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大江戸曲者列伝―幕末の巻 (新潮新書)の商品レビュー 太平の巻のハッピーさから一転、やりきれない苦さが漂う巻
あとがきで著者自身、「ここに集めた三十八人の挿話にはあまり美談がない。さまざまな形で切羽詰った人々がなりふり構わず土壇場を切り抜けた、あるいは切り抜け損なった姿の方に関心を向けている」(p213)と書いていますが、確かに「太平の巻」は読んでいて頬が緩むような場面も多かったのに、この巻は読んでいて辛い話がエンエンと続く印象があります。 抒情詩のようです
幕末を駆け抜けた38名もの人々の生き様・死に様が簡潔にまとめられています。それぞれの節は個性的で、輪郭は明瞭です。各々末尾の文体に工夫が凝らされているからでしょう。 極めて個人的な印象ですが、読み進めているうちに、もしかしたら本書は幕末の人々を題材にした叙情詩なのではないかと感じられることがありました。作者は正座して朗々とうたっているようです。「英霊の帰還」の節など、さしずめ余韻嫋々たる間奏曲です。 これぞ「教科書が教えない幕末」!
前作「太平の巻」同様、毎回一人の人物にスポットを当てた「読み切り歴史コラム」を並べた体裁で、軽妙な語り口なので読みやすい。ただ、前作に比べ人物が政治家や役人に偏り、文化人や庶民があまりとりあげられなかったのがちょっと残念。それでも前作を楽しめた人はもちろん、幕末好きの人にも十分おすすめの読み物です。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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