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五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の商品レビュー

3.0 人間関係・・・入り組んでるか?
なんかベタベタを通り過ぎて印象が無い。証拠を探るのではなく人間関係の中から正式な動機を探っていくタイプ・・・にしてはシンプルすぎる関係性。
このタイプで前半にこれほどハッキリと情報を示してるのは女史にしては珍しい。だから話は物凄くわかりやすいんだがなんか浅い。
その割にはよーく読むと話の整合性も今一つだし結論に至る明確なポイントというのも実は無い。構成自体はストーリーを見せる物・・・
死が最後に〜辺りよりは遥かに読みやすいが心理描写モノの中ではイマイチな出来。
このタイプはしばらく断続的に出た後に「象は忘れない」で完成系となる。正直こちらの方が遥かに出来が良い。女史の場合心理描写に関しては晩年の方がしっかりしてる。
5.0 クリスティに感服
 自分の母は無実なのです・・・16年前、夫殺しの罪で収監中に死んだ母。だが、それをどうやって証明するか?この問題はまじかに控えた彼女に結婚にまで影を落としていた。うら若き女性の訴えにポワロは調査に乗り出すが・・・

 古い裁判資料を探り、関係者に合い・・・ポアロが捜査していく過程が読ませる。クリスティの作家としての腕が冴え、関係者の聞き込みから過去の事件を浮かび上がらせてく。単調になりがちな展開だが、読者を飽きさせない・・・やはり、このひとただ者でない。

 自分は、膨大なクリスティの山脈をすべて制覇した訳ではないが、それでも半分以上は読んだ。その中ではこれが一番のお気に入り。「ナイルに死す」『白昼の悪魔」「葬儀を終えて」などの傑作に比べるとパズラーの達成度は客観的に見て落ちる小品といわれても仕方がない作品だが、何とも言えない味わいがある。最終的にポアロが暴く真相もそれ程意外という訳でもない。しかし、巧みに引かれた伏線、何気ない見えたものが実は恐ろしいモノを象徴していると知る驚き・・・そこから浮かび上がる人間ドラマ。クリスティの持ち味が遺憾なく発揮されている。

 クリスティの恐るべき点は映画化、TV化やジュブナイル版に再編集されていない、ある意味埋もれた作品の中にこうした作品が数多くある点だ。「死が最後にやって来る」「ねじれた家」などなど・・・全くクリスティには感服されっぱなしだ
5.0 Pigs may shine
犯人が当たったためしがないので、ミステリを読まなくなって久しい。久しぶりにひもといたのが、この1冊。関係者から事情聴取するだけで、16年前に起こった殺人事件の真相を解くポアロ。多少、苦しいこじつけや強引な展開があるかと思いきや、人物描写、エピソードの持つ説得力が、疑心暗鬼な読者をも納得させてしまう。そして、私にはめずらしく、途中から犯人が分かった(嬉しい)。思うに、ゆっくり時間をかけて少しずつ読み進めば、ちゃんと分かるように計算され、書かれているのではないだろうか。いたずらに読者を混乱させる無駄な描写というものが、一切ない。クリスティーの原文をなぞるがごときとても丁寧な翻訳文が、読み易い。原作に星4つ、翻訳にひとつ進呈させていだたく。
5.0 追憶の中の殺人
これは傑作ですね。クリスティお得意のマザーグースからの引用なのですが、タイトルで物凄く損をしてる感があります。「クリスティー百科事典」によると米では「Murder in retrospect」(追憶の中の殺人)というタイトルがつけられているそうです。こちらの方が日本人向けだったのではないでしょうか?原題を尊重したのでしょうけどね(そのわりに「愛国殺人」なんてのもありますが)

内容はポワロが16年前の冤罪を晴らすべく、五人の事件関係者の証言、手記、そして心理を読み取り真犯人を当てるというシンプルな構成です。最終章前にもう一度読み返して誰が犯人かじっくり考える…といったクイーン初期作品のような読み方も可能で、「読者への挑戦」を挟んでもいいくらい読者にデータが的確に与えられます。ヒントの出し方が巧妙で、さすがクリスティは上手いですね。

知名度低いですが、クリスティ、そしてポワロシリーズでも指折りの名作ですので、ぜひ一読を。
5.0 傑作です!
有名な「ABC」「アクロイド」「そして誰もいなくなった」「オリエント急行」等のクリスティー作品に比べマイナーですが、実は見逃せない傑作だと思います。クリスティーものを大量に読んだ自分にとっても、特に印象深かった作品です。
16年前の事件。状況証拠は何も残っておらず、当時の関係者5人がいるだけ。
推理の手掛りは、読者もポアロも同じく、この5人の証言の中にのみあります。注意深く読んでください−−ポワロが最後に暴き出す意外な真犯人の名前に、あなたは行き着けるでしょうか?

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