ニックの泥棒稼業は続く
この短編集では
おもちゃのねずみ、トラ猫、家族の写真、灰皿、石鹸、新聞等々
相変わらず価値のないものを盗みます何でこんなものが大金をはたいて必要とされるのか
毎度のパターンですがわくわくさせられます
この事件簿には恋人に仕事がばれて
手数料がインフレにより値上げされたりもしています
比較すると・・・
同作者の『サム・ホーンソーン』シリーズにハマってこちらも読んでみたが、比較すると多少インパクトに欠ける気がする。『価値のないものしか盗まない』といいつつ、主人公ニックが盗むものは、『それってものすごい価値があるのでは?』と思うものや、怪盗なのに毎回謎解きをしているところに少し矛盾や疑問を感じなくもない。
ただし、それがスタイルといってしまえばそれまでだが・・・。
作風には、どことなく和モノっぽさを感じる。
好みもあるし、決して面白くないわけではないので、念のため。
文庫化を本の神様に感謝!
泥棒ながら事件に巻き込まれ、探偵に・・・というのは、今ではローレンス・ブロックのバーニイシリーズもあり、言われて見れば大分増えてはきましたが、このニックは元祖にして傑作!!それもそのはず、生みの親は世界一の短編推理作家(作者本人も短編を書くのが大好きな“短編プロパー”だけに、もう脱帽するしかない短編を次々と発表していて翻訳が追いつきません)E・D・ホック。
ニック・ヴェルヴェット、イタリア系移民、長身でラテン系の顔立ち、そして・・・「価値のないものしか盗まない」天才泥棒。1回2万ドル(危険が伴う場合は要相談)で、依頼人にとってのみ価値があるものを盗む。終わった公演のチケット、昨日の新聞、プールの水、陪審員全員・・・。そして、ニックは“仕事”にからんで殺人事件や奇妙な事件に見舞われる。
ニックは「どうやって」それを盗むのか、「何のために」そんな価値のないものを依頼人は欲しがるのか、そして「誰が」その殺人を犯したのか?How、Why、Who全てが揃った、どの短編ももったいないほどおいしい作品。
作品は沢山あるが、邦訳は『怪盗ニック登場』『怪盗ニックを盗め』『怪盗ニックの事件簿』の3冊、全て日本で独自に編纂されたもの。『登場』『盗め』に続いて『事件簿』もこのたび文庫化され、これでまた入手しやすくなりました。ポケミス版は全て絶版なので(古本で集めたのですが)。文庫では大幅に改訳しているので、ポケミス版を執念で集めた人も、文庫は見逃せません。また買いました。