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「死ぬ瞬間」と死後の生 (中公文庫)

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「死ぬ瞬間」と死後の生 (中公文庫)の商品レビュー

5.0 死にゆく人々との対話
エリザベス・キューブラー・ロスの名は以前より知っていましたが、『死ぬ瞬間』というタイトルから、臨死体験の話を集めたオカルティックなものか、あるいは精神世界系の(シャーリー・マクレーンのような)本だと勝手に想像し、これまで手に取ることはありませんでした。

しかし、実際にはそのようなおどろおどろしい本ではまったくなく、ただただ、これから「死ぬ瞬間」に向かう人々と誠実に向き合い、寄り添い、話を聞く、その繰り返しから見えてきたことが語られています。これから死を迎えようとする人、特に子どものエピソードでは何度も涙がこぼれ、また聴衆とのやり取りでは何度も笑いました。

「本書は、キューブラー・ロスが語り、実践してきたことを理解するための、最良の入門書となるだろう。ここにはキューブラー・ロスの「エッセンス」がすべて盛り込まれているといっても過言ではない。しかもそれが彼女自身の肉声で語られていることが何よりも本書の魅力であろう」と訳者が語っていますが、まさにその通りと言える本でした。

同時に購入した『ライフ・レッスン』の方が、表紙はきれいだし、文字も少し大きめで良いのですが、ぐいぐい読ませるのはこちらの方でした。最初に刊行された『死ぬ瞬間』は468ページと、初めに手にするにはボリュームがありすぎると思いますので、その点でもこの本をお勧めします。

今まで、何冊ものスピリチュアル関連の本や自己啓発本を読んできました。
しかし、最近思うのは、有名無名を問わず、ひとりの人が生きた一生、それぞれの日々の営み、そういった中にほんの一瞬輝くもの、そういったものを自分なりに読み取ることが大切だなと感じているところです。
3.0 キューブラー・ロスの死
キューブラー・ロスは死を受け入れられたと言ったものの、「死ぬ瞬間」などで自らの主張してきたことを亡くなる寸前に否定している。読む価値のある著作ではあるが、過大評価されている感がある。もちろん聖書に匹敵するものではない。
4.0 講演の本です
 ロス博士は どうしてこうも意識レベルが高いのだろう と感心させられます。
 よほど深い洞察力と勇気に満ちた人間でなければ、何も無いどころか 向かい風一辺倒の中、確かな軌跡を刻むことなど 到底不可能だったことでしょう。
 肩書きは大変立派で、机上の空論や理想論を並べ、保守一辺倒で現実離れの “べき論” ばかり唱える先生方は沢山おられることでしょうが、社会の無理解というリスクを背負ってまで 確信に基づく行動を取り続けたロス博士の行動力には 敬服するほかありません。
 昭和40年代、当時先進国のアメリカであろうと、今以上の無智や誤解に充満した環境であったことを考慮すれば、このような方の存在無くして、終末医療やホスピスの概念確立は確実に遅れていたでしょう。
 そして “死” は いつまでも医療界の “失敗” として、闇に葬られ続けていたと思います。
 固定観念や執着心を手放せず、自分の知識と評価にしがみつく人であれば “知らない” ということなど許せませんから、“意識” という壮大なドラマを受け容れるなど、まだまだ無理なのかも知れませんね。
 片や、柔軟な発想と直感に冴えた若い人達であれば、未来志向の “命” の概念をすんなり受け容れることが出来るのでしょう。
 医療素人の私ですが、大きな感銘を受けました。 それにこの方は とてもいいセンスの持ち主ですね。
5.0 死後の世界より大切なものが、この本にはある
60年代末、キューブラー・ロスは末期患者の精神面のケアに取り組んで、アメリカにおける終末医療の先駆者であったが、80年頃から死後の世界を語るようになり、そのことで自宅に放火されるなど大変な「迫害」をうけた。

死後の世界については、多分に宗教的な問題をはらむため、その存否について議論することはなかなか容易ではないが、たとえば遠方でなくなった人が亡くなったちょうどその時刻に親しい友人を尋ねてきたといった不思議な話は昔からたくさんある。

多数の末期患者のカウンセリングを続けてきたロスが、彼らが共通して語る死のイメージに重大な関心をもち、自らもロバート・モンローのヘミシンク実験に参加して幽体離脱などの超常現象を体験、死後の世界があることを信ずるようになったことは、自然な成り行きかもしれない。

しかし死後の世界を伝えることが本作の主題では決してない。

むしろ、死を迎える患者と家族との残された「生」の時間が重要なテーマであり、たとえば「お母さんは死んだら天国へ行くんだよ」というような、その場限りの子供への慰めを否定して、逝く者と残される者との真の相互理解による救いを模索している。

その意味において、最近では坂本政道、少し前では丹波哲郎のような「死後の世界は素晴らしいのだから、死を恐れる必要は何もないのだ」という単純な主張とは、全く異なる。

ロスにとって死とは、死に行く者自身のものであるよりもむしろ、残される子、親、夫、妻、恋人のものである。大切な人の死は、自分の死以上に避けて通ることは難しい。そこに思い至るとき、今まさに大切な人を失おうとしている人にとって、本書は大きな安らぎを与えてくれるだろう。

重ねていうが、死後の世界があるから死は怖くない、とは本書のいうところでは全くない。死に逝く者と残される者がお互いに理解しあうことで穏やかで満ち足りた死を迎える、そのプロセスが読むものに静かな感動と大きな安らぎをもたらすのである。

無宗教の私にとって「聖書」といっても過言ではない。ともあれ名著中の名著である。

5.0 「死ぬこと」と「生きること」の全てがここに。
私にとってこの本は「人生の教科書」。ホスピスケアのパイオニアとしての博士が培われてきたノウハウのみならず、「生きること」と「死ぬこと」が具体的にどういうことか、私たちに何が必要なのかを現した本です。義理の母が糖尿病の合併症で「生存率1%」と宣告された時、末期医療の資料を求めて書店に走り、見つけました。「死」というゴール地点から逆説的に見えてくる、「命」と「人生」のかけがえのなさ。とても言いつくせない感動があります。見送られて天に帰って行った子供たちも、素晴らしい!

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