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秘本三国志〈1〉 (中公文庫)の商品レビュー 違う切り口からの出発「秘本 三国志」
1992年に重版になったものの復刻版。(全6巻、現在2巻まで刊行中)三国志の流れをある程度知っている人であれば、とても面白いアプローチからの書き出しにまず度肝を抜かれるだろう。また今までどこか辻褄が合わないような、ギクシャクしていた部分をすっきりと明快にしてくれるあたりは、さすが陳氏と認めざるを得ない。ただ、本の厚さが薄いからといって読みやすいだろうと思い、早合点して購入する初心者には向かない。三国志を語るなら、まず黄巾の乱から、というのが一般的だが(ここで一般的というのは「正史三国志」「三国志演義」吉川英冶「三国志」などをいう)通常、黄巾の乱の下敷きである太平道から始まり、漢中の五斗米道は、劉備が蜀に覇を唱えるかなり後半になって出現するのであるが、この「秘本三国志」はなんと太平道と五斗米道の話が同時に書き始められる。しかも、五斗米道の使者が曹操や孫堅、董卓を眺め回すという、実に面白い視点から書かれている。しかしながら、文章は至って読みやすく、良いのか悪いのか好みが分かれるところであるが、文体に横文字が出てきていたって中華風ではない。「庭園遊戯」をガーデン・パーティー、「絶世の美女」をエトランゼ「市場」をマーケット、等々平気で書き連ねているのが、どうしたことか逆に解かりやすい。また、聖人的に描かれがちな劉備もありのままの人間的野生漢で、関羽、張飛など共にドえらい有様で描かれており、人物・文章ともにひっくり返ること間違いなしの著書である。中華を満喫したいと思っているお方、そして前述したとおり三国志をある程度、知っていないお方には辛い書であるが、三国志ファンにとっては目から鱗のたまらぬ本としてお奨めしたい。 本の最新売り上げランキング - トップ10 | |||||||