あまり使いみちのない本
村上春樹の文章だけを取り出したら、どのくらいの分量になるのだろうか?私は13分で読了した(電車に乗ってから降りる直前まで。14分の乗車である)。もちろん一字一字きちんと読んだ。彼らしい文体であるが、つぶやきのようなもので、ここに詩情を感じるとしたら、それは読者の思い入れが著者の思いと同期した場合なのだろう。私にはそこまでこの作品に親近感をもつことはできなかった。読後感は不満である。写真があるので単行本の方がよいが、文庫版には新たに2編の文章の追加がある。だから文庫の方を買ったが、当然、写真のクオリティーは落ちる。いい写真が多いので、やや残念である。
あえて言うなら『優しきゴミ本』
うーん、勇気があるなこの出版を決めた人は。
そう言いたくなる本だ。
村上氏の名前が本を読まない人たちにも知られるようになったから出せた本のような気もするし、稲越センセが一般メディアに出るようになったからコラボレートしたのかなぁ、なんて勘ぐってしまう本でした。それでも、電車を待つ時間や寝る前のほんの数分などの「小時間つぶし」には、向いている。
たわいもないのだ、内容が。
そして、写真と何がマッチしているのか理解できないのだ。
というか、写真が「どうしてそれ」なのか、理解に苦しむのだが、よく考えれば、『使い道のないものを合わせて作ってみた』と思えば、合点がいく。
出版社サイドの提案なのか、作者の提案なのかよく知らないが、ファン以外は、買う必要を見いだせない気がする。
ま、嫌いじゃないですけど、無名の人を使ってこういう事が出来ますか?と聞きたいな(それくらい、たわいないと感じた内容だ)。