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七つの時計 (クリスティー文庫)

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七つの時計 (クリスティー文庫)の商品レビュー

5.0 『新・チムニーズ館の秘密』? 私は犯人にはびっくりしましたね。
チムニーズ館に宿泊していた外交官の一人、ジェリー・ウェイドを驚かせてやろうと、他の宿泊客たちが彼の部屋に八つの目覚まし時計をベッドの下に忍ばせたのだが、翌朝彼は睡眠薬の飲みすぎで死んでいた。そして、八つの時計のうちの一つが庭へ投げ捨てられ、七つの時計がマントルピースの上に並べられていた。
この謎に、チムニーズ館の主人ケイタラム卿の娘、バンドルが立ち向かうが、新たな殺人が発生し、その被害者もまた「セブン・ダイヤルズ」という言葉を残して死んでいった。果たして、謎の組織「セブン・ダイヤルズ・クラブ」と事件との関連は?...というのが本書のあらすじ。

舞台は同じチムニーズ館で、前作で脇役キャラだった人物は多く登場するが、前作の主役だったアンソニー・ケイドは登場せず、話の内容にも前作とのつながりはない。さしずめ『新・チムニーズ館の秘密』といったところだろうか。
『チムニーズ館』を読まなくても楽しめる(実際、私は本書の方を先に読んだが特に支障は感じなかった)が、作品の雰囲気をより楽しむためには順番に読んだ方がよいだろう。

『チムニーズ館』はドバタバ劇のような軽いノリが楽しく面白かったが、意外性とか驚愕度という点では今一つだったのに対し、本書の結末には間違いなく驚かされると思う。
作者はある叙述のトリックを仕掛けていて、そのトリックは(本当はトリックではないのだが)バンドルにも仕掛けられているので、読者はバンドルの視点で物語を追っていく限り、彼女と同じ驚愕を感じるに違いないと思う。

『チムニーズ館』同様、本格推理作品ではないので論理的に謎を解くことはできない。流れに任せて一気に読み通すのがよい。
5.0 これは傑作だ
 この作品は、クリスティーの作品の中でも傑作の部類に入ると思います。
 『チムニーズ館の秘密』と同じ登場人物が出てきますが、話はつながっていないので、これ単体で楽しめます。『チムニーズ館の秘密』では脇役だったバンドルが本作では主人公です。
 謎のセブン・ダイヤルズをめぐる冒険ミステリです。途中で犯人はわかってしまいましたが、最後の謎解きでは驚かされてしまいました。読後、何気なく読んでいたところが、実はとても巧妙に書かれていたことに驚かされました。
 個人的には、前作に続いてケイタラム卿が出てきたことと、前作では邪魔者扱いだったビル・エヴァズレーが活躍できていたことが嬉しかったです。
5.0 サスペンス風味の冒険青春小説
クリスティのミステリのなかで最も好きな作品です。クリスティを知ってまだ間もない頃に何度も読み返したからかも知れません。先日読み返したら、最近の好みと少しずれていて、時の流れを感じました。

ポアロもミス・マープルも出てきませんが(バトル警視は登場します)、バンドルという知的で行動力のある若いヒロインが、友人の外交官たちを巻き込んで殺人事件の解明に乗り出します。サスペンス風味の冒険青春小説といった趣で、読後感がとても爽やかです。登場人物は有閑なお金持ち。古き良きイギリスの香りがします。

若い方にお勧めの本です。夏休みにいかが?
5.0 最後の最後に…
秘密結社、新発明の秘密書類、泥棒紳士、ヨーロッパ出身の妖婦…。こう聞くだけで、冒険ミステリー好きな人にはたまらないと思います。
しかし、こうした「お約束」とでもいった設定を用いながら、ありきたりのお話にしていないところが、クリスティーのクリスティーたるゆえんではないでしょうか?

読み進んでいくうちに、明かされていく真実は、私たちの予想をいい意味で裏切るもので、テンポのよさと相まって、一気に読まされます。
正直、クリスティ-ファンの方なら、犯人はすぐにピンと来るでしょうから、犯人の意外性という点では、欠ける所があるかもしれません。しかし、セブン・ダイヤルズ・クラブとその首領であるナンバー7の正体には、本当に驚かされました。

さらにこの作品を楽しく読ませているのは、ユーモアのセンスとでも言うべきものが、底に流れているからでしょう。クリスティーの冒険ミステリーの典型的主人公とも言える生き生きとした女性バンドルと、イヌのように忠実な愛すべきビルとの恋愛も含め、多彩な登場人物が物語を彩り、盛り上がてくれています。

個人的には、愛すべきぐうたら、バンドルの父であるケイタラム卿とバトル警部のファンです。

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