食事は一大事
本書については既に上巻のレビューに書いたので繰り返すのも野暮である。従い ここでは「食事」にだけ触れたい。 本書で度々出てくる食事の場面は大変印象的だ。イタリア人がいかに食事を大事にし 一緒に食事を食べることがいかに「絆」を意味するかがはっきり分かった。何だか嬉しくなったし 既視感すら覚えた。
我々日本人も食事を大事にする民族である。「同じ釜の飯を食う」という言葉は 既に我々の日常用語である。考えてみると変な話だ。食事はそもそも単なる「エネルギーの補充」に過ぎないはずだが それ以上のものであることも我々の実感である。日頃の仕事の中で 客先との会食がいかに大事かは言うまでも無い。
一方 プライベートでも たまに実家に帰ると母親は必ず食事を作り出す。子供は常に空腹であると思っているし そんな子供と食事をしなくてはと思っているのだ。その子供が既に中年であっても、 である。誠に食事の意味は大きく深い。
そんなわけで 地球の裏側のイタリア人が メニューこそ違いながらも 同じような気持ちで食事に臨んでいる姿が とても新鮮で かつ 懐かしい。
この希代のマフィア小説の ごく一部のマテリアルに過ぎない話だが とても印象に残ったので この下巻のレビューに敢えて記す次第である。