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告白

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告白の商品レビュー

5.0 パンクな音頭=町田節
“河内十人斬り”の主犯であり、“告白”の主人公、城戸熊太郎。
熊太郎はいかにして十人もの人間を斬り殺すまでに至ったのか!?

       一人の男の人生ココニアリ

明治初期の話ですが、熊太郎は昭和後期、平成生まれの現代人みたい。
時代モノであるが感情移入しやすいです。もはや自分自身主人公です。

孤独と闘って、矛盾と闘って、己と闘って、必ず無惨に敗北。そんな男。
人生の岐路を踏み外し、狂気し乱舞し酒乱と化す。読んでいて痛々しこと甚だし。

しかし傍若無人に突き進むパンクな音頭=町田節。ざっくばらんに抱腹し絶倒すること間違いなし!!

現代日本文学に熊太郎の最期の言葉が突き刺さる。涙し狂気し絶望し至った周知の結末を超えたラスト。
5.0 町田康
久々にかなり読み応えのある作品を読んだ。
縫の姦通が発覚する場面などは痛々しくて(状況が、ではなく熊太郎の思弁が)読むのが辛かった。
熊太郎の思弁はまさに身を切るようなリズムを持っている。勿論そこは町田康の手腕だ

人は知らぬ間に汚れていって、知らぬ間に何も感じなくなっていく。だが熊太郎は殺人という体験を抱えたまま成長し、その結果自分が汚れているという強烈なコンプレックスを持った。
だから「救い」に対して尋常ではない執着を持つ。

弥五郎という兄弟分がいた事は熊太郎にとって、結果的に不幸なことだった。
熊太郎にとって弥五郎は世界との掛け橋だったし、彼がいなくては何もできないのだから
その弥五郎にも自分の思弁が理解されないという事は世界に拒絶されたも同然だ。そして最後まで他人に本当の事を言う言葉を持てなかった。

この作品を読んで、「あぁ面白いね」と他人事のように言える人はいわゆる「善良で無害な村民」なんだろう
まあそれはそれでご当人は幸せかも知れないが。その陰で犠牲になる人間がいるという厳然たる事実をこの作品は伝えたかったんだと思う。
5.0 町田康渾身の犯罪心理小説
すさまじい吸引力。最初の三ページで完全に引っ張り込まれ、あとはもう最後のページまで、流れに身を任せてついてゆくしかない。
河内音頭に唄われる、「河内十人斬り」の城戸熊太郎が主人公。
熊太郎がなぜ谷弥五郎とともに村人十人を斬殺するに至ったか、少年時代以降の心の動きが、670ページにわたり徹底的に書き尽くされる。
とは言え描かれるのはあくまで熊太郎の思考なので、凄惨な印象は薄い。
「こんなことまで!」と思うような微細な心の動きも容赦なくつかまえて、すべて書き言葉に変える。
それでいて決してしつこさはなく、むしろ執拗な描写が心地いいリズムを作り出している。
読み手が「ちょっと疲れてきたな…」と感じる直前、そのことをまだ自分でも意識しないうちに、町田康独特のロックでうねりのある文章が挿入され、また小説の世界に引き戻される。

小説の力。というものを思い知らされる一冊だった。
圧巻。
5.0 だらだら。
小説のなかで、私にとってはどうでもいいことでだらだらぐるぐると考えをめぐらす主人公の熊太郎。自分だったらこうはしないのに!とか、熊太郎の馬鹿!とか思えるのは、それだけ熊太郎が小説の域をこえて、私にとって本当の人間として動き出した証拠のようにも思えます。ほか登場人物に関しても、怒りが込み上げすぎて、しばらく読みたくなくなっちゃったことも、この小説のすごいところなんだろうと思います。
最後のシーンは、もうやりばのない気持ちで、涙がだらだらと流れました。本当に良い小説。人間はたったひとりでも絶望出来ると思ったら、どうしようもなくなりました。
5.0 弥五郎に救われる一冊
自分の中では10年に一度の傑作だと思った。

熊太郎が自分のようで、そして身近な誰かのようで、とにかく読むのが苦しかった。(文体は逆に楽しく、苦しみながらもふき出してしまう場面多。そこが妙でまた特別な印象を残しました。)

ところが弥五郎の登場が快挙で、彼の強さが小気味よく、全てがォく進んでも弥五郎がいるなら大丈夫、というちょっとした保険のような安心感で、物語も(悲惨ながらも)面白くなったと思う。なぜなら読者は彼が最後の討ち入りまでついてきてくれる事だけは知っているのだから。

大量殺人に一緒についてきてくれる同士がいる、というのはある意味ですごい。そんな友達を持っていた熊太郎は幸せだったと思う。

問題の討ち入りはまるで最後には忠臣蔵のようで、語弊はあるかもしれないけれど、「いよいよその時か」というような、いさぎよさ、すがすがしさ、静、というものを感じました。

これだけの長さがあったからこそ、そういう雰囲気が出せたのでは、と思います。

蛇足ですが、酒屋を襲うシーン、最後の討ち入りのシーンの躍動感、疎外感を獅子舞の被り物から見た世界とリンクさせる場面、葛城ドール、葛城モヘアというネーミングのセンス、。衝撃的でした。

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