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医療の限界 (新潮新書)

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医療の限界 (新潮新書)の商品レビュー

4.0 医療は、不確実性と限界を理解してもらうことで、医師と患者の不毛な対立を防ぐ必要がある。
医療は万能ではなく、不確実なものだ。医療には限界がある。医療は、不確実性と限界を理解してもらうことで、医師と患者の不毛な対立を防ぐ必要がある。医療事故はなくさないといけないが、不毛な医師と患者の対立によって、リスクある医療分野(産婦人科、外科、救命病棟など)につく若い医師が少なくなったという。

本書は、死生観から、司法制度、医療行政、医療制度、大学病院の現状の話など多岐にわたります。医療従事者が懸念する医療危機の訴えみたいなものが多角的な見地で述べられています。特に、医師と患者の死生観の違いというものは大きいようだ。医療従事者の方はよく言ってくれたといった内容なのでしょうか。

私は、本書を読んでいて医療従事者の甘えじゃないかなと思ってしまう。リスクを医師個人に背負わすのではなく、リスクマネジメントを病院のシステムとして確立する必要がある。また、医師は患者と良好な関係を築くように努力するべきではないかと思う。それができたら、訴訟されるリスクはないと少ないと思うし、訴訟されたとしても負けないのではないかと思う。医療従事者が一生懸命患者のために尽くしたにもかかわらず、裁判で負けるようなことになれば、それは司法に問題があるようなきがする。
5.0 医療の現場と医師の意見を知る良書
 本書は、医療現場で治療を続ける勤務医である著者が、医療の現場と医療の問題点、そして、急速に進みつつある医療崩壊についての現状を報告する本です。
 この本を読んでも、思うのが、マスコミの医師や病院に対するステレオタイプ的な報道が害悪を引き起こしているという現実です。
 本書の意見がどの程度、日本の医師たちの意見の総体なのかがわからないことが残念でした。 
 しかし、この本のレビューをみると、とにかく、医師の書き込みが多いです。
 それも、賛成意見が。
 こういう議論が国民の間に広がってほしいものです。
 現代日本においては、マスコミのステレオタイプの報道と、一部の理不尽なクレーマーの存在が大きく日本社会を歪めていると思いました。
 日本の医療を変えるべく、さらなる著者の活躍を見たいものです。
5.0 現場の悲鳴
医師が医療を行う視点がよくわかります。医療提供者側の問題点も指摘されており、参考になります。

沈みかけた箱船の上で日本人はどのように行動するのでしょうか。選ぶのは私たちです
 気付かないふりをするのか、気付いて周りに知らせるのか?
 人のせいにするのか、自省するのか?
 諦めるのか、抗うのか?
 逃げるのか、残るのか?
4.0 医療が直面する壁
 「医療崩壊」の著者による新書。
 大病院の部長という重責を担いながら、講演活動や執筆活動に取り組む著者の主張が前作に比べて解りやすく書かれている。その論調は医療をとりまく、患者意識や報道、死生観に焦点が絞られており、社会論のような様相を呈している。
 医療崩壊の要因は既に多数論じられているが、その大元として、著者は患者と医療の齟齬を上げている。これをなるべく少なくするために、もしくはその齟齬を明らかにするために、国民的議論を提唱している。

 主観的感想だが、医療が直面している壁、医師不足、患者意識(消費者意識への変質か?)の変化や報道の無責任などは、医療のみならず、日本社会が抱える行き詰まりそのものであると思える。医療崩壊は国民の生死を分かつ重大問題なのに、社会が対応できない。社会が機能不全に陥っている現状をまざまざと見せ付けていると思える。
 医療崩壊を画期として「報道の責任」や「患者の倫理」が認識され、医療に対して、医療従事者とともに報道や患者・国民の社会的責任が立ち上がってくることになればこれほど素晴らしいことはないのだが・・・。

 楽観的すぎる感想を述べましたが、医療問題に留まらない内容を含んだ著書です。
4.0 医師サイドからの反撃
医療事故についての、医師側から見た意見が書かれているとみていいだろう。


本書で強調されているのは、医療というものが完璧に安全で、必ず死から救ってくれるものだというのが幻想だということだ。
医療というのは性質上、患者の体を傷つけるのだから、必ず危険があるのだ。

そこを無理に完璧な安全を求めるから、やむを得ないような結果まで、患者が死んでしまったならば過失致死に問われたりしてしまう。
そんなことをやっていたら、医師になるものは誰もいなくなってしまう。
今の司法で起きているのは、国民の単純な感情への迎合である。

今の医療の体制にも大きな問題はある。
医師の教育などには特に改善されるべき点がたくさんある。

だから今の医療崩壊をなくすために必要な組織改革と法改正と国民の認識の転換が急務である。


我々の持つ「医療への過度の期待」が大きな問題をはらんでいることがはっきりと見えてくる。
メディアではあまり取り上げられない医師の声は貴重だ。

ただし、ところどころ医師の側に偏りすぎではないかという意見も見られる。

あと、名前を借りるためでしかないような、あまり意味のない引用もやめた方が良かったような気がする。

しかし、医療問題を考える上でコンパクトにまとまっている本であることは間違いない。

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