クライトンの面目躍如たる作品!
本作はクライトンのデビュー作です。話の筋はごくごく単純。人工衛星が運んできたと思われる未知の病原体によって一つの町の住人がたった二人の人物を残して全滅してしまいます。生き残った二人というのは、生後まもない赤ん坊と老人という奇妙な取り合わせ。さて、どうしてこの二人だけが生き残ったのか?SFといっても、本書で描かれている事は現実に起こりうるものです。それをドキュメンタリータッチで描いているからよりサスペンスが強調されます。
未知の病原体を探る科学者達の試行錯誤の努力を横目で見ながら、すでにわかっている結果をちらつかせ、その過ちを指摘してゆく手法はページを繰る手を早くさせます。これから起こることじゃなく、すでに起こったこととして描くことでサスペンスにとんだ展開になるけです。そういえばキングの「キャリー」もこれと同じ手法で描かれてましたね。
とにかく、本書を読んで得られる知的興奮は並大抵のものではありません。
どうか是非手にとって見てください。
自信作だったんでしょうが、、、
クライトン博士(お医者さんです)が本名で書いた第一作です。
他にもペンネームをいくつか持って作品を発表しています。この作品は映画「アンドロメダ」(1971)の原作です。
ストーリーは、アメリカ中西部の田舎町に人工衛星が落ちてきます。
そこで調査隊が見たものは住民が死に絶えたゴーストタウンでした。
住民は未知の病原体で死んでいましたが、たった二人だけ生存者が
見つかります。
未知の病原体の正体は?
なぜ、二人だけ助かったのか?
病原体の蔓延は防げるのか?
今、科学者たちの孤独な戦いが始まる!
クライトン博士の作品は他にも映画になっているので、ここでは
ご紹介しませんが流行り物は大得意です。
この作品が書かれたのはベトナム戦争の最中でABC兵器(原子力兵器:原爆、生物兵器:病原体、化学兵器:毒ガス)
についての興味が高まっていた時期です。
原爆(第2次大戦)や毒ガス(第一次大戦)は既に実用化されています。
未知の兵器は生物兵器:病原体だったのです。
遺伝子やオッドマン(だったっけ?)仮説、生化学理論など実際の
科学知識をベースに未知の領域を描き出す先見性は確かにすごいです。
でも流行りに流されて練られていない感は否めません。
結末が肩透かしのようで余韻も無いし、、、
はっきり言わせてもらうと映画のほうが出来が良かった。
私の個人的な感想ですが映画を制作する時にスタッフのアイデアを脚本に
取り入れたのではないでしょうか?
クライトン博士を別に嫌いなわけではありません。
でも毎年、大作を発表するよりも数年かけて熟成させて発表すると
もっとすごい作品になるのではないでしょうか?
すごい才能を持っているのだから、、、
一気に読ませる導入部、、、
「宇宙からやってきた細菌」を巡っての恐怖を描く佳作。今でこそ陳腐なテーマかもしれないが、導入部には迫力もあり、一気に『アンドロメダ病原体』の世界に入っていくことができる。中盤も、「細菌のもたらす摩訶不思議な恐怖」というような安直さには流れず、しっかりした取材ないし経験に基づいているらしく矛盾なく「人間」を描いている。細菌が次々と人間を襲う、というような安直な恐怖に流されていない点には好感が持てる。
しかし。結論部分では一気に脱力させられる気がした。同じくマイケル・クライトンの『ジュラシック・パーク』も、やや結末に不満を覚えた記憶があるが、本書は『ジュラシック・パーク』よりも「ご都合」に流された終わりだと感じる。名高い著作ではあるが、あまり優れた作品ではないように思う。