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走ることについて語るときに僕の語ること

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走ることについて語るときに僕の語ることの商品レビュー

3.0 極めて内省的に
 村上春樹が実質的に日本に紹介した米国の作家、レイモンド・カーヴァーの小説にして村上氏本人の手になる翻訳作品「愛について語るときに我々の語ること」が下敷きになっている書名である。が、中身はまるで無関係な村上氏のエッセイ。
 村上氏の趣味を超えたライフワークとも言ってよい、マラソンやトライアスロンなど「走ること」を軸に、ランナーとしての足跡(といってもレースの実績ではなく内面的な)と小説家村上春樹の内面を、行きつ戻りつしながら極めて内省的に記したエッセイである。
 「極めて」という言葉を使ったのは、これまでの村上氏のエッセイ、旅行記や音楽に関するものに比べて、という意味である。
 これらを扱ったエッセイでは、村上氏は客体(旅する地の風物や音楽、音楽家など)の描写や論評を通して自らを語っているが、本書では「走る」というある意味極めて自己完結的で内省的な行為を語ることで、自らそのものを語っている。というか語らざるを得ない題材なのである。「走る」ということは。
 もし、読者としてのあなたが、村上氏のこれまでのエッセイようなノリを本書に期待しているとすれば、いささか「重たく」感じることだろう。
一方、本書の中でも村上氏自らが語っている通り、自らについてここまで向き合ったエッセイはこれまでなかった。そうした部分を新鮮に感じられる方は、村上氏への「肉薄感」を得られるだろう。
さて、あなたはどちらを期待するだろうか
5.0 身体を通して考えることの大切さ
この本は作者村上さん曰く、エッセイではなくまた個人史と言うものでもなく
『メモワール』と言うものだと考えているという。この本を読んで思ったことは

『あぁ、私は何年、身体を使って(通して)ものを感じたり考えたりしてこなかったのだろう』と、
途方に暮れたことでした。それだけ、村上さんは走ること身体を使って感じたことを
言葉では説明のつかないものを言葉に描いて来た偉大な作家なんだなぁと思いました。

私にはこの本は良質な哲学書の様に思えました。

この本には走ることについての成功例や楽しいことばかりが書いてあるのではなく、
村上さん命名の『ランナーズ・ブルー』(走ることが嫌になってしまったこと)も書いてあり
その苦しみや深い悲しみ出来事から出発することが書いてあるのでその、
優しさや偽善的でないところや公平なところがとても見ていて好きでした。

苦しいのはあなただけじゃないと問いかけられている気がして。
私も身体を通して感じることをもう一度見つめなおしたいそう思う本でした。オススメします。

3.0 村上春樹嫌いの人も、彼のことを見直すかも
村上春樹が走る作家であり、毎年1回はフルマラソンを走り、
トライアスロンにまで挑戦しているというのは僕にとって相当意外でした。

「走る」ことを通して「書く」ことを語ったのがこの作品です。
走ることは、作家として必要な体力・持続力・集中力を
鍛えることができるそうです。
本書には村上春樹が走っている写真がいくつか収められているのですが、
確かに50代とは思えないほど引き締まったしなやかな体つきをしています。
ハングリーな精神と肉体を持つことは作家には不可欠だと僕は考えます。

村上春樹のこと、少し見直しました。
そして、僕も無性に走りたくなりました。
5.0 恐ろしく若々しい50代の文書
小説家、村上春樹の自分の事を書いた本

この本を読むまで意識しなかったのですが、村上春樹ってもうすぐ
60歳なのですね。先入観が無く読んでいるととても若々しい文書で
驚きました。
 内容は走ることを通じて感じる事を9章にわたって書いてあります。
彼の人生の重要な位置に走ることがあることがよくわかります。
 
 小説に、そして走ることに取り組む姿勢に対してこんなに真摯に
考えていることにとても共感を覚えました。
5.0 小説、自身の価値観への真摯な独白のメモワール(個人史)
村上さんが走ることの第一目的は小説を書く為に必要な体力を保つこと。やがて、努力してもタイムが限界を向かえ、失望感や閉塞感に苛まれます。しかし、そのランナーブルーを乗り越えて、完走する為の努力や過程を大切に思える境地に至ります。

本書では、33歳から走り始めた村上さんが走ることを軸に、小説、自身の価値観等についてとても真摯に語っており、まえがきで「(僕が走ることによって学んだ)哲学とまではいかないにせよ、ある種の経験則のようなものはいくらか含まれていると思う」と述べられているように、村上さんの人物像が如実に独白されたメモワール(個人史)になっています。

村上さんの作品が好きな人・氏自身に興味がある方は必読の書ではいでしょうか。きっと心や自分の人生観に呼応する一文に出会えると思います。

以下本文より抜粋。

与えられた個々人の限界の中で、少しでも有効に自分を燃焼させていくこと、それがランニングというものの本質だし、それはまた生きることの(そして僕にとっては書くことの)メタファーでもあるのだ。

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