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ABC殺人事件 (クリスティー文庫)

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ABC殺人事件 (クリスティー文庫)の商品レビュー

3.0 ♪ 「ABC」は知ってても、それだけでは困ります。 ♪
本書は私が初めて読んだ推理作品だが、推理小説のルールとか形式とかを理解せず読んだものだから、読み終わった感想は驚きというよりも唖然としたものだった。
それでこういうのもありなんだと、それが一般的な推理小説なのだと思いながらその後いくつかの推理作品を読んでみて、それで初めてトンデモナイ誤解をしていたことがわかった。面白い・面白くないは別問題として、本書はミステリー初心者が絶対手を出すべきではないキワモノなのだ。

で、今回改めて客観的に本書を見直してみて思ったが、やっぱりキワモノだね(笑)。推理作品としてはどうかと思う。
犯人を読み解く手がかりはないに等しく、だからポアロは推理もせずいきなりこいつが犯人だ、で終わらせてるし。意外性だけでウケてる作品ってとこだね。

それと、本書を評して「ミッシング・リンク」ものの傑作というものが多いが、いったい何だってわざわざ「ミッシング・リンク」ものだなんて訳のわからないことを書くのかなと思う。
「ミッシング・リンク」(失われた環)っていうのは、AとBとCとの間の関連が不明で、その不明の関連を解き明かす作品を「ミッシング・リンク」ものって言うんだろうけど、本書の場合、AとBとCには何の関連もない。

本書のような作品を以前は「カモフラージュの殺人」と呼んでたはずで、本書にはその方がピッタリくる。あえて言うなら「見せかけの環」とか「にせ物の環」(イミテーション・リンクってとこか)とかであって、「ミッシング・リンク」(失われた環)なんかでは絶対ない。
5.0 法則性に仕掛けられた罠
「ABC」を名乗る正体不明の犯人により、Aで始まる
地名の町で、Aで始まる名前の人が殺害される。
B、そしてCでも同様の殺人が。

そして現場には、ABC鉄道時刻表が残されていた……。



明らかに連続殺人と思われるのに被害者相互の関連がつかめないという、
狭義の《ミッシング・リンク》テーマの逆パターン(広義では含む)。

ある法則に基づいた連続性を提示することにより、捜査を
誤った方向に誘導しようとする犯行が描かれた作品です。


読み終えて、どうしても感じるのは、動機の不自然さ。

道具立てや趣向としては面白いんですが、こんなに手間が
掛かってリスキーな犯行を、実際にやる人はいないでしょうw


ただ、それでもやっぱり、クリスティがすごいのは《ミッシング・リンク》以外に
もうひとつ、当時としては先駆的なテーマを盛り込んでいるところ。

本作は、そうした「合わせ技一本」もあり、ミステリ史の
なかで、色褪せない輝きを放っているといえます。
4.0 なぜ連続殺人は起こったのか・・・
ABCD・・・・・・
犯行は続いていきます。

なぜABC・・と起こるのか・・。
この連続殺人の接点は?

今回もポアロの灰色の脳細胞が冴えます。
何気なく相棒が喋った一言から この連続殺人事件の謎が解けます。

クリスティは一つの作品ごとに思いも寄らない犯人像を作り上げています。
犯人が連続殺人を犯した理由は・・・・・。
こんな 動機があったのですね。意外でした。
面白かったです。
5.0 動機の所在
クリスティのマスターピースの一作。

 Aの頭文字を持つ地名でAの頭文字を持つ人が殺される。次はB,次はC。かような 連続殺人事件を構想した点だけで 彼女の独創性が伺われる。

 彼女の作品はいずれも殺人の動機を最も重視している。当然ながら犯人はかような動機を隠す点から始める。従い その動機を巡る攻防こそが彼女の諸作品の見せ場である。本作においても 犯人が 連続殺人事件にした理由を巡るポワロの推理が最大の見せ場だ。

 それにしても彼女の作品は実に香り高い。その品のよさが 時空を超えて読み継がれる最大の理由なのだと思う。何度も再読できる探偵小説は 彼女の作品と 横溝正史くらいではないだろうか。
5.0 動機
連続予告殺人事件だ。
しかも、ABC順に、名前にAで始まる被害者、次はBで始まる被害者という具合。
単に、これだけの理由で、何の落ち度も無いのに殺された被害者は、全く浮かばれない。

警察は、犯人は精神に異常をきたしていると、決め付ける。
しかし、ポアロ探偵は、犯人の動機の追及にこだわる。

ポアロ探偵の活躍の結果は、凄まじい驚きをもたらす。
緻密に組み立てられた意外性が面白い。

大傑作だ。

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