選手を利用
この著者は選手の意見を代弁しているように装って、実は自分のエゴに利用しているだけのような気がしてならない。例えば、五輪直前に取材依頼をしたところ断りの返事がきたらしい。選手を練習に専念させたいという監督の意向からだ。それでも練習場を訪問してみたところテレビカメラが取材に入っていた。
この著者はそれを憤慨。そして選手の味方を装いながらの監督・協会批判。
「選手達はカメラがまわって嫌がっているのではないかと懸念した」
「以前から選手は練習中にカメラをまわされるのを嘆いていた」
「柳本はメディア対応で大忙しで、練習に姿を現すのは午後だけ」等々。
自分が取材を断られたのにテレビの取材を許可している事に嫉妬し、選手を利用して文句を言っているに過ぎない。
全くもって卑怯なやり方だ。
五輪の巨大スポンサーであるテレビ局の取材と、名もなきフリーのスポーツライターが同列に扱われるわけがない。
本心ではテレビの取材も断りたかったかもしれないが、影響力の大きさから受けざるを得なかったかもしれないと推測する事すらできないのだろうか。
自分がテレビ局と同等に扱われなかったのが余程気に入らなかったのか、この件のあと延々と柳本監督の批判が続く。
それも選手の不満を代弁するかのようなやり方で。
選手は批判するマスコミより、擦り寄ってきて何でも自分達の不満を正当化していくれる御用マスコミを慕うようになり本心も喋るようになる。
それをもって「監督にも言わない本心を私には語ってくれる」と勘違いしている気がしてならない。
他のレビュアーも書かれていたが、移動の際の飛行機の座席にしたって誰だってファーストクラスがいいに決まっている。それを選手を代弁しているような形で書く事はないだろう。このやり方は選手と協会の溝を深めるだけだ。
ちなみに五輪でもっとも金メダルを期待される柔道の選手の移動は、体重90キロを超える選手だけがビジネスクラスで、それ以外は選手スタッフ全員エコノミークラス。
五輪で3連覇した野村忠宏や、2連覇の谷亮子でさえエコノミー。
女子バレーの待遇が特別悪いわけではない。
もちろん上をみれば、米国NBAの選手はチャーター機で移動し、選手村でなく超一流ホテルに滞在するのだが、下を見ればもっとひどい待遇の国はいくらでもある。
シドニー五輪サッカーで金をとったカメルーンの選手はノーギャラのうえ、予選時は空軍の輸送機やトラックの荷台に乗せられて移動させられたりしたらしい。それでも金メダルを取った。
待遇改善を求めることはもちろん重要だが、予算やシステムの問題もあり早急にできない事も多い。上をみたらキリがない。我慢してもらう事も重要だ。
著者のように選手を煽って協会批判や監督批判をするやり方には賛成できない。
スポーツライターとしての基本姿勢に疑問を持つ。
同じスポーツライターの二宮清純氏も批判意見が多いが、彼は批判と同時に建設的な提案もよくしているし、競技者ではなくともスポーツについての膨大な知識を有している。
この著者はバレーボールの技術論、戦術論ともあまり勉強していないと感じた。

バレー人気復活と苦悩
アテネ五輪で明らかに選手たちの動きがどこかおかしかったのは見ている誰もが気づいたことでしょう。その時はやっぱりオリンピックは雰囲気が違うのかなと無理やり納得するしかありませんでした。でも選手たち曰く、WGがいらなかったと。。。
監督が悪いように言われる場面も多く、不信感を抱く内容もかなりありました。でも、正直1年半で五輪でメダルを取るなんて計画立てたことあるはずがないし、そのときを精一杯やろうとした結果だとおもいます。なので、北京までは十分な時間があるしこの経験が生きてくれればなと願ってます☆
あとは、吉原選手の苦悩が一番心に残りました。。。他の選手全員そうですが精一杯努力した姿はカッコいいし、こっちも何かやらないと!!って気持ちにさせてくれます。この本を読んでさらにバレーに対する想いが強くなりました!!バレー好きの方は是非読んでください!!
最後に、トモさんありがとう!!!
アテネ五輪で全日本女子が空中分解した本当の理由
OQTでは、あれほど団結していた全日本女子の選手達と柳本監督の間の精神的な絆を断ち切ったのはこの本の著者、吉井妙子氏であるということが本作品を読んで分かりました。
全日本女子チームに密着し取材を続けてきた著者吉井氏が「選手の側に立つ」ふうを装い、監督や日本バレーボール協会に対する選手達の不平・不満を執拗に煽り、
全日本女子の選手達の間に協会や監督に対する不信感が増幅していく様子が克明に綴られています。
一例を挙げさせて頂きますと
著者吉井氏はアテネの選手村に入った後、全日本女子の選手達の前で、
アテネまでの空路をエコノミークラスで移動させた日本のバレーボール協会をあからさまに批判しています。
しかし
同じくアテネの全米女子バレーボールチーム監督だった吉田敏明氏の「壁は破れる」(角川書店)にも書かれているように、
女子バレーボール米国代表の選手達も飛行機での移動は常にエコノミークラスです。
(体格的に全日本女子の選手たちより遥かに大きく、不自由を感じて当然の米国選手達でさえ、限られた予算内では致し方ないと我慢しています)
大切な五輪本番の試合を目前に控えた選手達に、協会に対する不信感を抱かせるような吉井氏の言動には非常な悪意を感じました。
本当に選手達のことを考えるなら、五輪本番以前あるいは五輪が終わった後に、日本バレーボール協会の首脳陣に対して直接意見を言うべきです。
冒頭にも申し上げましたが、本書は選手と指導者・選手とバレーボール協会を対立させるために精力的に動いた著者・吉井妙子氏の活動の記録です。
「日本のスポーツジャーナリストの中には、日本のナショナルチームが強くなる事を望まない人達がいる」
という衝撃的な事実が本作品によって明らかになりました。
一人でも多くの方に是非読んで頂きたいと思います。