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豊臣家の人々 (中公文庫)

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豊臣家の人々 (中公文庫)の商品レビュー

5.0 俄か出頭人
秀吉は日本歴史史上、最高の俄か出頭人いえるでしょう。それだけに大きな歪みを周囲にあた
えたと言えるのではないでしょうか?俄か貴族であるがゆえに教育システムが家の中に伝統
として存在せず、秀頼を一種の不具者のように育ててしまったと言えるのではないでしょうか?

また、物語の中では秀吉の妹や弟、親族が自分で願ったわけでもなく、貴族になり、時代に翻
弄される姿が描かれています。決して幸福ではなかったでしょう。

そして晩年は、若い頃はあれだけ人の気持ちを掴み取る天才でありながら、老耄激しく無用な
殺生を繰り返す。歯止めが利かなくなった人間が権力を持つことほど恐ろしいことはないでし
ょう。一抹の夢のような生涯、しかし後世まで名を残したひとりの天才とその周囲の人たちが
見事に描かれた秀作です。


5.0 豊臣家の人々で見る地力の差
晩年まで子供ができなかった秀吉には、こうしてみると養子に苦労した様が伺えます。秀次、秀秋をはじめ、宇喜多秀家、さらに結城秀康、八条宮。いずれも小説として十分に堪能できるそれぞれの「いわく」があります。

特に身内の無能ぶりには、秀吉自身、相当な苛立ちを覚えたでしょう。先の5人の養子のうち、身内である秀次、秀秋はその無能さ、凡庸さがその「いわく」の本質を成しています。家康と異なり、出自が出自だけに、家の保全のためにレベルの高い教育観環境や切磋琢磨する風土を持ちえず、また伝来の譜代を持たず、結局は秀吉亡き後、組織力において敗れていく背景が良く分かるような気がします。長い目で見ると、豊臣家というのはやはり秀吉という天才ひとりのものであり、その滅亡は徳川家との比較において地力の差、ある意味で歴史の必然だったのかもしれません(5人の養子のうち、最も優秀と目される秀康が徳川家出身であることはやや皮肉)。こう考えるとき、250年保たれた徳川体制というものがいかに日本の風土に適合し、練られたマネージメントであり、仕組みであったかということに興味は尽きません。

その身内の中で、秀吉の弟、秀長は唯一「奇跡的」に秀逸であり、関ヶ原も秀長が生きながらえていればどうなっていたか分からなかった、とは司馬氏の弁。しかし、有能であったが故に、豊臣家は秀吉ひとりのものだったと洞察鋭く、現実的に身を処したかもしれません、北政所と同じく。
4.0 秀吉に振りまわされた人々
 この「豊臣家の人々」は秀吉の正室大政所や養子達(秀次等)の話を描いている。ひとつの読み物として読んでみても面白いし、他の戦国モノ(太閤記や関ヶ原等)をより深く読むために読んでみても面白いと思う。
 この物語に出てくる人物たちはどれも秀吉によって振りまわされた人物という印象が強い。特に殺生関白秀次は秀吉がいなかったら普通の人物だろう。秀吉によって振りまわされた一番の被害者といってもいいかもしれない。
 結城秀康の話なんかは面白かった。まるで最近の昼ドラを見ているかのようだった。もしかしたら原型はこの話かもしれない。
 家康が関ヶ原で勝った後どうして豊臣家が一大名の位に落ちてしまったのかが疑問だったが本書を読むことによって疑問が解決した。
 「太閤記」などを読んで豊臣秀吉に興味を持った人は是非読んでください。豊臣家についてより詳しくなれるし、他の作品も読んでみたくなると思います。
5.0 豊臣家の人々
秀吉の家族や養子など、豊臣の家に属した人々を描いた短編集。短編それぞれの主人公は、豊臣秀次、小早川秀秋、宇喜田秀家、北ノ政所、豊臣秀長、旭姫、結城秀康、八条宮、淀姫、豊臣秀頼。秀吉の立身と栄達の傍らで生きた脇役に光を当てているのが面白い。彼らと秀吉の関係に始まり、彼らが急展開の世情にどう適応したか、あるいは翻弄されたかがとてもよく分かる。また、主人公にはなっていないものの、秀康の母親や家康、秀吉子飼いの譜代武将(加藤清正など)の登場・描写も個々の短編を魅力あるものにしている。
5.0 劇的な運命の中で生きる人々
当初はタイトルが地味なのであまり期待せずに読み始めたのですが、これが非常におもしろく、いい意味で期待を裏切ってくれました。

本書は豊臣秀長、秀次、秀頼、小早川秀秋、淀殿など、秀吉以外の豊臣家の人物を取り上げた短編集で、豊臣家という日本史上例にない成り上がり一族の、その劇的な運命の中で生きた"人々"の様子が細部に渡って描かれています。

運命の中で自分を巧みにコントロールした秀長や北政所。それに対し運命に呑まれてしまった秀次、秀秋、淀殿など。秀吉という人物の持っていた光があまりに強すぎ、それが一族の他の人間に暗い影を落としてしまう様子が非常に皮肉的で印象に残りました。

秀吉がたった一代で作り上げた豊臣家は、その創設も崩壊も非常に劇的です。非常にお!もしろく、またいろいろな意味で考えさせられる一冊でした。

また現代でもカリスマ社長が一代で大企業を築き上げるという類似のケースは多いので、歴史好きだけでなく会社経営や組織構築に携わる人にもオススメできる一冊だと思います。

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