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ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の商品レビュー

5.0 ちょっと気になりました
今まで何冊かアガサシリーズ読んで来てほとんど気にならなかったのですが、この作品はちょっと気になったのでレビューを

まず序盤に誤字が何度か見掛けられました。
一所懸命×→一生懸命
いたずらっぱく×→いたずらっぽく
あげく登場人物の名前まで
ナッタボーン×→オッタボーン

あとは終盤に、強調するためなんでしょうが、文字の横に点をつける演出。多すぎです…。原作もそうであるならすみません。
訳に関しても、この人がこんな言葉使いするかな?という事がちらほら。(あまり台詞を出すと内容に触れますので省略
まぁこれは私の感覚の問題かもしれませんね。


とまぁ文句ばかり書きましたが、作品自体に関しては言う事無し!
お勧めです!!
4.0 ああ…また騙されてしまった
ポアロのシリーズでは一番の長編ではないでしょうか。
でも、あっという間に読めてしまいます。
「犯人は一番それらしくない人」というのが常套句。
それは『スタイルズ荘の怪事件』で学んだ筈なのに最後まで解りませんでした。
登場人物が多いからだ!と、自分に言い訳…
クリスティー作品の魅力は、
犯人が解ってからすぐ再読したくなるところではないでしょうか。
私にとって『そして誰もいなくなった』がそうであったように
本書もすぐ読み直してしまいました。
そして数々の伏線やトリックをじっくり味わうんです。
そうさせられたのは、今のところ『そして誰も〜』と『ナイルに死す』だけ。

5.0 ナイルと古代遺跡とセピア色の風景での事件
表紙が内容と一致して効果的!。同様のことは「そして誰もいなくなった」の表紙と同じくらい効果的だった。内容によくマッチしていたからだ。お金があっても若く美しい美貌があっても幸せになる要素をほとんど兼ね備えていても、問題は誰にも起こるのだと感じた。登場人物は多いがみんなかなり個性的なので、躍動感があって生き生きとして読みやすかった。またもや意外な展開で、ある人の死によって、さらに死が引き起こされ、それがさらに別の死を・・・。
完璧に計画された犯罪が、偶然のことで予想外のことが起こり、当初想定外だった2つの別の殺人を引き起こす原因となる。そして様々な憶測を生んでいく。私は今回も犯人を外しました。ありえないと思っていたことも、「ああそういう順でならありえるな」と思えるポアロ発想は素晴らしい。ポアロの意表も突いたこの事件、一体どれだけの読者が犯人を当てられるのか?いい作品だった。今、アスワンハイダムができて行けなくなった所も当時行けてうわやましくもあった。ナイル川の船旅に行きたくなった。
5.0 幸福って?
 「こんどこそ、やらなきゃ」男はいった・・・
 大富豪のリネットは親友のジャクリーンから恋人のサイモンを奪う。新婚旅行先のエジプトで、二人はツアーの中にジャクリーンの姿を見た。波乱の影がそこにみえたが・・・エジプトを舞台に起きる連続殺人を扱ったクリスティ懇親の本格ミステリの傑作。

 クリスティの数多くの作品の中でも希有なほど直球ど真ん中で本格のミットにバッシっと決まっている感がある。本格の枠をちょっとずらすことで、演出効果を上げることが多いクリスティの作風からすると意外なぐらいストリートな本格モノである。本格の醍醐味をこれぐらい味わえる作品もまずないだろう。惜しむらくは、決定的な証拠をポワロ(作者)があえて隠している点。ほんらいなら、この点で失敗作といわれかねないのだが、あまりにそれ以外が整っているので、不満があまりない・・・ある意味すごいね。

 この話は、お金も美貌もすべて持ち合わせた若い女性の物語ともみれる。冒頭、パブに集まった人達の間で「すべて持ち合わせているなんて、不公平じゃないか?」といった会話がなされるのが、象徴的だ。この事件に直接のないこのエピソードを冒頭に持ってくるあたりにクリスティの意図が察しできる。はたして、彼女は自分の幸運を上手く活用できたのであろうか・・・・
5.0 クリスティーのベスト3のひとつ
名作推理の多いアガサ・クリスティー作品の中でも、本書は間違いなく 作者のベスト3に挙げられるべき作品である。
もちろん、ベスト1・2が『そして誰もいなくなった』と『アクロイド殺し』であることはいうまでもない。

豪華客船でさまざまな思惑を抱く登場人物たちとともにナイル河を遡りながら事件の予兆を感じさせる展開は、まるでトラベル・ミステリーのはしりのようだが、決して軽佻浮薄な作品ではなく実に重厚な本格作品で、それでいてページがスムーズに進むのは、やはり作者の語り口の巧みさによるものといえよう。

クリスティーの作品の特徴は、小さなトリックの組み合わせとその巧みなプロットで読者を錯誤に陥らせるものが多いが、本書においては作者には珍しく、大胆かつ大掛かりなトリックが用いられている。
もちろんプロットの巧みさはいうまでもなく、犯人の意外性といい、トリックの独創性・その切れ味といい、まったく非の打ちどころのない作品である。

ちなみに本書のメイン・トリックだが、とある著名な作家が日本探偵作家クラブ賞(日本推理作家協会賞の前身)受賞作でこれに似たトリックを用いている。
どうやら本書に触発されたものらしいが、このような物まね作品が受賞したのは日本推理小説史上、最大の愚挙といえよう。
なぜならそのとき最終候補に挙がっていた作品は、横溝正史の最高傑作『獄門島』と高木彬光の処女作にして代表作の『刺青殺人事件』といういずれ劣らぬ超傑作で、選考委員たちがトリックの前例等をしっかり審査してさえいれば、このような物まね作品が選ばれるはずはなかったのである。
しかし逆にいうと、その物まね作品のオリジナルである本書がいかに秀れた作品であるかを証明しているともいえよう。

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