著者の駄洒落パワーてんこもりの一冊。脱力度200%
話の荒唐無稽な展開に引っぱられて読んでいった挙げ句が、お、おい、これかよと絶句、呆然としてしまう短編ばかりである。前フリのやたら長い話にうんうん、それでどうしたの?と耳を傾けていたら、すとんと落とされた……いや、ずごーんと深淵に突き落とされたような、そんな話ばっかである。こ、これだけ引っぱっといて、そんでもって、オチがこ、これかあああと、怒りを遥かに通り越して脱力してしまう作品集だった。 と、これはけなしているかに見えてそうではない。誉めているのである。なんとなれば、著者は確信犯的に、そして真剣にふざけてこれらの作品を書いているように思えるからである。玩具を手にした子どものように、駄洒落を駆使して遊んでいるのである。それは、「田中啓文に捧ぐ」「アイザック・アシモフにも捧ぐ」と記した献辞から明らかだし、タイトルからしてアシモフの「銀河帝国興亡史」の洒落だし、とても魅力的な装丁イラストを描いている「フランク・Y・パウル」というのも洒落である。
フランク・Y・パウルというのは、米国のアメージング・ストーリー誌などにイラストを描いていたフランク・R・パウルをもじったもので、実際に描いているのは、日本の現存するイラストレーターではないかと推測される。
徹頭徹尾、最初から最後まで、著者の駄洒落魂が楽しめる一冊。万人にはとてもお薦めできる本ではないが、SFが好きで、でもって頭のこりをほぐしてみたい、があああーっと脱力してみたい(なんじゃそりゃ?)方には、強力にお薦めしたい。