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あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 (新潮新書)

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あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 (新潮新書)の商品レビュー

4.0 中韓でなく、日本人にとっての太平洋戦争の意味を考えたい。
昨今、中韓の対日批判ばかりが報道され、先の戦争といえば中国や韓国を侵略し、損害を与えた戦争だとの認識が前面に出がちである。
しかし本当は、そんな他国の批判とは別に「日本人にとっての太平洋戦争」を真剣に考えるべきだと私は思う。本書は、その視点においてはいい教科書になる。
日本人で310万人もの死者を出し、そのうちの数多くの兵士は軍の暴走と無秩序、無策のせいで、まさに「捨て駒」のように南方の戦地で死んでいった。戦争遂行の最高決定機関である御前会議で「最終的にアメリカ兵が本土に上陸してきた場合は、(国民はアメリカ兵と)竹槍で刺し違える」ことが平然と議決されるような国だったのだ。
なぜ戦争に至ったのか。戦争の目的とは何だったのか。あるいは目的はあったのか。責任の所在はどこにあるのか。・・・戦争の成り行きを実はよく分かっていないという普通の日本人に、まずは読んで欲しい本。
何度も言うが、中韓の戦争批判なぞまずは棚に上げて、この本を読みたい。
3.0 レビューにはなりませんが
 歴史的な推敲,事実の確認が不十分との指摘が多く挙げられていますが,過去の実例を現在,未来のために役立てるという観点からは,読後に(個人的には)価値のある書籍と感じました.
硬直化した官僚組織と立法府の機能不全によるなし崩しな開戦というのが,現在の我が国の状態(及び近い将来)とだぶって見えるのは私の錯覚でしょうか?
 現在の立法,行政,司法のぶれ(ていたらく)が空恐ろしいです.
 いくつか本を読んだだけで具体的な指摘ができないのですが,天皇に統帥権を持たせて意志決定させなかった,というのはかつての摂政,関白制度と同じで,戦前から飾りだったのではないのでしょうか?
 現在の混沌とする国内,国外情勢,経済状況,国民格差の増大など,(60年前の国体であれば)もしも派兵が可能であれば,北朝鮮と中国に関しては戦闘状態になっても不思議ではないような気がします.
 (殆どの国民が戦争体験なく,本当のことが確認できない現在)あくまで一人の作家の見聞,意見として多くの方に呼んでほしい文献と思います.
2.0 事実関係についてはWikipediaのほうがまだ詳しい
 2008年のたけしさん主演ドラマ後に、たけしさんの写真の入った帯に目を留めて買った。
 参考文献がない、というレビューには同感。(というか買うときに後ろに参考文献があるかをチェックすべきだった)善悪二元論かというレビューもあるが、本書のポイントは善悪ではなくアメリカに技術的・外交的等どれだけ出し抜かれ、政治家・軍がいかに戦勝体制をとれなかったか、というところにあると思う。そこで注文なのだが、アメリカのみならず中国のことも書いてくれればもっと面白かった。日中戦争がなぜ泥沼化したのか、蒋介石はなぜアメリカの支持を得ることができたのか。善悪ではなく、どのような軍事・外交戦略を使って日本が追い込まれたのか、ということである。日中戦争前期は、盧溝橋の3発の銃声や通州事件など、議論が多いか封印されかかっている事件が多く、石原莞爾・広田弘毅・近衛などが多彩な動きをしている。この辺を、本書の謳う中立的な立場で書いてくれるとよかったのだが。仏印進駐や3国同盟まで進んだ(追い詰められた)後で外交や軍部がどれだけ稚拙だったかと書かれても「まーしゃーないわな」という気にしかならない。226から書き始めているのだから日中戦争前期を詳しく書いて欲しかった。
 あと、日本は大艦巨砲主義に固執していて時代遅れだった、ていうのは本当?大艦巨砲主義が本格的に変化するのは真珠湾攻撃後だった、って昔読んだ気がするんだけど。真珠湾以降戦艦大和は全く前線で用いられることなく、緒戦の戦勝に驕っていた海軍が自軍のメカを「世界の三馬鹿」「やまとホテル」と嘲笑っており、資源の少ない日本で、組織の縦割りより更にひどい海軍内の資源の無駄があったのである。海軍悪玉論や山本五十六を触れるんだったらここまで触れてくれないと。
3.0 部分的には興味深い
海軍の戦争責任や戦後の戦争教育などの記述について右にも左にも偏っておらず、この手の書物の中では比較的バランスがとれています。
私としては東条英機の発言についての記述で、「飛行機は高射砲ではなく、精神力で打ち落とす」、「”まいった”というまで日本は負けではない」というあたりは彼が日本の戦争指導者でありながら、いかに幼稚で愚かであったかを物語るエピソードとして、かの有名な戦陣訓と合わせて興味深い話でした。
ただ、他の人が指摘されるように戦争決定の際の情報についての裏付けが乏しい。
一番重要なところが、あやふやであることが残念です。
副題どおり、基本的な歴史知識を持っている人であれば、それこそ教科書以上にさらに掘り下げている部分が多々あるので興味を持って読むことができます。
極右や極左的な考えを支持している方にはあまりお薦めできない本でもあります。
3.0 海軍の責任を叙述しているのは評価出来る
太平洋戦争開戦当時石油の備蓄量は一般国民が知らされてたものよりはるかに多かったというのは真実である。この点で他のレビューで批判されているのは当たらない。そして、大平戦争開始の責任を陸軍よりも海軍にあったとしているも首肯出来る。この本では黒幕として海軍軍務局の石川信吾が名指しされている。ここら辺りは評価している。

しかし、連合艦隊司令長官の山本五十六を最終的に評価していないながら、記述として"戦術家"の指揮官として「天才的」と評したのは全く納得がいかないところだ。山本五十六のどこが天才的なのか?また、重用した黒島のどこに特別な才能があったというのか。ここに著者の戦後にはびこる海軍および山本五十六美化の残滓を見ることが出来て残念である。

山本五十六は歴史上類例を見ないおぞましい人間である。これから国運を賭けた大戦争を始めようとするときに軍艦に愛人をよび性愛にふけっていた。軍艦から愛人に出したラブレターが残っているがふやけていて気持ち悪い。古来からこうした行為は武運を汚すものとして戒められて来た。

山本は生涯一度たりとも戦争の前線に出たことのない海軍の官僚にすぎないのだ。性格は子供っぽく幼稚で部下の死なども全く意に介さない腐りきった人間だった。自己の大過失を隠すために無謀なガダルカナル作戦などを仕掛けて多くの部下を殺そうと意図し実行した。まさに狂人である。

それなのにそうしたことにこの本は切り込みが不足している。

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