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太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 ハヤカワ・ノンフィクション

太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 ハヤカワ・ノンフィクション

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太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 ハヤカワ・ノンフィクションの解説

   アメリカ人は年間330億ドルをダイエットとトレーニングに費やしているが、それでもわれわれは歴史上かつてないほど太っている。そして、そのおかげで死にかけている。最近の公衆衛生局長官の報告によれば、アメリカ人の60%は太りすぎだ。そのなかには増加する肥満児も含まれており、その全員が高血圧や糖尿病、心臓病といった命にかかわるおそれのある健康上のリスクに直面しているという。

 『The Hungry Gene』(邦題『太りゆく人類』)は、拡大しつつある肥満という流行病を見すえ、今の時代に最も問題になっている科学の謎にかかわる、遺伝および行動学的な根本原理を解明しようと進行している研究の数々を紹介している。30年以上前に最初の超肥満マウスを育てたメイン州の閑静な施設から、科学者たちが昼夜兼行で肥満を引き起こす遺伝子の分離に取り組むニューヨークのロックフェラー大学まで、著名な科学ジャーナリストであるエレン・ラペル・シェルは、脂肪との戦いの最前線を訪れる。

   その途上で、シェルは過激かつ論議を呼ぶ外科的技術で重症の肥満に取り組む医学界や、ミクロネシアの島民の肥満の発生率が肥満の進化論的ルーツについて示唆すること、またこの「100億ドルの病気」を治療する薬の開発を競う製薬会社の姿勢を検証する。彼女はまた、この危機の背後に潜む肥満を誘発する傾向を強める文化に照準を定める──車中心で歩かないライフスタイルを育んだ郊外住宅地のスプロール現象や、現代の共働き家庭の超過密スケジュールに目を付けたファストフードの販売促進戦略などだ。科学と歴史、個々の体験談をおりまぜながら、肥満という流行病に屈服することなく打ち勝つ方法を示す、力強い結論に向かう。

   読者の心をとらえる刺激的な本書は、世界がいかにして肥満に陥ったかを解き明かすスリルに満ちた物語であると同時に、われわれがこの事態にどう対処すべきかを示すものでもある。『The End of Science』(邦題『科学の終焉』)の著者ジョン・ホーガンはシェルをこう評している。「登場人物の描写と盛り上げ方に関して、小説家並みのセンスをもったしぶとい書き手」と。

太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 ハヤカワ・ノンフィクションの商品レビュー

4.0 食文化が健康を守っている事を改めて認識させられる
米国では食に対する言われ的な文化が無いため、
手軽でダイレクトな美味しさを感じるファクトリーメードの食べ物が流行り太った事、
ポリネシアの人々が元々の体質に加え、米国からの安くて高カロリーなポークの缶詰のせいで肥満した事など、なかなか興味深いリポートと思います。
5.0 やっぱり「いらない」んだ!
間違った食べ物を食べていたら
太るのも、病気になるのも当然、と
率直に語っている本です。

間違った食べ物、とは
動物性の食品のこと。

この本も、食のことを考え直す
いいきっかけを与えてくれますが、
私的には『もう肉も卵も牛乳もいらない!』
が、より親しみやすく、分かりやすく、
おすすめです。

この2冊を読めば、

動物性の食品が「いらない」理由が
無理なく心に入ってきます。

5.0 太りゆく私?
現代を蝕む最悪の「病」。それは「肥満」だという。

 本書は胃バイパスという肥満から逃れる手術のショッキングな場面から
幕を開ける。そこから肥満の歴史的な背景や肥満についての科学的説明から
肥満をコントロールしうる遺伝子を探る科学者たちの苦闘、
はたまた「やせ薬」と副作用をめぐる話題までと
「肥満」をめぐる歴史と現実のトピックスが

読みやすい筆致でかかれていく。

 個人的には第10章、第11章の食品業界のたくらみと
現代病としての肥満の関係を鋭く指摘する箇所が心に響いた。

 なぜなら、そこまでは「なるほどなるほど」と「肥満」を単に
ひとごととして読んでいた内容が、そこにいたって
突如これは「わたし」の問題にほかならないことに気付かせてくれるからだ。

 楽をしたい。疲れることはさけて、気軽にテレビの前で何か食べたい。
 こういう現代のわれわれの安易に流れる気持ちが「肥満」を生む
根本の原因となっているという事実。

そういう意味で「太りゆく人類」は「太りゆく私」への警告になっているのだ。

5.0 「肥満」という現象を通してみる文明批評である
人は生きるために食べてきたが、その本能が我々の体にセットされ、進化、淘汰された結果、今では我々は太るために食べ、生きているようなものとなっている。

この本は、肥満治療の歴史、そして、現代最新の肥満治療、医学理論をわかりやすく書き上げるとともに、今の資本主義社会がいかに肥満というものを作りしだしているか、ということを丹念な取材と、精確な批評眼によって、書き上げた一冊となっている。

メインになる肥満遺伝子の発見史については一流の科学ノンフィクションとなっており、神聖視されがちな科学、医学という分野における、富と名声を求める熾烈な経済競争、欺瞞、裏切りなどを表面化させており、読み応えのあるものとなっている。筆者は、ボストン大学でジャーナリズムを学び、ワシンントンポストなどにも寄稿したことのある、ジャーナリストとのことだが、やはり科学ジャーナリズムに関しては、かの国はまだ一歩先を行っていると感じる。

物語の構成的にも、よく考えられており、小説でも読むかのように始まり、その物語は皮肉な結末を迎えるのだが、そこに至るまで本書を読むと、太っていることが悪なのではなく、肥満を助長する社会こそが問題なのだと思うようになった。その意味で、この本は肥満を通じた一種の文明批評であるといえる。

この本を読んで、ダイエットに関する矛盾を痛切に感じた。

5.0 太りたくない
食料のない時代は太ることが夢だったそうだが、現在ではハラの肉は
余計なものになってしまった。冒頭に書かれている通り、
アメリカでは手術をしてまで肥満を治そうとしている。
肥満になるのが生まれつきならその遺伝子があるはずだと、
科学者たちは躍起になって探し出す。数々の失敗を経てフリードマンの
ob遺伝子に辿り着いた。この遺伝子が産出するレプチンが問題なのだそうだ。
ただし遺伝子だけではなく環境要因も大きい。

後半はやせ薬に頼ることへの危険や缶詰、ファーストフードなどの西洋食の
浸透によって肥満が世界中に広がっていることへの警告が行われている。
やっぱり我々はカロリーの高いものを減らして、運動するのが一番のようだ。
肥満に関する色々なこと、特に!科学的なことがわかってとても斬新な本でした。
内容は少し難しかったです。

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