に楽しみたい
「ペット・サウンズ」と村上春樹の邂逅に、素直に感動できるか、うがった見方をするか、それは人それぞれだ。おそらく、その人が「ペット・サウンズ」から本書を見出すか、村上氏の側から見出すか、あるいはそもそも、この2者の組み合わせに打算や話題つくりといった胡散臭さを感じるか、で評価が変わってくるのだろう。 「ペット・サウンズ」はなぜ、“リスナーの心に深くしみ込むアルバム”となったのか
ビーチ・ボーイズおよび「ペット・サウンズ」に対する批評は、本文以上に村上春樹の「訳者あとがき」に巧く、簡潔にまとめられている(ジム・フジーリさん、ごめんなさい)。相変わらず村上春樹は言葉の選び方がいちいち適切だ。さらには本書に対する分析も鋭く、適切である。いわく、「追求はロジカルであると同時に、エモーショナルでもある。本書の面白さとユニークさはそのあたりの「立体性」にあるのではないだろうか」。そして、この訳書の選び方自体が渋く、外さず、ベタじゃなく、“いかにも村上春樹”であって、適切だ。 勉強にはなります
「ペット・サウンズ」よりヴァン・ダイク・パークスを先に聞いてしまった世代(55年生まれ)としては、「ペット・サウンズ」のすごさは気になりつつも、いまひとつピンときていませんでした。今回あらためてこの本を読んで、ぴんと来なかったゆえに真面目に読まないでいた歌詞カードを読み返したりして、ポップソングに秘められた青春の苦悩、ブライアンの内面のようなものが見えてきた気がします。 ビールでも飲みながらビーチ・ボーイズを聴いてみようか
ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの事も、アルバム『ペット・サウンズ』の事も、ましてや著者ジム・フジーリのことも全く知らない私がこの本を手にしたのは、もっぱら訳者村上春樹氏の優れた音楽観、また作品鑑賞眼を信頼しての事だ。確かにブライアン・ウィルソンや『ペット・サウンズ』に興味のある人には、大変面白い本なのであろうし、事実私もその音楽を聴いてみようという気にはなったが、それは必ずしもこの著者の語るところに共鳴したからではなく、飽くまでも訳者村上春樹氏の優れたあとがきを読んで興味を惹かれたからである。著者の本アルバムに対するやや過剰な思い入れと、楽曲に対するコード分析を使った解説など少々鼻につきはするものの、語られる事実は大変興味深いし、語り口もきちんとしていて悪くは無いのだが(特に前半は)、ブライアン・ウィルソンの苦悩の切実さがもう一つ伝わってこないのだ。欲を言えば、各章ごとに訳者の解説を入れるなどして原著にもう少しテコ入れして、「村上春樹監訳」とでもすれば、本としてさらに完成されたものになったのではないかと思う。逆に言えば、訳者が村上氏で無ければ、ビーチ・ボーイズ・ファンか音楽関係者でもなければ、この本を手に取る人はまずいなかったのではないかと思う。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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