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なぜこの方程式は解けないか?―天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密

なぜこの方程式は解けないか?―天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密

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なぜこの方程式は解けないか?―天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密の商品レビュー

3.0 ちょっと邦訳タイトルにダマサレタ! 感が残りました
 この本の原題は“THE EQUATION THAT COULDN’T BE SOLVED − How Mathematical Genius Discovered the Language of Symmetry”です。これを見ると、この本の主題がサブタイトルの方に示されていることがハッキリ分かります。the language of symmetryとは、群論のことです。メインのタイトルは「解けなかった方程式」で、つまりガロアが群論を生み出したキッカケを示しているのです。
 ところが邦訳タイトルでは、メインタイトルの方に原題にはなかった疑問詞「なぜ」が加えられ、しかも過去時制が現在時制になっています。ま、ガロアの自問の言葉として臨場感を出したと言えば、そうかも知れません。しかし問題はサブタイトルで、原題にあった疑問詞「いかにして」が消えています。これでは、ポイントは群論から方程式に移ってしまいます。表紙デザインでも「方程式」の語が特に強調されていますから、編集上の意図的な操作と言えるでしょう。
 私はこの本を、それなりに面白い本だとは思います。高次方程式の解法探求史の3章から5章は、特に楽しく読みました。宇宙物理学が専門という著者が幅広い知識を備え、文筆の才に恵まれた一級の教養人であることは疑いありません。しかし読者に要求する知識レベルが曖昧だし(連立1次方程式の解法についてわざわざ付録で解説している!)、一冊の本としては、やはりあちこち話題が広がりすぎて焦点を結び切れていない印象です。素人向けの本である以上、どうしたってディレッタント性は逃れられないのでしょうが、それにしても、やはりガロアの群論について方程式の解の問題にもう少し踏みとどまった説明が欲しいところでした。
 ま、サイモン・シン『フェルマーの最終定理』の興奮を再び! と期待しつつ、時々この手の本を読むのですが、そう傑作ばかりゴロゴロ転がっているはずもないんですよね。
5.0 啓発される点の多い名著
病院のベッドで、二日で読み終えた。治療やリハビリ、その他の制約で忙しいのだが、予想以上に面白く、夢中になって読み耽ってしまった。
内容のすばらしさは、他の人のレビューに詳しいので、重複は避けるが、創造性のある仕事を目指したい人にも、ヒントが盛り沢山だ。どれだけ触発されるか、読後の楽しみとなるだろう。
敢えて出版社に苦言を提するなら、もう少し紙の質を上げて貰いたい。また、写真や図版も小さくて粗く、精査判読しがたい。そして、出来れば縦書きではなく、横書きの方が読みやすい。せっかくの名著を大事にしていただきたいものだ。
3.0 面白いが「不可解」
大変に気宇壮大な自然科学史の啓蒙書である。

その意味では「5次方程式の不可解性の証明」をめぐっての挑戦や、その解答を引きだした天才ガロアの群論の紹介にとどまらない。だから表題で内容を類推した読者としては戸惑う面もある。かんじんの群論などの説明が、この大著のほんの一部に過ぎないことも戸惑いをさらに加速させる。

それはそれで著者の博識を駆使した、宇宙論の壮大な物語はそれなりに重厚なのだが、その要となる群論による発想の革命そのものが理解できないとCGだらけの空疎なスペクタクル映画を見ているような気分にもさせられ、その饒舌がうっとうしく感じるところもある。導入と結末で、可視的なシンメトリーを説き、生物の対称性をくどくどと語るところがその空疎さとうっとうしさの代表である。

歴史や人物史としての面白さと数学や科学の高尚で近づきがたい「不可解」が相半ばする本。
5.0 群論とシンメトリを論じ、現代数学史を活写する好著
 ガロアに興味を持つ人達にとっては寝食忘れ、一気呵成に読めてしまうほど面白い本です。ガロアだけでなく、数学史の知識および現代物理学への興味があれば、さらに恐らく何十回読んでも読み尽きないほどの内容を持っているように感じます。とりわけ、下手な数学史の解説書を読むよりは、こちらを熟読した方が得る価値が大きい。安っぽい通俗書に従うと、クラインは大秀才であったが、たいした業績をもたない凡庸な数学者になってしまうし、クロネッカーは可哀そうなカントールをいじめた心狭い嫌な人物になり、カルダーノは性格破綻者で詐欺師風の奇人になってしまう。ところが、この本ではこれらの天才達を公平に描き、それぞれの業績の核心部分を適確に描いており、歴史的にガロア理論とどのように関連していくかが具体的にわかるようになっています。

 「クラインは、群論の応用において大きな突破口を切り開いたーー幾何学と対称性と群論が必然的に結びついていることに気づいたのだ。つまり、多くの点で幾何学は群論になることを明らかにした」(本書255頁)。確かに「この驚くべき言明は、幾何学に対する伝統的な見方からの脱却を意味していた」わけで、現代数学はまさしくその瞬間に姿を現したとも言えなくはない。クラインは、他の諸天才と比較すると、創造的な精神はやや見劣りしても、卓越した、まさしく天才的な理解力と整理力があったおかげで歴史的に立派な業績を残したとわかります。
 超対称性のひも理論等の用語が頻出し、難解な部分はあります。しかし、物理学と全く無縁の私でも、一応わかった気持にさせてもらえるというのは、著者の筆力というか、世界一流の人達だけが持つ知識の深さ・広さのおかげかもしれません。掛け値なしに世界最高峰の知識人からの贈り物が本書であり、読んだ人達の視界に壮大な広がりを与えてくれます。
4.0 とっても面白かったのですが!
ガロアとアーベルの群論の話が続くのかなと思いきや、途中から特殊・一般相対性理論に非ユークリッド幾何学、
ひも理論に超対称性まで話が飛んで行ってしまいました。(これはこれで凄い事なのですが!)
実は非常に群論に興味が出て来たもので、もうちょっと群論への突っ込みを期待していたのですが....
別の本で勉強しようかなと思います。
確か、「数学は科学の女王にして奴隷」に群論が載っていたのもの、理解できずに寝ながら讀み飛ばしてしまったので
もう一度讀み直そうと思います。

群論といえば、整数論に次いで使い途の無い学問として賞賛されていましたが、近頃では整数論は暗号理論に
引っ張りだこでプンプンと「軍」の匂いがしていますし、
群論も物理学のさる分野で凄く力を発揮していると云う記事をちょいと昔に讀んだのですが、まさしくそんな
内容が書かれています。

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