”まず自分ありき”の精神。
サッカー日本代表 中田英寿の"語録"。
98年、フランスW杯前に出版された。
この本を読んで、中田という人物が何に基づいて行動しているのか考えた。
それは…「自分がいかにあるか」という点に集約されると思う。
他人の目、他人の評価、他人の論理。
そういったものはすべて、"自分"にとっては意味をなさないということを
中田は知っている。
自分の生きる道を自分で作っている。
これは、よくいう「個性的であることへの欲求」などとは次元が違う。
画一的であることを嫌い、個性的なものを求める人がいるが、
そういう人はすでに他人と自分を比較している時点で
皮肉にも、いつまでも他人の束縛からは逃れられない。
だが、中田はそうではない。 "まず自分ありき"なのだ。
真っ直ぐに貫かれたこのスタンスこそが、彼の人生の原動力なのだと思う。
そしてだからこそ、この精神がマスコミなどの心ない批評にさらされる理由でもある。
マスコミが求めるのは大衆の求めるものだ。
大衆の求めるものは、自分が関心のある人物の自分が知らない点だ。
言い換えるなら、モデルだ。 自分とは違うモデルをひたすらに知りたいのだ。
この時点で、中田の精神と合致しないのは明白だ。
モデルを求める者がモデルを求めない者を一方的に攻撃する結果となる。
とはいえ、その攻撃が核に届くことはないけれど。この本を通して、彼の揺らぐことのない意志が見える。
彼の自然な一言は、作られた美辞麗句などには存在しない
"前に向かうエネルギー"を放っている。