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銀輪の覇者 上 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-1) (ハヤカワ文庫JA)

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銀輪の覇者 上 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-1) (ハヤカワ文庫JA)の商品レビュー

5.0 斎藤純の最高傑作
斎藤純「渾身の冒険小説」と言わせて頂きたい。

戦前、オリンピックの為にアマチュア化が推し進められる自転車競技。
時代の流れに反してひとりの男が本州縦断の大レースを開催する。
競技参加者、開催者、スポンサー、国、そして彼らを取り巻く人間たちの、
それぞれの思惑が交錯し、物語は加速していく。

この小説は、
ひとつのレースのなかで男たちの友情と成長を書き上げるだけでなく、
間違いなく、作者斎藤純氏の大きな転換となった作品だと思う。
氏のこれまでの作品の系統から脱却し、
これこそ氏の本領ではないかと思えるスピーディで迫力ある小説だ。

今後、もっと大化けすることを期待します。
5.0 本物の自転車レースの小説
 自転車が好きな人を前提に評価しました。自転車に興味が無くて作家にのみ興味がある人が読んで5点とはならないと思います。
 本格的な自転車レースの小説、それも戦前を舞台にというのでびっくりしたら、ミステリーとしても面白かったので大変満足しています。
 小説自体は2001年に連載された新聞小説を大幅加筆訂正したものと言いますが、今回文庫化に当たっても追加したとのこと(エンディングは単行本の方が私は好きだけどね)
 作者の斉藤純は7年前から自転車に乗った比較的新しい自転車乗りなのに凄い勉強とのめりこみで感心しました。
 今回この本から戦前の自転車に興味を持ち、少し勉強しました。良く今中大介さんが「戦後初の」ツールドフランス参戦者と言われるのもなぜか初めて知りました。1926、1927年に川室 競(かわむろ きそう)という漫画の主人公のような名前の選手がそれぞれステージ1のみ走っています。興味のある方は図書館で 月岡朔太郎 自転車競走 日刊プロスポーツ新聞昭和53年 佐野祐二 自転車の文化史 なんぞをお読みください
3.0 面白いんだけど
一癖ありそうな面子が集まり,一括千金を狙う自転車レースを走るという設定は文句なしに面白い。
しかし,ネタバレになるので,詳しく書けないが,彼らの謎が明らかになるにつれ,全員似たもの同士の狸と狐の化かし合いのように感じて,醒めてしまった。
普通の立場の登場人物でも,結構面白いと思うのだが,設定に奇をてらいすぎで,ラストになって,それほど没頭できなかった。

面白かったんだけどね。
5.0 2005年版このミス 5位
2005年版このミス 5位
内容を簡単に言ってしまうと、「戦前に行われた自転車レースの話」。
これだけ読むと、マニアックな内容で、どこがミステリー?という感じであるが、なかなかどうして楽しめる一冊であった。
昭和9年、自転車競技がアマチュア化に向かう中、あえて本州縦断の賞金レースが企画される。競技の出場者、主催者、取材する新聞記者、そして「兵器」としての自転車の性能を見極めようとする軍部、さまざまな背景、思惑をもつ登場人物達が過酷なレースに挑む。実際、登場人物達それぞれの真の目的がつかめないままレースが続き、ミステリー仕立てで物語が進行する。果たしてレースは成功するのか?そして誰が「銀輪の覇者」となるのか?
4.0 サイクルロードレースをテーマにした本格的な冒険小説
戦前の日本を舞台に開かれた本州縦断自転車ロードレース。その白熱の行方を描いた作品である。’04年、「このミステリーがすごい!」国内編第5位に堂々ランクインしている。

戦争の足音が忍び寄る昭和9年、ある男がとんでもないレースを計画し実行に移した。山口県下関から青森県の三厩(みんまや)まで、本州を自転車で縦断するという<大日本サイクルレース>である。しかもレース用ではなく、泥よけや荷台がついた重たい商業用自転車を使用するというのだ。しかし人気は上々、海外からの参加も含めて、決して安くない参加費を工面して、高額賞金目当てに、大人数が参加する。それを取材する側もフランス人などがいて国際的だ。

山師的な主催者の狙いや、レースの裏にちらつく軍部の影、アマチュア化に逆行する大会に反対し、妨害を画策するブルジョア競技団体の動き、さらに、謎めいた参加者たちの真意など、さまざまな思惑がレースの背後で複雑に絡み合い、ただでさえ過酷なレースはより厳しいものになっていく・・・。

はじめは個人参加だった響木は、越前屋、望月、小松という、一癖も二癖もありそうな者たちに声をかけ、寄せ集めのにわかチームを結成してレースに挑むのだが、彼らの運命は・・・。

本書は、昭和不況の後遺症にあえぎ、戦争の泥沼にはまり込んでゆく時代を活写しながら、同時に自転車レースの魅力をたっぷりと描いた、冒険小説の傑作である。

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