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日本共産党 (新潮新書)

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日本共産党 (新潮新書)の商品レビュー

3.0 コンパクトで具体的だが目新しくなく今さら
 1948年に生まれ、三和銀行に就職後、18歳で日本共産党に入党し、議員秘書、参議院議員、党のナンバー4を経た後、2003年にセクハラ問題を機に議員を辞職し、2005年に離党した人物が、今さらながら自己批判を込めて、2006年に刊行した共産党批判の書。1922年非合法のコミンテルン日本支部として成立した日本共産党は、戦後に合法化され、宮本体制の下で現在に至る基本路線を採用した最古参政党であるが、未だ一度も与党になったことはなく、党勢も衰退傾向にある。同党では党首を党員が直接選べず、議員候補は党が指名し、議員秘書も党本部が採用し議員に配分する(このため調査能力は高いが、巨額秘書献金問題も浮上)といった点で、他党と異なる。また同党では前衛政党として民主集中制が採用されているが、読了率や活動参加率の低さ、党員の高齢化、党内選挙の形骸化などにより、その内実は形骸化しており、宮本・不破の長期政権と絶対的地位の問題も生じている。さらに共産党は、企業献金・政党助成金を受け取らず、赤旗(特に日曜版)販売費等、自前で高い収入を得ていることで知られるが、その分コストもかかっており、党勢拡大運動にもかかわらず、近年赤旗の売上も低下しつつある。その結果、給与の遅配や党員への募金責めが生じ、一般党員が疲弊している。にもかかわらず、中央委員は大言壮語と建前のみの自己批判の繰り返し、ご都合主義的な選挙総括に終始し、責任をとろうとしない。政策面でも、民主連合政府樹立をあまりにも長期的な展望の下で主張し、結果としてその自衛隊政策も容認と反対の間で無節操に迷走している。売りにしている野党外交にしても、その内実はきわめて怪しい。以上が本書の主張であり、手厳しい割に格別目新しい内容ではない。なお、不破による拉致問題棚上げが批判されているが、私はその批判には納得できない。
5.0 優れた党員の本音
日本共産党は、外国の党と違って「官僚主義的で独裁的な共産主義の顔」を持たないということを、しきりに強調してきた。これは党の「つくられた外見」ではないのかと疑問を抱いている人は多いと思う。実際裏切り者への粛正や弾圧と言ってよい行為が存在する党であることは、よく語られている。有名な哲学者である古在由重氏が亡くなった時に思ったが、一般の人々と苦労をともにしてきた偉大な人物であっても、日本共産党がその人を「裏切り者」であると判断したなら葬式すら列席しない、そういう組織である。
著者はセクハラ事件をきっかけに党を辞めたと聞く。しかしそのことはこの本の内容の主題ではないし、後で得た情報では大した問題でもないようだ。ならばセクハラのことばかり強調する人は、本の内容から外れた議論をなぜわざわざするのかと思うのだが。
「辞めてからこんなことを書いて卑怯だ」と捉える批判があって当然であるし正しい批判と思う。またそのことを著者自身最後の方で自戒を込めて述べている。ただ、党員である限りこのようなことを言ったり書いたりはけっして出来ない!!...それが日本共産党だということも真実だ。著者が言うように「いつも正しい共産党」など正しいはずがない。まったくそのとおりである。いろいろ批判があっても、このような文章を世に出した著者の勇気には敬意を表したい。(再掲版)
1.0 タイトルが相応しくない
 この本のタイトルは『日本共産党』となっているが、本の内容と、タイトルが与える印象との間に大きな差があると思う。

 本の内容として、日本共産党という「組織」に関する批判、その組織運営のために必要な内部の「政治」とその人間関係を書いている。

 日本共産党ほどの規模の組織であれば、どこにでもあるような組織の不完全性、また不完全な人間が生み出す政治力学などを書いているが、日本共産党がもつ「理論」や「思想」には全くと言っていいほど触れていない。

 そもそも、内部に「矛盾」を孕むことを前提とした哲学をマルクス主義は持っているので、組織の中に矛盾があってむしろ当たり前なのに(当然、矛盾を是正する個人個人の努力が不可欠であるが)、著者は共産党の不完全性、幹部の人間としての不完全性ばかりにスポットを当て過ぎているのではないだろうか?

 結論として、共産党の組織運営、内部政治に関する批評としては意義があるかもしれないが、タイトルと内容の乖離という点から、タイトルが不適切であり、タイトルから考えるなら非常にバランスに欠けた批評であると言わざるを得ない。

 私は共産党員ではないが、著者の批評態度には科学者として受け入れられない部分が多い。批評をするのであれば、共産党とはどういう哲学で、どういう歴史発展を遂げて、など『日本共産党』というタイトルを使うのであればそれくらいの説明責任を負うべきである。
5.0 良書だが。。
共産党の内部を非常に的確に批判している。そういう意味では良書。しかし、氏も書いているように、内部にいるうちになぜこういうものを書けないのか。今も昔も共産党には期待してきたが、今ひとつ、普通の市民の感情からずれているところもあると思う(もちろん自民党などもまた違った意味でずれているが)、内にいると気づかないものなのだろうか。それになんといっても、これを書くにいたった契機がやはり少し情けないのは否定できない。
5.0 日本共産党の存在意義
私はまだ選挙権のない未成年である。まだ選挙権のない私が支持政党なんて言うのはおかしいが、一応自民党支持である。民主党があまりに不甲斐ないので。まあどちらにしろ改憲や外交政策、歴史観で決定的に相容れないこと、20世紀の世界に多くの慘禍をもたらした共産主義そのものが大嫌いということで共産党を支持したいと思ったことは今のところない。しかしだからといって共産党に全く存在意義がないとは思わない。著者自身も著書でおっしゃっているが、やはり一切の献金も政党助成金も受け取らない政党にはやはり自民、民主、公明党とは違うカネに対する誠実さがあるかもしれないとも思うし、市場原理主義を極限まで押し進めて日本をアメリカみたいな国にしようとするネオリベラリズム政策に対抗できる党になれるものならなって欲しい。いまだに共産主義に固執する害悪を筆者は指摘しているが、そのような批判も甘受して、もう少し党運営に柔軟性がもてればいいのになあと思うのは私だけだろうか…

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