生のなかの美学
前著『エスニックの次元』(1998年)で輸入物でない《われわれの問題》を扱うべきことを論じ、『タイトルの魔力』(2001年)で身近なネーミングの機能や背景を緻密に分析した著者が、今回、美学史を見渡し、その根本問題に迫る入門書に取り組んだものである。激変の時代。「かつては、美学書にも標準的な目次がありました。いまでは、その目次を作り出すことが、美学者の最初の課題であるようにさえ思われます」――そう言う著者が持ちかけるトピックは、一見美学書らしからぬもの。センス、カタカナ語、複製、身体、スポーツ、美人・・・・・・。しかし、それらが「趣味」や「感性」から「藝術の終焉」「アートワールド」に至るまで、美学上の重要概念に結びついてゆく。
本書では、藝術にまつわる自身の体験や見解がユーモアを交えて語られる。しかし、著者の執拗なほどの問題意識、厳密な思索や分析は、そうする間も休むことはない。平易でありつつも、じつは最も先端的な美学の問題を扱い、さらには人間中心主義の近代を清算した近未来の「人間を超える美学」を示す、貴重な入門書である。
☆★5つ星以上★☆★
とにかく面白かった.
とにかく分かりやすい.身近な事がらについて書かれており,小難しい美学理論などには
触れていないのだが,それでいて,「美学ってこんなかんじのもの
なんだろうな」というイメージを持つことのできる一冊だ.
また,現代における「アート」や「芸術」というものが果たして何なのか,意味不明とも思われる現代アート作品が,どうして作品たりえて
いるのか,という疑問にも十分答えてくれる一冊である.
この本を入り口として,美術史や美学を学ぶことも,可能かもしれない.
ただ…前のレビュアーの方も書いていらっしゃるが,題名が….
正直,タイトルから「どうせ大して面白くないんだろうなあ」と
思って読み始めたので,余計に感動してしまった.