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ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊

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ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊の商品レビュー

3.0 立花隆の読書力の凄さを知った
前半部分は書き下ろしの「ぼくの血となり肉となった五〇〇冊そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊」で,後半は「週刊文春」の2001年3月15日号から2006年11月2日号までに連載された「私の読書日記」をまとめ,加筆訂正したものとなっている.

前半は編集者とのインタビュー形式」となっていて,著者の仕事場(通称ネコビル)の書棚にある膨大な本を眺めながら,著者のこれまでの著作人生についてまとめられている.

著者は文藝春秋に入社するまでは,文学作品しか読まない文学青年だったが,週刊誌の記者となって,ノンフィクション物を読むようになり,その魅力にとりつかれていったようだ.その結果,政治・経済から物理学・脳科学・生命科学といった自然科学まで幅広い著作を著わすようになったようだ.
2.0 読後観想文
彼は読書家かも知れないが学者としての質に劣ると想う。事実をパッチ・ワークのように繋げている節があり、往々にしてジャーナリストに多いタイプだ。世間の関心事を見事に捕えてはいるが全く理論性に欠けている。彼の多読趣味に辟易するのは僕ばかりでは無いだろう。
3.0 20-30代の読書遍歴が面白い
前半が20-30代の読書遍歴がジャンル毎に本が紹介されていて面白い。後半の週刊文春の書評は今ひとつ。立花隆が意外と邪馬台国論争をくだらないといいつつ惹かれているところが面白い。
面白そうだなと思った本は「映画はやくざなり」「問題はグローバル化ではないのだよ愚か者」「超大国の破綻」「渋滞学」といったところ。
5.0 bird’s-eye view
立花隆のこのシリーズは素晴らしい。前二書は何度も読み返し、そこに寸評されている本を何冊も読んできた。
最高の読書体験とは、それまで自分が囚われてきた狭小な世界から離脱し、もっと高い地点から自分や世界を眺めることだと思う。鳥のように高所から広大な全体を見渡し、「自分は何処から来、何をしているのか。」という「意味」を見出そうとする知的営為だと思う。立花の読書はまさにそれだ。だからどこか宗教的な探求のような趣がある。実際、子供の頃の聖書にはじまり、生態学や最近のダイソンやネットワーク思考への関心に至るまで、彼の読書には失われた全体像=世界観を何とか獲得したいという欲求が根底にある。立花のそういう面が最もよく出ているのがこのシリーズだと思う。
かつて自分を知的ディレッタントとどこかで書いていたが、単なる衒学的俗物とは正反対の人物なのだ。この点を誤解している人が多いようだ。
ところで454ページの蓮実重彦の発言には大笑いした。まるで自分で自分の悪口を言っているみたい。悪口には高度な「自己」洞察があるものだと思う。
5.0 知のマップを豊かにするために。
 知の巨匠として文壇に君臨する立花隆。多彩な分野をものにして来た氏に対し辛口の評価を下す者もいるであろう。そしてこの「ぼくの〜」シリーズも例外なく槍玉に挙げられる作品である。
 多種多様な本を扱っているオムニバスな構成になっているせいか、悲しいことにこれを単に読書自慢と捕える輩が少なからずいる。
 博覧強記と謳われる氏は長きに渡る渉猟の旅で、文字通りに数え切れないくらいの本出くわしたであろう。つまり「ぼくの〜」シリーズは立花隆というフィルターを通過し、淘汰された作品が列挙されている点に真価があるはずである。
 そして、この本の活用法の一つとして提言できることは各自の知のマップをより豊かにすることが出来るという点である。氏の「教養論」では知のマップを入手することが先決だと言われたが、一般人の場合、入手後に知の探求に偏りが生じる可能性があり、その補正としての読み方が本書でできるのではないかと考えるのである。
 最後に付け加えるとするならば、本作品名は明らかにトンデモ本ではないので真っ向から批判するのはどうかと思う。

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