極めて
アカデミックな視点からアニメを評論していて面白いことは面白い。
多少こじ付けっぽい論はあるが、切り口も外れてはいないと思う。まあ、トンチンカンな第九章や、まったく現代日本のアニメじゃあないってのはあるけどね。
本当に大学で教えているのですか?
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とても興味深い一冊
一つ自分の立場を明らかにしておけば、私はいわゆるアニメファンではない。
ただ宮崎駿作品などを観て育ち、大人になってからは昔よりはアニメと距離ができたものの、これはと思う作品(映画でもTVでも)があればハマることもある。
アニメと私はそういう関係だ。だから、本書に登場するアニメも全部知っているわけではないし、好きだからといって一家言あるわけでもない。
そういう立場で読んだのだが、私には面白い内容だった。日本のアニメが扱う内容の幅広さから、筆者は安直に分析するのを避け、
「終末」「祝祭」「挽歌」という3つの切り口から個々の作品を読み解いている。これがなかなか新鮮だった。海外メディアが必ず関心を持つ「18禁」
アニメへの正面からの考察も、ポルノでく!くる表層的なものでなく、面白い。
とりわけ興味深かったのが、附論として記された「欧米人にとっての日本のアニメーション」の部分だ。海外で日本のアニメが人気だ、と聞くと、
その作品のどこに彼らが惹かれているのか、背後にある日本という国と果たして無関係なのか、私はいつも気になっていた。そういう疑問に答えてくれる内容ではある。
グローバルな目で見た日本のアニメに関心がある人なら、読んで損はないだろう。
タイトルのつけ間違い。
ジブリ作品からアダルトアニメまで、全ての分野の日本アニメを一括りにした評論を期待したのですが、取り扱っているアニメは80後半~90年前半の劇場、OVA作品がほとんどで、「現代」よりも「バブル期」のアニメ論といえます。また日本のアニメの主流であるTV作品がほとんど扱われていません。たしかにテレビ作品は、予算の問題もあり傑作が生まれにくい環境ではあります。しかし、そんな環境からでも「おジャ魔女ドレミ」や「クレヨンしんちゃん」のような作品が生まれる、日本アニメの懐の深さを著者は理解するべきでしょう。
さらに、監修がいなかったのでしょう。日本人には無用の外人向けの注釈が多く、文章の流れを完全に止めてしまっています。
日本人の評論家には無い表現手法の解説的、思想的な切り口はおもしろいものがあるだけに、タイトルをつけ間違えた日本語版編集者の大ポカが残念でなりません。