ようこそ amazlet.com へ! amazlet.com は Amazon.co.jp と連動したショッピング・サイトです。Amazon.co.jp だから安心・安全。 気に入った商品は ワンクリックで Amazon.co.jp のカートに追加することができます。
『レベル3』……存在しないグランド・セントラル駅地下3階、そこはノスタルジーへの入り口でした。ファンタジーではありがちな設定ですが、そこに著者はゲイルズバーグ(著者がカレッジに通ったイリノイ州の町)への愛をたっぷりふりかけます。そういえば著者には『ゲイルズバーグの春を愛す』という作品もありました。 『おかしな隣人』……「お隣に越してきたのは実は」というのはアメリカの小説ではよくありますが、本作では……外国人のように小銭でまごつき閉まったドアが自動的に開くかのように体当たりをしていき140年後のことを時々話す、おかしな夫婦でした。いやいや、『レベル3』のあとにこれを置きますか? 洒落た配置です。 『こわい』……ラジオからほんの短時間過去の番組が聞こえます。主人公がその話を友人たちにすると、似たようなエピソードが少しずつ集まってきます。共通点は「時間の混乱」。ペンキを塗り替えた後出現する以前のペンキ、子犬を飼い始める前の時点に出現した成長したあとの犬、写真に写った家族の未来像、犯罪が起きる前に警察に押収された凶器、80年前の恰好をした死体……そんな話がどんどん集積され、そして…… 『世界最初のパイロット』……南北戦争の時代。元ハーヴァード大学の教授の少佐は戦争に勝つためにとんでもないことを画策します。少佐が出かけたのはスミソニアン博物館。さてその目的は…… 今の目からはそれほどアイデアが捻ってあるわけでもないし強烈なオチが用意されているわけでもありません。でもだからといってがっかりするような短編集ではありません。私の読後感は「『異色』というより『良質』なファンタジイ短編集」です。スタンダードとして読んでおくべき本、と言って良いでしょう。