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プーチニズム 報道されないロシアの現実

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プーチニズム 報道されないロシアの現実の商品レビュー

5.0 ロシアの現状を知る良書
 報道されないロシアの現状を、人々の生活をリポートしながら報告していく意欲作です。
 共産主義が打倒され、政情不安に翻弄されるロシアの人々、被害者は、チェチェン人だけでなく、ましてや、ロシア人でもない。
 一見、加害者と被害者が固定されているようで、すべての人々が加害者であり被害者であるという本書は、汚職まれみれの司法、新興財閥の専横、軍の横暴を描き、日本では当然守られている三権分立、温かみのある人権保護の重要性が説かれています。
 この原因を作り出したの人こそ、ロシアの指導者であるプーチンであり、人命よりもイデオロギー重視、そして、独裁制の復活です。
 ただ、個人的な感想として、ロシアというユーラシア大陸のこの国は、民主主義よりも独裁制の方がどうしても根付きやすい風土があるのかもしれません。
 このあたり、エドワードラジンスキーのニコライ処刑とあわせて読むと良いかもしれません。
 
3.0 プーチン政権の裏事情
ロシアの裏社会や、裏事情が、いろいろな人への
インタビューにもとづいて、書かれている。

気がつくと、30ページを読み終えるくらいに、ひきこまれる文章である。そして難しい語彙を簡単な語彙に置き換えられているので、読みやすい。

ただし、わたしはこの本を読んで、香って手元においておきたいとは思わなかった。
なぜなら、たしかに軍のデトフシナ(上官の部下に対する悪質ないじめや嫌がらせ)は深刻な問題で、デトフシナ問題を放っておくプーチン政権には問題がある。
しかし、プーチンは、欧州との協調路線を打ち出すことで、GDPを目標数値に達させた。そしてロシアの法制度を、外国の企業誘致をしやすいように改正し、経済発展を目指している。このように、ロシアやプーチン政権に波、著者の言うような腐敗したものであっても、そこから抜け出そうとする努力がある。
この努力を、著者は見落としているのではないかと疑問に思ったので、星3つとした。
5.0 ロシアはおそロシア
この本の著者は暗殺されました。

まずこの事を知ってからこの本を読むべきでしょう。
ロシアの近代史ー
 何がありましたか?

ベルリンの壁、チェチェン、国境間の国々を力で押さえつけるロシア政府。
そして資本主義を一部取り入れることにはなったものの根強い政府の情報統制。

この本を読むと北方領土やロシア近辺で拿捕される日本の漁船などの問題は
ロシアの恐ろしさの片鱗でしかないと知ることになるでしょう。

まずこの本が描いているのは「こうなるだろう」ではなく「こうなった」であることに注意が必要です。

全て実際に起こった惨事を描いているだけに、読んでいて背筋が凍る思いがします。
5.0 知る必要がある本
昨年,著者が殺害される少し前に読み終えましたが,今でもロシアに対する憤りを感じています.
BRIC'Sの一つとして成長著しいロシアでおこっている社会問題を切実にまとめてあります.
チェチェン武装勢力による北オセチア学校占拠事件で何が行われたか,
秩序も正義もないロシア軍の現状,金で動くろくでもない司法など,
一般の私達が映画などで知る不確かな世の中の裏の話が本当におこっている.
読んでいて感じるのは著者が母国ロシアを非常に好いているのだろうなという点.
母国をよくするために書き上げたという気持ちが伝わってくるので
読者も真剣に読み進められるのではないでしょうか.
ただ問題だけ紹介してあげあしをとることに終始している日本のジャーナリストには見習って欲しいですね.
ロシアに問題があることはもちろんですが,西欧諸国にもその責任があると言及している点は
控えめながら主張してあります.確かにそうです.
著者にはロシアにとどまらず,世界の諸問題についてもまとめて欲しいと感じました.

あくまで憶測ですが,出版に際しては強い圧力があったと思いますので,
ロシアでこのような本を出版した著者と編集部に最大限の賛辞を送りたいです.
5.0 論より事例情報。ロシアの現状がリアリティをもって伝わってくる。
ベルリンの壁の崩壊からあっという間のソ連の崩壊。そして、その後の混乱。新聞が伝える情報は断片的で全体像が掴めない。ロシアはいったいどうなっているのだろう。チェチェンの報道でポリトコフスカヤの存在を知り、彼女の書いたものならと読んでみた。堕落した軍隊、マフィアの実態、新興財閥の手口、官僚、警察、司法などの公権力とマフィアや新興財閥の結託、こうした情報が「論」ではなく詳細な事例情報で書かれており、それだけに説得力がある。ロシアは世界でいまもっとも貧格差が激しい国になっている。こうした状況下での国民の生活は悲惨だ。事例情報のなかにはポリトコフスカヤの身近の人たちをはじめ、困窮し、虐げられている人たちの話がある。こうした話を読むと、社会主義とはいったい何だったのかと思わざるをえない。無惨だ。一握りの支配層が自分の祖国から不当に、不法に富を収奪している。「この世に正義の体系としての政治イデオロギーはない」が、社会主義である前にロシアはロシアであったという言い方もできるような気がする。いま権力と富を握っているものの大半が元共産党員で、そのトップにいるのがプーチンだ。旧ソ連のKGB出身のプーチンがあっという間に大統領になり、いまや絶対権力者になっている。ポリトコフスカヤは「ロシアは共産主義という貧乏くじをひいたが、いまはもっと悪い」と書いているが、プーチンを頂点に旧KGBとNSB出身者が政府の中枢を占め、その数は6,000名というのだから驚いてしまう。ポリトコフスカヤだけでなく、これまでも何十人ものジャーナリストたちが同様に暗殺されているそうだが、この本を読む限り、ロシアがこれから先、民主的な国になるのは想像すら出来ない。また、ポリトコフスカヤは、長い間、強権国家のもとで身を守るため忍従するしかなかった国民の無気力を批判しているが、あの抑圧体制下でどんなレジスタンスが可能なのだろうか。残念ながらポリトコフスカヤは暗殺されたが、彼女のこの著書はロシアの厳しく、絶望的な現状が実感できる優れたレポートといえる。

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