財布から見た生活の実態
この書を手にした時に思ったことは
「そういえば天皇家に関するニュースはワイドショーネタか政治ネタだけだよな」というものであった。
天皇家だって生きて行くにはお金が必要。戦前ならともかく、今のこのご時世では使いたいだけ使うなんて事は出来ないのは少し考えればすぐわかる。では、どんなお金の使い方をしているのだろうか。著者は情報公開法を使って天皇家の財政の実態を知ろうとする。
しかし、情報公開法を使えばこんな事もわかるのかということと、こんな事を非公開にして何の意味があるのかということ、それぞれであった。
それにしても今まで如何に今の天皇家について何も知らなかったか。
宮廷費と内廷費の違い(これは古代国家の区分そのままで、これはこれで非常に興味深い)、天皇家と宮家の扱いの違い、などなど。
他にも皇居で食される食材の供給先や電気・水道代、皇室の財テク、職員の身分や給与など興味深い記述が多かった。ある部分では一般の家庭や事業所と変わらない側面もあり、親近感を持った。
財政的に見れば御用邸や内廷費の扱いに表れているように公的分野と私的分野の区切りは時として厳格であり、時として曖昧である。
とにかく、皇族というのは窮屈なものだと実感。
我々の生活と財布は密接に関連している。天皇家であっても財布からその生活の一端をかいま見ることが出来るのだなあとちょっと感心した。
おもしろい
天皇制の是非についてを述べる際、経済的な側面(我々の血税をこんなことに使うな!など)からその非を語る人は多いが、では実際に我々の税金がどの程度使われるか?あるいはどのように使われるかを知っている人は多くはないと思う。 本書には我々がこれまで知り得なかった天皇家の財布事情が分かりやすく明確に著されている。天皇家の旅行費はいくらか?などといった例から、宮中晩餐会や園遊会の費用は?といったものまで本書に記述されている天皇家の出費内訳は多岐にわたる。
著者は天皇制の是非については特に論じてはいないが、この本から天皇制というものをもう一度考えてみるのもおもしろいかもしれない。