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真鶴

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真鶴の商品レビュー

3.0 長編ではちょっと・・
とても深くて、繊細で、すばらしい。
でも、長編としてはきつい。
川上弘美独特な雰囲気で、印象に残った文章がたくさんあった。他の作家でなく、川上弘美を選ぶ理由である繊細な空気がたくさんつまっていた。しかし、短編ならば、何度も読めるが長編であると、ストーリーとかいまいちよくわからなくない。続きを楽しみに読むものでないと、長編を読み進めようという気分になれない(私は)。短編で終わってたら、かなりかなりよかったのにー!
2.0 どうしちゃったんでしょう…
暗いです。もう言語感覚からしてダメでした…読了できてません。
赤ん坊を洗うシーンや子供の描写は、リアルすぎてうっすら吐き気すらします。
あくまで日常を描いているんですけどね…。
ラブシーンや男の描写もちょっとついていけない…
激しいわけでもアブノーマルでもないんですが、これはなんとも形容しがたい。
グロいホラーも全く平気な私ですが、今回はそういう意味とは違って、怖かった。
わかりやすい怖さじゃないんです。深遠すぎるんです。
読んだ時間がいけなかったんでしょうか…
ほかの方も書かれているとおり、ほかの川上作品とは違いすぎて、とまどいました。
こんな作風でしたっけ?
どんなに重いことでも上手にすいすいと読ませるものが川上作品にはあると思ったのですが、言語描写にのめりこみすぎているような。
失敗、とは言いませんが、私にはどうも受け入れられなかった。
でも、最近の雑誌の短編連載は好きなんですよね。
深い感情描写を少ない言葉でしてリアルに描き出す文章がとにかくすごい。
あれもこの作品の経験を通してだったのでしょうか。
たぶん、もっと寝かせてから読む一冊かもしれません。
今の私には、このねっとりと絡みつくような日本海の海のような暗さがつらくて、とても最後まで読めませんでした。
今読むと、生まれ変わってもこの本のトラウマを引きずりそう。
川上先生にだけは幸せで健康な生活をしてほしいです…
1.0 好きな作家さんなのだけど…
川上弘美さんは、私の中では好きな作家ランキングかなり上位なのですが、この作品はまったくもって退屈でした。。読めども読めども、全く感情移入ができなくて。いつもの作品なら、素敵だと思うフレーズがぽちぽち出てきて、するすると作品世界に入り込めるのですが…

ひとえに、人物が描けてないからだと思った。主人公の女は「夫に失踪された過去を持つ、自由業(文筆業?)の女」ということしか分からない。それだけでは、人物像をイメージするには足りないのだ。娘も母親も、「その娘、母親」でしかなく、青磁いう不倫相手の男もまったく温度を持っていない。だから、一つひとつの出来事にも必然性が感じられなくて…最後までぶつ切りな感じでした。

「肉でも、食べるか」「野や山を、走りまわっていた生きものの、肉ね」なんて会話、してるやついないよ。。

川上さんの文章が持つ「透明感」が、悪い方に出たような気がする。「ニシノユキヒコ」とか、「センセイの鞄」とか、輪郭のはっきりした登場人物が出てくる物語は好きなんだけどね。もしくは、すらっと読める短編。ちょっと今回は、合いませんでした。
5.0 ベケット?
著者の持つ「文学」のエッセンスを凝縮・濃縮したような1冊。
読みながら、文章が少しずつ世界の限界を押し広げていくような感覚がした。
著者の作品らしくなく、一気に読めず、むしろ読了するのにかなりな時間がかかったが、
充実した読書となった。これはこの文章が既成の言葉やイメージに頼らず、
一言一言に読み応えがあるからではないだろうか。
著者の作品はある種のすき(遊び)も面白さの一つだが、
この作品はそのすきだけでできているようで、そのためにすきがないとも言えるだろうか。
そしてそんな作品にお目にかかることは日本の現代小説ではほとんどないだろう。
この作品について物語を説明してもおそらく意味がない(といったら言い過ぎだが、
そこを説明しても、本書がどのような本であるかは伝わりそうにない)だろうし、
魅力を説明しにくいのだが、現代文学に興味があるなら読んでみてほしい、と言いたい。
シンプルで(具体的なイメージを使わない)力強く、
それでいてどこかやわらかさのある装丁デザインも、
本書の特質をとらえていてすばらしい。
5.0 今までの小説の中でいちばん好き
 間違いなく、代表作になると思う。
 夫が失踪して十数年の歳月がたち、主人公は、母と、父の顔を覚えていない年ごろの娘と三人で暮らしている。一応、恋人もいる(妻子持ちだけれど)。
 というようなストーリーの小説が今までどれだけあったかわからないが、これだけ「喪失」というきわめて文学的な(それだけに紋切型になりがちな)テーマにきちっと向きあった小説も少ないと思う。
 男と一体化して子を産み、そして子と一体化することで男から離れ、いつしか子も成長して自分から離れて行く。そしてかつて自分と一体化していた母は、確実に老い、死に向かってゆく。また自分も、死の世界の男から、呼ばれるようにして、死に近づいてゆく……という、神話的ともいえる話型が、身体感覚にリアルに迫ってくる。
 そして、真鶴、という絶妙な設定。東海道線下り電車のあの独特な光景は、まさに生から死に向かう気分を象徴している。
 以前から「川上弘美はたべもののことを書いてるところはいい感じにリアルだけど、男女のことになると逃げてる感じだよなあ」って思ってたけど、今回は、逃げてない。なまなましいよ。文体も今までとは変わっているし。あまくせつないだけじゃなくて、言いようのないふかいかなしみが、しんしんと伝わってきた。リアルで味わいのある細部の積み重ねから。
 好きなところも、いいなあ、と思うところもたくさんあったけれど、うまく伝えられない。部分じゃなくて、全体の流れとして味わいたいところばかりで。川上弘美の小説の中で、一番好きだな。

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