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とてつもない日本 (新潮新書)

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とてつもない日本 (新潮新書)の商品レビュー

5.0 今こそ再読したい日本人のための書
今更という感を再読の際正直思ってしまったが、自民党が衆院選に敗れ民主党に政権交代してから早半年が経過した今、前総理であった麻生太郎氏の政治理念、大きくいえば日本に対する思いや考えを素直に吐露した本書を是非再読し、むしろ今だからこそレビューを残しておきたい気持ちになった

再読して驚いたのが、本書で述べられている総論に対して反論の余地が少なくとも私にはなかったことである
氏は口が確かに悪いため誤解されやすい点があり、またマスコミに依拠せずに正しい財政出動路線を敷いたため恣意的に虐げられてきたが、しかしながら本書に一貫しているのは氏の日本国に対する誇りと愛情であり、それを一人でも多くの日本国民を分かち合いたいという信念である

本書は雑多な各論ではなく、氏の政治理念を知るための総論の書である
彼の政治理念を一言でいえば”経済の繁栄と民主主義を通して、平和と幸福を”となるのであろう
そして本書執筆当時外務大臣として実地で見聞きし体験したことを通して日本国という存在は世界の中でも幾多の誇るべきものがある国家であり、その存在感の下に”実践的先駆者”としての自覚を我々日本人一人ひとりに促したいというのが氏の思いなのだろうと私は感じ取った

政権交代の甘言により我々は必然的に大いなる危機に陥ってしまった
これは有権者たる私たち国民一人ひとりの責任である
その謗りは民主党に投票しなかったからとか選挙にいかなかったから関係ないなどの言い訳は勿論許されるものではなく、日本国民全てが感じ取らなければならないものであると私は今痛感している

しかしながら氏の言葉を借りるなら”日本は必ず良くなる”
この希望を胸に置いておきたいと強く思う
現在の日本は誤解を恐れずにいえば国内において日本国側と反日側による冷たい内戦状態といえるのではないか
本書は日本国側に立つ全ての日本国民に少なくとも一読いただきたい誇りの書である

国家は人がつくるものであるという当たり前の原点に立ち返れば我々一人ひとりの奮起により、文字通りさらなる”とてつもない日本”になる
私はそういう日本にしていきたいし、そういう日本の一員であることに今もこれからも誇りを持ちたいと思う
4.0 読む事は良いこと
自国の総理大臣がどんな思想を持つのか、それは支持不支持とは別に知っておくべきである。それはこれまでとこれからの政治家についても言えること。よく分析し自分の見解を深めるべきである。彼らは容易に批判されるような人物(ばかり)ではない。
5.0 上を向いて歩こう
どうやれば日本を良い国にすることができるのか、どのようにすれば日本が繁栄するのかを考えるのが、政治家の役割だと思いますが、

日本はこんなに良い国ですよ。こんなに立派なところがあるんですよ。皆気づいてくださいという視点から書かれています。

かといって勿論他国をないがシろにしているわけではありません。政治家の本でこれほど清々しい気分になれるものは初めてでした。
4.0 あまり保守的ではない
自民党は保守政党であり、麻生氏も選挙で敗北した際には保守を強調していた。にも関らず本書には保守陣営としては珍しいくらいの柔軟さや寛容さが見える。私が麻生氏にいくらかの好感を持つのはこの点である。それは特にニートを扱った箇所で感じられる。普通のありがちな保守派、右派はしばしばニートにこんな寛容的な目、優しい目は向けない。ニートを罵倒し存在を憂い、徴兵しろとか強制労働させろとか家から追い出せとか無理解的な暴論ばかり吐いているのが右左どちらに多いかと考えるとそれが分かる。オタク文化に関しても同様だ。麻生氏は漫画やアニメといったオタク文化、サブカルチャーを日本の優れた誇れる文化として持ち上げると同時に、漫画は伝統破壊ではないといった事も言っている。少し考えてみて欲しいが、「漫画は伝統破壊ではない」などと麻生氏がわざわざ言うのは勿論、漫画を伝統破壊のだらしない文化だと言う人が大勢いるからである。そういう人がどういう人であるかを考えてみるとそんなことを言うのはニートやオタクを軽蔑する人と同じく保守的な人、右翼の人である事が容易に推察できる。さらにはゲームが犯罪を引き起こし、アニメが性風俗を乱し、漫画が道徳を頽廃させる。こういった新しい文化、自分に馴染みのない文化、若者の文化をとりあえず否定するイチャモンという名の古臭い物言いは常々保守的な物言いとされてきた。この点、麻生氏は一線を画している。

また教育を論じる箇所が短くあるが、これも保守的と言うよりむしろリベラルである。麻生氏は現在の義務教育は長すぎるのではないだろうか、と疑問を提起し義務教育など本当に必要最低限の読み書き算盤と、一定の躾でいい、という事を言う。躾と一口に言ってもそれは本当に必要な道徳を身につけさせるものから、頭髪からお辞儀の角度から就寝時間まで全て管理し、従わなければ殴るといった管理教育まで幅広いので、程度問題だと私は考えるが基本的にこの麻生氏の教育思想は保守的かリベラルかといえば後者であると思う。それは例えば学力低下を必要以上に嘆くような言説とはかなり距離を置いて見える。義務教育以後は各自は自分の望む仕事に就けるよう専門的で個性的な進路を選べるように、という事も言っており、これまた個性尊重自体に批判的な言説が右派には多くある中では大分リベラルな見解だと見える。

加えて、政治哲学的には保守主義というのは厳密には一切の普遍的価値なるものを認めないという事を付言しておきたい。しかし麻生氏は価値外交と称して堂々と普遍的価値として自由や人権、民主主義を語っておりこの点思想的にちゃんとした保守派をやれてはいない。ただこれは批判ではない。私は普遍的価値はあると思っているしいくらかの右翼のようにやたらと(時にある程度はその必要性もあるものの)人権を敵視するような事はよくないと思っているので、麻生氏の考え方はそう悪いものとは見ない。またあくまで価値外交は平和的に行われるのであって武力で押し付けるような事があってはならないと断じているのは半ばアメリカへのディスという事になるだろうが、穏健な面が見える。

ただ麻生氏のオタクやニートに対する肯定的な姿勢を単なる戦略と見る向きもある。私にはその判断はつかないが、それはそれであってもいいだろうとは思う。(それもまた政治だ)また漫画をある程度読むという事は嘘ではないはずなので、漫画の擁護なども完全な後付けとは言いがたいだろう。しかし例えばあれほどオタクを味方につけた麻生氏の政権下でオタク文化抑圧法案とでも呼ぶべき児童ポルノ法案などが話題になった事、自民党はあくまで保守政党であり、保守というのは本当はそういうものには不寛容であるのが常である事、これはある程度認識する必要があると思う。また最初の方では麻生氏は日本人の労働の美徳を賛美しておりその一方でニートにはニートなりのペースを認めていいのではと言っている。普通労働の美徳、日本人の真面目な性質が大好きな人はそういった美徳を破壊し、日本人の善きイメージを乱すニートのような存在には異様なほどの反感を覚える。麻生氏は労働の美徳も賛美しつつ労働の美徳に必ずしも沿わないペースも認めている。これを矛盾や戦略的八方美人と見るか、より多様なものを認める包括と見るか。人によりそこの捉え方は違うだろうが、私としては、自民党の最近の党首の中で比較すれば、上記のような柔軟さにより一番好感の持てる人であった。
5.0 読んでください 
この本を読むことでいかに麻生さんの考え方が良くわかると思います。
すくなくともマスコミで言われているような方ではありません。

もうマスコミは信じられません、政治家に不信を抱く前にその政治家の本を
いくつか読んでみてください 

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