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面白い! 小池真理子独特の文体が恋愛を寒気のするものに 映し出しています。 最初は「さほどでもないかな」 と思ったんですよ。 ただ不倫という形に溺れてしまう様がうまく表現できて います。
なぜこういった作品を小池氏は書きたいと思ったのか、それが非常によくわかる。 恋をしたならば、何もかもかなぐり捨てて、全身でその恋に向かっていけ、というメッセージだ。現代人はそのような、身も心もぼろぼろになるまでの恋をしていない。どこか守りの姿勢に入ってしまっている…というようなことを、小池氏はよくエッセイやインタビューなどで語っている。 フランク・ミュラーの時計が割れるのを情事の最中に気にする男・湯浅はまさに「浅はかな恋をする人間」の暗喩であり、反対に、盗聴という犯罪行為にまで及んでまでもエリカのことを知りたいと願う若者・宮本は「自身を穢してまでも恋に突進していく人間」である。そのような二種の人間の間で、エリカは果たしてどちらと恋をしたいと思うか。もちろん、財力もあり異性にもてる湯浅のほうが、女性にとっては魅力的だし、犯罪を犯してまでも生活に入り込んでくる宮本のような男など、気味が悪いだけかもしれない。 しかし、恋の本質を追っていった時、本物であるのは宮本の恋のほうではないか。なりふり構わずに、本気で相手のことを知り尽くしたいという思い。――つまり、もっと本気で、捨て身になって恋をしろという、小池氏の警告なのだ。 本書は、恋に関して“ブランド志向”になっている多くの女性たちに読んでほしい。恋をしているならば、湯浅と宮本、どちらにより共感を覚えるか。捨て身になれない恋ならば、それは恋ではないだろう。早々にやめろって感じである。変態だと言われても、私は宮本に共感する。
いつもながら、あの内容をあれだけ膨らませられるのはさすが小池真理子と思います。ただ、同じ年代の女性なら共感出来たのかもしれないですが、主人公が拒否しながらも、結局惰性的に口車に乗って恋に落ちていく様はちょっとイライラしました。ストーカー(!?)の出現で、ちょっとサスペンス的な盛り上がりを見せますが・・・・・・
小池真理子の作品は好きですが、この作品はつまらない。だらだらと恋におぼれてゆく女心が描かれていて、彼女の作品独特の、背筋をスッと冷たいものが走るようなある種の気味悪さがない。しいていえば盗聴青年?40代の女性、しかも社長でありながら、この程度の男との恋にハマるものだろうか?あまりにもウブ過ぎやしないか。成熟した女性の落ちる恋とはこんな簡単なものか。浅過ぎると思う。
いつもながら小池真理子の恋愛マジックには感心させられる。急逝した親友の告別式の夜に,その親友の不倫相手だった男性から誘われるという,一般的にはあり得ないような出会いであるが,それ以外は40才を過ぎた男と女のよくある不倫が,このような色艶のある長編恋愛小説に形を変えるとは・・恋に溺れる男と女の心情,やがて訪れる予想どおりの結末。そこから立ち直り再び歩き出す女の自立心。分かり切っている一連の流れが形を変え色を変えいくつもの心を揺さぶる言葉に姿を変えている。恋することは生きること。生きることは恋すること。それこそが小池真理子のテーマなのであろう。小池真理子の作品の中ではどちらかというとシンプルですっきりした作品であり,読後に心地よさが残る。