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新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)

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新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)の商品レビュー

4.0 ある意味歴史的名著
1年前に買った時は難しくて途中で投げ出してしまった本だが、本棚から引っ張り出して改めて読んでみるとあら不思議、気がついたら読了していた。

販売店の仕組みやテレビの系列の話は、この本で非常に重要な部分なのだが、ともすると挫折につながる濃縮度である。

著者の河内氏はこの本を書いたが故、毎日新聞の社友から外されたと週刊誌で読んだ。それほどまでの衝撃作ということなのだろう。 マスコミは自分のことを報道しない。 この恐ろしいまでの閉鎖体質に、元毎日新聞常務という立場から切り込んだというだけでも、歴史的名著。
3.0 IT化する社会に関する考察がもっと欲しい
海外に住む私は、過去4年間、日本の新聞もテレビもほとんど見ていないが、今日インターネット上の情報の充実によって日本についての情報収集に困ることはほとんどない。新聞の危機を誰よりも強く感じて、この本を手にとった。しかし、個人的には本書の力点の置き方は期待はずれであった。日本の新聞が抱える問題は、(1) IT化に伴うビジネスモデルの危機、(2) 記事の質の問題、(3) 再販に代表される制度的問題と多岐にわたるが、出版された2007年時点で多く読者が最も関心を抱いているのは、間違いなく(1)ではなかろうか。本書は、制度的な問題の細部にこだわるあまり、(1)や(2)の点についての分析が浅い点が残念であった。

一方、今の新聞業界の裏側を知りたいという読者には好著であろう。著者は、毎日新聞社の元常務取締役であり実務的な点については詳細に書かれているし、情報の集めにくい特殊な業界についての情報をまとめたという点では一定の価値のある本だと思う。
4.0 新聞の将来
私は普段余りテレビを見ません。そのためニュースの多くをラジオや新聞から得ています。しかしテレビを見ない私も最近視覚的なニュースを得る事が出来ます。それはインターネットによるものです。パソコンの画面を開くと受動的でなく能動的にニュースが飛び込んでくる。その中で自分の興味のあるジャンルを選んでニュースを読む。時間的にもタイムリーなインターネットの出現は新聞業界の常識を根底から覆すものだと思います。本書には新聞業界の古い体質がたくさん紹介されています。きっとこのままでは新聞業界の近い将来はないものと感じました。
3.0 そもそも論
新聞社のビジネスモデルがいかに制度疲労を起こして破綻寸前(押し紙、拡張団、部数至上主義など)になっているかということを説明しています。
テレビと新聞の密接な関係についても米国と比較しつつ解説しています。これらのことはマスメディアに多少興味を持っている人なら知っていることで目新しさはありません。

筆者は新聞人であるので、マスメディアの役割、特に新聞の役割について過大な期待を持っているようですが、どうも「俺たちが啓蒙してやるんだ」と上から一般大衆を見ている旧来のマスコミ人の域を出ていないなという印象を受けます。消費者は、ニュースや映画など、見たいコンテンツを見たい時間に見たい場所で消費したいのであって、別にテレビじゃなければダメだとか、ましてや新聞じゃないとなんて考えてません。
それなのに、新聞の経営(というよりも毎日新聞の経営)について多くの紙幅を割いているのは、滑稽ですらあります。ということで本来は☆2つですが、マスコミ人が自分の業界を彼らなりの方法で自己批判しているという点でプラス☆1です。
2.0 社内文書を読まされている感じ
著者の河内孝氏は、毎日新聞の営業担当常務を務めた人物で、業界内でも語られない販売の裏側について、生々しく紹介しているのは珍しいかも知れません。
圧倒的に読売、朝日のメガ新聞に差を開けられてしまった、毎日新聞の再生の為に採るべき方向を指し示しているのが本書の狙いで、それは第三極構想とされ、毎日新聞を中心に産経新聞・中日新聞が業務提携するというもので、中部圏では非常に強固な地盤を持つ中日、首都圏では産経、九州地区では毎日が強い地盤なので、連携すれば全国紙の展望が開けると言うのです。
しかし、毎日サイドの我田引水的な色彩が濃く、連携相手とされる産経・中日側には、危機に瀕した毎日と連携するメリットは少ないのでは懸念せざるを得ません。

結局は、社内改革抗争に敗れた著者が、出版社の力を借りてその改革案を世に問うた著作ですが、読み進む内に社内文書を読まされている感じがして仕方がなく、何とも読み応えが無いのが如何にも残念でした。

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